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トマトの保存方法は?常温・冷蔵・冷凍どれがおすすめ?

トマトの保存方法は?常温・冷蔵・冷凍どれがおすすめ?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 岩切千晃(いわきりちあき)

鉛筆アイコン 2021年9月21日

トマトをまとめ買いしたり大量にもらったりして食べきれない場合、正しい保存方法を知っていると安心だ。トマトは、常温・冷蔵・冷凍と3パターンの保存ができる食品である。本記事では、トマトの保存方法を詳しく紹介していく。正しく保存し、最後まで美味しく食べきろう。

  

1. トマトの常温保存方法

すぐに食べる場合や涼しい季節であれば、常温保存も可能だ。とくに、熟していないトマトはすぐに冷蔵庫に入れるのではなく、しばらく常温に出しておいたほうがよい。トマトを常温保存する場合の具体的な方法や注意点を見ていこう。

常温保存で追熟

熟していない青いトマトを常温保存しておくと、自然と追熟が進む。15~25℃で追熟が始まり、実が赤くなる。また、追熟が進むにつれ糖度が増し美味しくなる。さらに、トマトの赤い色素であるリコピンも、追熟により含有量が増す(※1)。リコピンには抗酸化作用があり、悪玉コレステロールの酸化を抑えるなどの働きをもつ(※2)。完熟すると日持ちがしなくなるため、さらに保存したい場合は冷蔵保存や冷凍保存に切り替えるとよいだろう。

トマトの常温での保存方法

常温保存する場合は、トマトを一つずつ新聞紙で包み、ヘタを下にして置いておこう。新聞紙で包むことにより、水分が適度に吸収され傷もつきにくくなる。新聞紙の代わりにキッチンペーパーを使用してもよい。重ならないようカゴなどに入れて保存すると、風通しもよくなり重みでトマトが潰れてしまう心配もない。冷暗所など、なるべく涼しい環境で保存しよう。

常温での保存期間

3~5日ほどが常温保存できる期間の目安である。気温によっても保存期間は左右されるため、トマトの状態をチェックしながら保存するとよい。あまり保存期間が長引くと、追熟が進み過ぎて包丁で切りにくいなど調理に支障が出てくる。追熟の進み具合によっては保存方法を変更することも考えよう。

常温保存の注意点

トマトは25℃以上の環境では傷みやすくなるため、夏場など室温が高くなる時期の常温保存は避けたほうがよい。室温20~25℃程度が保たれる涼しい時期に限り、追熟させながら常温保存が可能と覚えておこう。また、傷のついたトマトも傷みやすいため注意が必要だ。傷の部分から水分が出て傷みが進んでしまうのである。傷のあるものは3日以内に食べきるか、冷蔵保存、冷凍保存に切り替えよう。

2. トマトの冷蔵保存方法

完熟トマトを保存する場合や保存期間を延ばしたい場合は、冷蔵保存するとよい。日持ちがよくなるだけでなく、ほどよく冷えて美味しいため、とくに生食にはおすすめの保存方法だ。具体的な方法や期間、注意点を紹介する。

冷蔵での保存方法

熟したトマトは冷蔵庫の野菜室で冷蔵保存するのが一般的である。次の点に注意して保存するとよい。
  • キッチンペーパーで包み、ビニール袋に入れて保存
夏が旬のトマトは低温に弱い。そのため冷蔵庫で保存する場合は直接冷気に触れないようキッチンペーパーや新聞紙などで包み、ビニール袋に入れるとよい。
  • ヘタを下にして保存
身のやわらかいトマトはとても傷みやすい。ヘタのまわりは比較的しっかりとしているため、ヘタを下にして置いておくとよいだろう。また、ほかの野菜と重ならないよう注意しよう。
この2つのポイントを守るだけで驚くほどよい状態で保存することができる。

冷蔵での保存期間

冷蔵庫の野菜室に入れたトマトは、1週間ほど保存することができる。ただし、季節によっても保存期間は異なる。とくに生で食べる場合は、1週間まで品質を保てるのは冬場のみだ。それ以外の時期は5日以内に食べきることが望ましい。
野菜室で保存していても、日が経つにつれ皮の水分が減り身も崩れやすくなる。完熟したらできるだけ早く食べたほうがよい。保存期間を少しでも延ばすには、トマトを包んでいるキッチンペーパーや新聞紙をときどき変えるとよいだろう。

冷蔵保存の注意点

トマトをキッチンペーパーなどで包みビニール袋に入れるのは、冷気や乾燥から守るためだけではない。トマトはエチレンガスを生成する。エチレンガスには植物の成長を促す働きがあるため、野菜室内のほかの野菜や果物を追熟させ傷ませる原因となってしまうのだ(※4)。トマトからエチレンガスが漏れないようにするためにも、必ずビニール袋に入れ密閉してから冷蔵保存する必要がある。

3. トマトの冷凍保存方法

トマトを長期保存したい場合は、冷凍するのがおすすめだ。冷凍保存することにより、調理するうえでのメリットも多い。まるごと冷凍することもできるし、カットしてから冷凍すればより便利だ。具体的な方法や保存期間を見ていこう。

冷凍での保存方法

  • まるごと冷凍する場合
まるごと冷凍する場合でも使いやすいよう、ヘタはくり抜いておくとよいだろう。ヘタの周りに包丁の刃先を入れてトマトを回しながらくり抜く。ミニトマトの場合は手でヘタを取るだけでよい。フリーザーバッグなどに入れて冷凍する。
  • カットして冷凍する場合
より使いやすくするためにはカットして冷凍するのがよいだろう。ざく切りにしてフリーザーバッグに入れ冷凍する。なるべく重ならないよう平らにしておくと、取り出す際にパキパキと折って必要な分だけ使うことができる。

冷凍での保存期間

冷凍したトマトは、3週間程度保存することができる。水分が多い野菜のため、霜が降りやすく、保存期間は比較的短めだ。また、冷凍保存すると食感が変わるため、生食よりもソースや煮込み料理などの加熱調理に向いている。

4. トマトの冷凍保存にはメリットが多い!

トマトは冷凍することにより、性質が変化する。そのため、単に長期保存が可能になるというだけでなく、味の面や調理の面でも生のトマトにはないメリットが得られる。どのようなメリットがあるのか、詳しく見ていこう。

旨みが増す

トマトには、旨み成分であるグルタミン酸が含まれている(※3)。冷凍したトマトは細胞壁が破壊されることにより、生の状態よりも旨み成分が溶け出しやすくなる。そのため、冷凍トマトを解凍し調理すると、生で食べるよりも旨みを感じやすくなるのだ。身が崩れやすい冷凍トマトは、煮込み料理などにすることで旨み成分も余すことなくまるごと食べることができる。

湯むき不要

トマトの皮をむく方法は湯むきが一般的である。しかし、冷凍保存したトマトの場合は凍ったまま水につけるだけで簡単にむけるのだ。皮をむいて食べたい場合は、トマトをカットしてから凍らせるより、まるごと冷凍したほうがむきやすい。冷凍する前にトマトのおしりに十字の切り込みを入れておくと、水につけたときに切り目から皮がはがれて、さらにむきやすくなる。

調理が楽に

煮込み料理やスープなど加熱調理する場合は、あらかじめカットしてから冷凍保存するのがおすすめだ。解凍せずにそのまま鍋に入れて煮込めるため、調理時間を節約することができる。また、火の通りがよくすぐに煮崩れるため、味もなじみやすい。時間のかかるスープやトマト煮などの料理も、冷凍トマトがあれば気軽に作ることができるだろう。トマトソースを作る場合は、凍った状態ですりおろして加熱するとよい。

5. 大量消費にも!トマトを保存食にしてみよう

トマトをそのまま保存してもよいが、大量にある場合などは手を加えてから保存するという方法もある。そこで、保存食としてもおすすめのトマトソース、ドライトマト、オイル漬けや酢漬けの作り方を紹介する。さまざまな料理に活用して、トマトを美味しく食べきろう。

トマトソースに

  • 湯むきしたトマトをざく切りにする
  • 玉ねぎとにんにくをみじん切りにする
  • フライパンにオリーブオイルをひき、にんにくを入れ弱火で加熱する
  • 香りが立ったら玉ねぎを加え、色づくまで炒める
  • トマト、ローリエを入れて中火にし、煮立ってきたら弱火で30分ほど煮込む
  • トマトをつぶしてなめらかになってきたら、塩、砂糖で調味する
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ドライトマトに

まずは下準備を行う。洗った完熟トマトを縦半分に切り、スプーンで種を取り除く。キッチンペーパーで水分を拭き取り、切り口を上にして塩をふる。
  • 天日干しで作る方法
トマトをざるなどに並べて、日光に当てながら2~3日干す。
  • オーブンで作る方法
オーブンを100℃ほどの低温に予熱しておく。オーブンシートを敷いた天板にトマトを並べ、1時間ほど焼く。トマトから出た水分を拭き取り、再度1時間ほど焼く。天板にのせたまま風通しのよい場所で完全に乾かす。
  • 電子レンジで作る方法
耐熱皿にトマトを並べ、600Wで5分ほど加熱する。トマトから出た水分を拭き取り、再度5分ほど加熱する。水気がなくなり完全に乾くまで、5分加熱し水気を拭き取るという作業を繰り返す。
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オイル漬けや酢漬けに

  • ドライトマトのオイル漬け
十分に乾燥させたドライトマトを容器に入れ、完全に漬かる量のオリーブオイルを注ぐ。好みでハーブなどを加えると風味がよくなる。
  • トマトの酢漬け
保存容器に酢、はちみつ、塩を入れよく混ぜ合わせる。切ったトマトを並べ、調味液にしっかり漬ける。冷蔵庫で30分以上寝かせ、味がしみ込んだら完成だ。5日以内を目安に食べきろう。
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結論

トマトを追熟させたい場合は常温保存、完熟したものを数日間保存したい場合は冷蔵保存、長期保存したい場合は冷凍保存が向いている。用途に合わせて、保存方法を使い分けるとよいだろう。大量消費したいときは、ソースやドライトマトなどに加工してから保存するのもおすすめだ。正しい保存方法で、トマトのさまざまな食べ方を楽しんでほしい。
(参考文献)
※1出典:農林水産省「平成25年地球温暖化影響調査レポート」P19
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/ondanka/pdf/25repo1.pdf
※2出典:農林水産省(中国四国農政局 松江地域センター)「夏の元気は野菜から! ~ 夏の暑さを夏野菜で乗り切ろう!~」
https://www.maff.go.jp/chushi/kohoshi/mag_newsletter/pdf/130807_n32.pdf
※3出典:農林水産省「aff(あふ)12年7月号」特集2 新・日本の郷土食(2)
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1207/spe2_02.html
※4出典:国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構「青果物の鮮度に関する収穫後生理学」p55,57
https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/nfri_syokuryo56_4.pdf
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  • 公開日:

    2019年6月28日

  • 更新日:

    2021年9月21日

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