目次
1. サラダ菜とは?

サラダ菜とは結球タイプのレタスの一種であり、通常の玉レタスよりも葉っぱの巻きが緩やかな品種のことである。通常の玉レタスに比べて、深い緑色の見た目と柔らかい葉っぱが特徴。また、バターを塗ったようなツヤ感があることから「バターヘッド」とも呼ばれている。料理には、サラダや付け合わせとして使われることが多いが、おひたし・和え物・炒め物・汁物などにしても美味しい。
サラダ菜の主な産地と旬の時期
農林水産省の「野菜生産出荷統計」によれば(※1)、2019年のサラダ菜の収穫量は8,340トン。このうち福岡県(1,490トン)、千葉県(1,480トン)、静岡県(1,250トン)での収穫量が多く、3県で50%以上を占めている。また、東京都中央卸売市場の「市場統計情報」によれば(※2)、通年60~80万トン程度取引されているが、2020年のピークは5月頃(86トン)となっていた。
2. サラダ菜の栄養面の特徴

緑黄色野菜に分類される「サラダ菜」は、体内でビタミンAに変換されるβカロテンを多く含んでいる。また、通常の玉レタスに比べるとビタミンEやビタミンKなども豊富。そこで文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を参考に(※3)、サラダ菜の栄養面の特徴を確認しよう。
栄養1.βカロテン
βカロテンはカロテノイドの一種であり、体内でビタミンAに変換される栄養素のこと。ビタミンAに変換されると、目や皮膚などの健康状態を保つために働く(※4)。また、βカロテンは「抗酸化ビタミン」の一種であり、体内の活性酸素の発生を抑えたり、取り除いたりする作用もある(※5)。
【レタス全般のβカロテン含有量】
- サラダ菜:2200μg
- レタス(土耕栽培):240μg
- リーフレタス:2300μg
- サニーレタス:2000μg
- サンチュ:3800μg
栄養2.ビタミンE
ビタミンEは、ビタミンAやビタミンCなどと同じ、抗酸化作用を持つ「抗酸化ビタミン」の一つである(※5)。また、細胞内に過酸化脂質が作られるのを抑制したり、血管の健康状態を保ったりする働きも持つという(※4)。サラダ菜は、特に「α-トコフェロール」を多く含んでいる。
【レタス全般のビタミンE含有量】
- サラダ菜:1.4mg
- レタス(土耕栽培):0.3mg
- リーフレタス:1.3mg
- サニーレタス:1.2mg
- サンチュ:0.7mg
栄養3.ビタミンK
脂溶性ビタミンの一種であるビタミンKには、血液凝固や丈夫な骨作りなどをサポートする働きがある。このビタミンKの「K」は、凝固という意味がある「Koagulation」が由来となっている。健康の人が通常の食事をしていれば不足することはないが、欠乏すると血液凝固が遅れたりする(※4)。
【レタス全般のビタミンK含有量】
- サラダ菜:110μg
- レタス(土耕栽培):29μg
- リーフレタス:160μg
- サニーレタス:160μg
- サンチュ:220μg
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3. 新鮮で美味しいサラダ菜の選び方

サラダ菜は、一般的なスーパーや八百屋などで見かけることも多い。もし自分でサラダ菜を選べるなら、以下のようなポイントを参考にして新鮮で美味しいものを選ぼう。
新鮮で美味しいサラダ菜の選び方
- 全体:ふわっと軽い印象があり緑色が濃いもの
- 葉っぱ:みずみずしくてツヤとハリがあるもの
- 切り口:キレイな白色のもの(※茶色は避ける)
4. サラダ菜の基本的な切り方

サラダ菜を使うときは、料理に合わせて適当な大きさにカットするとよい。ここではよくある「そのまま使う方法」と「ざく切りにして使う方法」の2通りの切り方を紹介する。
切り方1.そのまま(巻き料理など)
- まな板にサラダ菜を横向きにして置く
- 根元を包丁で切り落としたら完了
切り方2.ざく切り(サラダなど)
- まな板にサラダ菜を横向きにして置く
- サラダ菜の根元を包丁で切り落とす
- サラダ菜を中央で半分にカットする
- サラダ菜を縦向きにして半分に切れば完了
【サラダ菜を切るときのポイント】
- 包丁を使わず手で千切ると断面がキレイになる
- カット後はあまり長い時間水に浸けないようにする
5. サラダ菜の美味しい食べ方

サラダ菜は、サラダ・サラダ巻き・付け合わせなどに使われることが多い。しかし、サラダ菜はこれら以外にも、炒め物・和え物・おひたしなどに使うこともできる。ここでは、そんなさまざまな料理に使えるサラダ菜の美味しい食べ方を3種類紹介する。
食べ方1.サラダ菜巻き(手巻きサラダ)
サラダ菜は焼肉でよく使われる「サンチュ」のように、肉類や魚類などを巻いて「サラダ菜巻き(手巻きサラダ)」にするのがおすすめ。巻いてから食卓に並べてもいいし、お好みの具材を巻けるようにサラダ菜を別に用意してもよい。ホームパーティなどでもおすすめの食べ方となっている。
食べ方2.サラダ菜の炒め物
サラダ菜は、豚肉などと一緒に炒め物にしても美味しい。油を引いたフライパンでサッと炒めることで、生食のときとは違った柔らかい食感を楽しむことができる。また、味付けは醤油ベースの和風だけでなく、オイスターソースを使った中華風、バターを使った洋風などさまざまなもので楽しめる。
食べ方3.サラダ菜の卵スープ
サラダ菜は卵スープの具材に使われることも多い。作り方は簡単で、鍋にお湯を沸かしてからコンソメ顆粒で味付けする。そこに溶き卵を入れてから、最後にカットしたサラダ菜を加えてしんなりするまで煮ればOKだ。また、ウインナーやベーコンなどの肉類を追加しても美味しくなる。
6. サラダ菜の正しい保存方法

サラダ菜は、乾燥しやすく日持ちしないため、できるだけ早く食べ切るのがよい。また、保存する際は「冷蔵保存」が基本となる。霧吹きなどで葉っぱ部分を軽く湿らせて、キッチンペーパーで軽く包んでから、冷蔵庫の野菜室に立てて保存しよう。なお、野菜には冷凍保存が可能なものも多いが、サラダ菜を冷凍してしまうと、味・食感・色味などが悪くなってしまうためおすすめできない。
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7. サラダ菜に関するよくある質問

ここまでサラダ菜について詳しく解説してきた。しかし中には「玉レタスとの違いは何か」「サラダ菜はどうやって栽培しているのか」などが気になる人もいるだろう。そこで最後に、サラダ菜のよくある質問・疑問に回答する。
Q1.レタスにはどんな種類があるの?
レタスには一般的な結球レタス(玉レタスなど)のほかに、葉レタス(サニーレタスなど)・立ちレタス(ロメインレタス)・茎レタス(ステムレタス)などの種類がある。いずれも同じキク科アキノノゲシ属の植物ではあるが、見た目や味わい、栄養価などが異なる。この中でサラダ菜は結球レタスの一つであり、しわが少なく葉っぱと緩い巻き具合が特徴となっている。
Q2.サラダ菜はなぜ通年並んでいるの?
サラダ菜は、露地栽培とハウス栽培など、さまざまな方法で行われている。露地栽培の収穫期は5~6月、9~10月の2回。また、ハウス栽培・トンネル栽培の収穫期は12月~翌年3月頃となっている。このようにさまざまな方法で栽培されているため、サラダ菜は通年スーパーや八百屋などの店頭に並んでいるという。
結論
サラダ菜は結球レタスの一種ではあるが、一般的な玉レタスとは見た目・食感・栄養面など異なる特徴がある。また、食べ方にはサラダ・手巻き料理・炒め物・汁物などさまざまなものがあり、鮮やかな緑色が料理を一段と華やかにしてくれる。通年流通しており、普通のスーパーや八百屋でも見かけることが多い。もし興味があったらサラダ菜の料理を作ってみよう。
【参考文献】
- ※:農畜産業振興機構「野菜ブック レタス」
https://www.alic.go.jp/content/001162829.pdf - ※1:農林水産省「作況調査(野菜)」
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/sakkyou_yasai/index.html - ※2:東京都中央卸売市場「市場統計情報(月報・年報) 」
https://www.shijou.metro.tokyo.lg.jp/torihiki/geppo/ - ※3:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/ - ※4:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf - ※5:e-ヘルスネット「抗酸化ビタミン」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-008.html
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