1. サラダ菜の基本的な栄養価

まずはサラダ菜の基本的な栄養価を確認しておこう。「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」には生サラダ菜の栄養価だけが収録されており、100gあたりの主な栄養価は以下のようになっている。
サラダ菜100gあたりの栄養価
- エネルギー:14kcal
- たんぱく質:1g
- 脂質:0.2g
- 炭水化物:2.7g
- 脂肪酸
・飽和脂肪酸:0.01g
・一価不飽和脂肪酸:0g
・多価不飽和脂肪酸:0.06g - ビタミン
・βカロテン:2200μg
・ビタミンD:0μg
・ビタミンE:1.4mg
・ビタミンK:110μg
・ビタミンB1:0.06mg
・ビタミンB2:0.13mg
・ナイアシン:0.3mg
・ビタミンB6:0.06mg
・ビタミンB12:0μg
・葉酸:71μg
・パントテン酸:0.25mg
・ビオチン:0μg
・ビタミンC:14mg - ミネラル
・ナトリウム:6mg
・カリウム:410mg
・カルシウム:56mg
・マグネシウム:14mg
・リン:49mg
・鉄:2.4mg
・亜鉛:0.2mg
・銅:0.04mg
・マンガン:0mg
・ヨウ素:0μg
・セレン:0μg
・クロム:0μg
・モリブデン:0μg - 食物繊維:1.8g
(・水溶性食物繊維:0.2g)
(・不溶性食物繊維:1.6g)
2. サラダ菜とレタスの栄養面の違いは?

サラダ菜は「緑黄色野菜」であるためβカロテンを多く含む。また、ビタミン類・ミネラル類・食物繊維なども、全体的に普通のレタスよりサラダ菜のほうが多く含んでいる。そこでここではいくつかの観点でサラダ菜とレタスの栄養面の違いについて確認しておこう。
その1.βカロテン
まずはサラダ菜の特徴であるβカロテンを比較してみよう。βカロテン量はサラダ菜が2200μgであり、レタスが240μgである。この通りサラダ菜のほうが約9.2倍もβカロテンの含有量が多い。βカロテンの働きはいくつかあるが、主には体内でビタミンAに変換されて目や皮膚などの健康を保つ。また、抗酸化物質であるため、体内の不要な活性酸素を取り除く働きがあるとされている(※1)。
その2.ビタミン類
βカロテン以外のビタミン類も、基本的にはサラダ菜のほうが多い。特にビタミンEやビタミンKの含有量は多くて、ビタミンEはレタスの約4.7倍、ビタミンKはレタスの約3.8倍となっている。ビタミン類の働きはそれぞれ異なり、例えばビタミンEは抗酸化物質として活性酸素を取り除く働き、ビタミンKは骨の形成や血液凝固などをサポートする働きなどを有している(※3)。
その3.ミネラル類
サラダ菜はレタスよりもビタミン量が多いだけでなく、ミネラル量も多くなっている。特に多いのがカリウム、カルシウム、リン、鉄分などで、それぞれカリウムは約2.1倍、カルシウムは約2.9倍、鉄分は約8.0倍も多くなっている。このことからもサラダ菜はレタスよりも多くのミネラル類を含んでいることが伺える。ただし、マンガンなど一部のミネラル類はレタスのほうが多い。
その4.食物繊維
食物繊維量もレタスよりサラダ菜のほうが多い。それぞれの100gあたりの食物繊維の含有量はレタスが1.1g、サラダ菜が1.8gである。そのため、1.6倍ほどサラダ菜のほうが食物繊維も多い。食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の二種類があり、サラダ菜に多いのは不溶性食物繊維のほう。内訳は水溶性食物繊維が0.2gで、不溶性食物繊維が1.6gとなっている。
3. サラダ菜の重さ別のカロリー量と糖質量

サラダ菜の100gあたりの栄養価は前述の通りだが、スーパーや八百屋などで売られているサラダ菜のサイズはさまざまとなっている。そこで一般的なサラダ菜1株分と1枚分のカロリー量と糖質量をまとめておく。なお、糖質量は「炭水化物-食物繊維」で算出している。
- サラダ菜1株(可食部87g):カロリー12kcal、糖質量0.7g
- サラダ菜1枚(可食部6g):カロリー1kcal、糖質量0.1g
4. サラダ菜の栄養素を逃さないポイントとは?

さまざまな栄養素を含んでいるサラダ菜だが、食べ方を間違ってしまうとせっかくの栄養素が流出してしまう可能性もある。そこでサラダ菜の栄養素を逃さないで食べるポイントも紹介しておこう。
ポイント1.生で食べるようにする
サラダ菜に多く含まれるビタミンB群やビタミンCなどは「水溶性ビタミン」というもので、水に溶けだしてしまう特徴がある。そのため、サラダ菜を茹でたりするとせっかくのビタミン類が少なくなってしまう可能性がある。サラダ菜を食べるときは、基本的にサラダに使うなど生で食べるのがおすすめ。また、スープなどに使って汁ごと飲むようにすると栄養素をしっかりと摂ることができる。
ポイント2.油と一緒に食べるようにする
同じくサラダ菜に多く含まれるβカロテン・ビタミンE・ビタミンKなどは「脂溶性ビタミン」と呼ばれるものである。こちらの特徴は油に溶けやすいというものである。そのため、サラダ菜を食べるときには油を含むドレッシングなどをかけるのがおすすめだ。なお、ドレッシングを多くかけすぎると、カロリーが高くなってしまうので使う量には注意しよう。
結論
サラダ菜はレタスに比べると、ビタミン類・ミネラル類・食物繊維などを多く含んでいることが特徴だ。そのため、同じレタスサラダを作るならサラダ菜のほうが、栄養バランスはよくなるだろう。ただし、サラダ菜にはレタスのようなシャキシャキ感があまり感じられない。シャキシャキを活かしたい料理にはレタスを使うようにするなど、上手にサラダ菜とレタスを使い分けるようにしよう。
【参考文献】
- ※1:厚生労働省 e-ヘルスネット「緑黄色野菜(りょくおうしょくやさい)」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-037.html - ※2:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365419.htm - ※3:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
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