1. 塩トマトとは?

塩トマトとは、熊本県八代地区や宮城県岩沼市などで栽培されるトマトである。また、トマトを使った万能調味料に「塩トマト」と呼ばれるものがある。野菜としての塩トマトは通常のトマトよりも小ぶりではあるが、甘みが8~10度と非常に高く、うま味もぎっしりと詰まっている。なお、栽培地域や収穫期間が限られているため、一般的に塩トマトは高級野菜の一つとして高値で取引されている。
2. 塩トマトの特徴や魅力

主に干拓地で栽培されている塩トマトは、完熟系大玉トマトなど八百屋やスーパーでよく目にするトマトとは異なる特徴がいくつかある。そこで通常のトマトと比べながら塩トマトの特徴を紹介する。
特徴1.甘みとうま味が強い
塩トマトは、熊本県八代地区のような干拓地で栽培されている。干拓地とは海や湖沼だった部分を仕切り、干上がらせて陸地にした場所のことである。本来、干拓地の土壌は塩分濃度が高いため、作物の生育には適さない。しかし、トマトは大きくはならなかったが、その分甘みとうま味が詰まった美味しいものに育った。普通のトマトの糖度は5度程度だが、塩トマトは8~10度程度となっている。
特徴2.冬から春頃しか手に入らない
普通のトマトは通年流通しており、露地物の旬は6~8月頃となっている。一方、塩トマトは冬春トマトの一種であり、一般的には12~5月頃の比較的寒い時期にだけ流通している。塩トマトが冬春トマトである理由は、元々熊本県で多く冬春トマトが生産されていたことが関係しているようだ。生産時期も限定されており生産量も少ないため、塩トマトはあまり全国的には多く出回らないようだ。
特徴3.さまざまなブランドがある
塩トマトには「はちべえトマト」「太陽の子」「塩次郎」「塩乙女」「不知火夢ロマン」などいくつか商品名(ブランド名)がある。また、贈答品にもピッタリな糖度10度以上の「ロイヤルセレブ」も販売されている。これらの塩トマトは、地元以外のスーパーや八百屋では中々手に入らないが、収穫時期になればインターネット通販なども行われているので探してみよう。
3. 美味しい塩トマトの選び方

インターネット通販などでは自分で塩トマトを選ぶことはできないが、スーパーや八百屋などで見かけたら以下のようなポイントを参考に美味しい塩トマトを選ぶようにしよう。
美味しい塩トマトを見極めるポイント
・ヘタ:濃い緑色をしており、ハリがあってみずみずしいもの
・お尻:スターマーク(放射線上の線)がはっきり出ているもの
・重み:手に持ったときにずっしりと重みを感じるもの
※葉の色が悪かったり、枯れていたりしているものは避ける
・お尻:スターマーク(放射線上の線)がはっきり出ているもの
・重み:手に持ったときにずっしりと重みを感じるもの
※葉の色が悪かったり、枯れていたりしているものは避ける
4. 塩トマトの美味しい食べ方3選

塩トマトは普通のトマトに比べると甘みとうま味が強いため、そのまま食べるのが一番美味しいとされている。また、調理する場合はなるべくシンプルな味付けのものにするのがおすすめ。ここではいくつか塩トマトの美味しい食べ方を紹介しておこう。
その1.冷やし塩トマト
塩トマトの甘みとうま味を楽しむなら、特別カットせずにそのままかぶりつくのがおすすめ。また、冷やした塩トマトをカットして、お好みで少量の塩やオリーブオイルなどをかけても美味しい。ご飯のおかずとしてだけでなく、お酒のおつまみにも適した一品となっている。
その2.塩トマトのブルスケッタ
ブルスケッタは、スライスしたパンに具材をトッピングしたイタリア料理の一種である。作り方は、角切りにした塩トマトを塩・オリーブオイル・レモン汁で味付けし、トースターでこんがりと焼いた厚さ2cmほどのフランスパンにトッピングするというもの。パクパクと美味しく食べられる。
その3.塩トマトのパスタ
甘みとうま味が詰まった塩トマトをふんだんに使ったパスタもおすすめだ。たくさんの塩トマトでトマトソースを作ってもいいし、ペペロンチーノなどの具材に塩トマトを合わせても美味しくなる。具材にする場合は玉ねぎやナスなどと合わせても美味しくなるので試してみるとよいだろう。
5. 塩トマトに関するよくある質問

ここまで、塩トマトについて詳しく解説してきた。しかし「フルーツトマトとの違いには何があるのか」や「調味料としての塩トマトとは何か」などが気になる人もいるだろう。そこで最後に、塩トマトに関するよくある質問・疑問に回答する。
Q1.フルーツトマトとの違いは?
塩トマトと同じように特徴を持つトマトに「フルーツトマト(高糖度トマト)」がある。フルーツトマトも塩トマトと同じように糖度が高い特徴があるが、一般的なフルーツトマトは極力水を与えないようにして育てている。一方、塩トマトは塩分濃度が高い土壌でしか育てることができない。そのため、塩トマトは限られた地域でしか作ることができない希少性の高いトマトとなっている。
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Q2.調味料としての塩トマトとは?
万能調味料としての塩トマトとは、角切りしたトマトに塩・にんにく・はちみつなどを混ぜて半日~1日程度漬けたものである。塩麹や塩レモンなどと同じように、カルパッチョ・パスタ・トースト・スープ・冷奴などさまざまな料理に使うことができる。冷蔵保存の場合は1週間程度持つ。
【調味料の塩トマトの作り方】
1.普通のトマトを1cm角に角切りにする
2.ボウルにトマトや塩、はちみつを入れて混ぜる
3.煮沸消毒した保存瓶に移して冷蔵庫で1晩寝かせたら完成
2.ボウルにトマトや塩、はちみつを入れて混ぜる
3.煮沸消毒した保存瓶に移して冷蔵庫で1晩寝かせたら完成
結論
熊本県などの限られた地域でしか栽培されていない塩トマトは、自然の甘みとうま味が凝縮された最高級のトマトである。特別な日のディナーに、お世話になった人へのプレゼントに、大地の恵みをギュッと詰め込んだ塩トマトを選んでみるのもよさそうだ。
(参考文献)
- JA熊本うき「トマト」
https://www.jauki.or.jp/brand/tomato.php
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