目次
1. のどぐろの基本をおさらい

のどぐろとは正式名称を「アカムツ」といい、ホタルジャコ科アカムツ属の海水魚の一種である。口の中(喉元)が黒いことから「のどぐろ」と呼ばれており、その優れた味や脂のノリから「白身のトロ」と呼ばれることもある。成魚は50cm以上になることもあるが、一般的には20~30cm程度のものが多く出回っている、なお、名前に「ムツ」と付くが、スズキ目ムツ科のムツとは関係ない。
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2. のどぐろの一般的な旬は秋頃

のどぐろ(アカムツ)の漁獲量は毎年1,500トン前後とされており、その80%以上が島根県と山口県となっている(※1)。そんな島根県では通年脂ノリがいいのどぐろを漁獲しているが、基本的にはのどぐろの旬を9~12月頃としている(※2)。そのため、一般論としてのどぐろの旬は秋頃と考えてよいだろう。ただし、地域によって旬としている時期は異なっている。
3. 産地別ののどぐろの旬とは?

主産地である島根県・山口県では秋頃をのどぐろの旬としているが、地域によってのどぐろの旬(漁獲時期)は異なる。そこで全国漁業協同組合連合会(JF)が運営している「PRIDE FISH」などを参考に(※2)、産地ごとのどぐろの旬を紹介する。また、その土地ののどぐろ事情も解説する。
その1.島根県ののどぐろの旬
・旬:9~12月(秋)
島根県に面した日本海側はのどぐろの絶好の漁場とされており、ほぼ通年のどぐろの漁獲が行われている。そんな島根県ではのどぐろの旬を9~12月(秋)としており、特に8~10月頃に中型から大型ののどぐろが獲れるそうだ。この時期に獲れるのどぐろは、最も脂が乗っており美味しいそうだ。また、島根県の浜田市ではのどぐろを「どんちっちノドグロ」という名前でブランド化している。
島根県に面した日本海側はのどぐろの絶好の漁場とされており、ほぼ通年のどぐろの漁獲が行われている。そんな島根県ではのどぐろの旬を9~12月(秋)としており、特に8~10月頃に中型から大型ののどぐろが獲れるそうだ。この時期に獲れるのどぐろは、最も脂が乗っており美味しいそうだ。また、島根県の浜田市ではのどぐろを「どんちっちノドグロ」という名前でブランド化している。
その2.山口県ののどぐろの旬
・旬:9~11月(秋)
山口県ものどぐろの産地として知られており、特に日本海に浮かぶ見島周辺で多く漁獲されているという。また、県内各地で獲れたのどぐろは下関漁港に集まっているという。山口県では県産ののどぐろをブランド化し、重量200g以上、脂質量15%以上の鮮魚を「山口県産 のどぐろ」、加工した食品を「山口県産のどぐろの開き」として登録している。
山口県ものどぐろの産地として知られており、特に日本海に浮かぶ見島周辺で多く漁獲されているという。また、県内各地で獲れたのどぐろは下関漁港に集まっているという。山口県では県産ののどぐろをブランド化し、重量200g以上、脂質量15%以上の鮮魚を「山口県産 のどぐろ」、加工した食品を「山口県産のどぐろの開き」として登録している。
その3.新潟県ののどぐろの旬
・旬:7~9月(夏)
新潟県ものどぐろの産地の一つであり、特に本島では糸魚川市から村上市まで、また佐渡島でも多く漁獲しているという。しかし、ほかの地域と異なり、新潟県では旬の時期をのどぐろの産卵期にかかる7~9月頃(夏)としている。この時期ののどぐろは脂肪を蓄えているため、非常に脂のノリがいいそうだ。余談だが、新潟県では日本で初めてのどぐろの稚魚までの育成に成功している。
新潟県ものどぐろの産地の一つであり、特に本島では糸魚川市から村上市まで、また佐渡島でも多く漁獲しているという。しかし、ほかの地域と異なり、新潟県では旬の時期をのどぐろの産卵期にかかる7~9月頃(夏)としている。この時期ののどぐろは脂肪を蓄えているため、非常に脂のノリがいいそうだ。余談だが、新潟県では日本で初めてのどぐろの稚魚までの育成に成功している。
その4.石川県ののどぐろの旬
・旬:9~12月(秋)
石川県沖は暖流と寒流が交わる海域であり、のどぐろの産地の一つとして知られている。中でも加賀海域、能登外浦海域、能登内浦海域に位置する漁港で、のどぐろが多く漁獲されているそうだ。県内で獲れたのどぐろは、素早く冷却されて県外へも出荷されているという。
石川県沖は暖流と寒流が交わる海域であり、のどぐろの産地の一つとして知られている。中でも加賀海域、能登外浦海域、能登内浦海域に位置する漁港で、のどぐろが多く漁獲されているそうだ。県内で獲れたのどぐろは、素早く冷却されて県外へも出荷されているという。
4. 脂のノリに季節性は関係ないという意見もある

一般的にのどぐろの脂のノリは9~12月頃がいいとされている。しかし、島根県水産技術センターがまとめた「島根県周辺海域で漁獲されたアカムツ総脂質含有量の季節変動と個体差」によると(※3)、のどぐろの脂のノリのよさは季節性よりも個体差(大型魚のほうが多い)のほうが影響しているという。そのため、季節で変わらないなら「漁獲量が多い時期が旬」と考えることもできそうだ。
結論
のどぐろの一般的な旬は、9~12月頃の秋頃となっている。しかし、新潟県など、のどぐろの産卵期である7~9月頃を旬としている地域もある。また、季節よりも個体の大きさのほうが重要という意見もある。さまざまな意見はあるものの、のどぐろは基本的に通年脂のノリがよくて美味しい。ぜひ機会があったら「白身魚のトロ」と呼ばれるのどぐろを楽しんでみよう。
【参考文献】
※1:京都府「アカムツ(のどぐろ)の資源管理」
※2:プライドフィッシュ公式サイト「トップページ」
※3:島根県水産技術センター「島根県周辺海域で漁獲されたアカムツ総脂質含有量の季節変化と個体差」
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