1. ニッキとは

ニッキはスパイスの一種であり、クスノキ科の常緑樹である。喫茶店などでカプチーノを頼んだ際、皿にクルクルと巻かれた葉巻のような物を見たことはないだろうか。それこそがニッキである。カプチーノを混ぜる時、そのニッキを使うことで香りづけをするのに使う。最近ではパウダーをかけるところが増えたが、昔ながらの喫茶店やコーヒーにこだわりのある店では見ることも多いだろう。
ニッキの原料
ニッキの原料は、日本のニッケイ(肉桂)という木の根の部分。ニッケイの樹皮の下にあるコルクのような層を乾燥させるとニッキとなる。ニッケイの収穫量が少ないため、日本では価値が高いとされている。解熱作用や抗菌作用があるとされ、生薬して使われていた歴史もあるほど。
ニッキの風味
ニッキは少しスパイシーな香りと味を楽しめるため、甘い香りが苦手な人にもおすすめだ。日本ではニッキの代名詞的お菓子である江戸時代から始まった八つ橋は、もともと駅などで販売しており、生地を伸ばして固く焼いた食べ物だった。その後「生八つ橋」が販売され、京都土産の代名詞となっている。生八つ橋は生地の柔らかくモチモチとした食感を楽しめ、餡子とニッキのコラボレーションを感じやすくなっているのが魅力である。
2. ニッキとシナモンの違いは?

ニッキと似ているスパイスに、シナモンがある。パンなどにまぶしてあるシナモンは、子どもでも好きな人が多い。香ばしい香りと甘さは、シナモンロールなどとしてパン屋でもよく見かける。シナモンとニッキが同じものだと思っている人も多いのだが、実は違うのだ。こちらで、その違いを解説しよう。
原産国
かつてニッキやシナモンは、奈良時代に日本に伝わり、樹木は江戸時代に入ってきたとされていた。そして両方とも原産地はスリランカや南インドとされていた。しかし、実はニッキはもともと現在の沖縄県近く、石垣島や久米島で自然に育っていたことが明らかとなっている。日本で需要が生まれてからは、鹿児島県や和歌山県などでも栽培されている。現在、市場で出回るシナモンの多くはスリランカ産の「セイロンシナモン」や中国産の「チャイナシナモン」だ。シナモンとニッキは育った国が違うといえよう。
使われている部位
シナモンとニッキの原料は、どちらもクスノキ科の常緑樹だ。シナモンは幹の樹皮部分を使っているのに対し、ニッキは根っこの部分を使っているという決定的な違いがある。
成分
シナモンとニッキは含まれている成分にも違いがある。セイロンシナモンにはポリフェノールの一種である「オイゲノール」が含まれているが、ニッキには含まれていない。オイゲノールは鎮痛薬などとしても使われることが多いが、歯医者などの局所麻酔などでもよく使用される成分だ。オイゲノールはシナモン独特の香りを引き出す成分でもある。
3. ニッキのカロリーと栄養素

ニッキやシナモンのカロリーや、栄養素も気になるところ。どんなに好きでも摂取のしすぎはもちろんよくないので、適量を知る必要があるからだ。そこでこちらでは、ニッキの栄養素や効能などをまとめていこう。
カロリーと1日の摂取量の目安
ニッキやシナモンのカロリーは100gあたり364kcalで、小さじ1杯(3g)では約11kcalだ。そこまで高くないので、紅茶に溶かしたり、香辛料として使用する程度ならカロリーを気にする必要はないだろう。なお、シナモンの1日あたりの摂取量の目安は0.6~3gだ。ただし、サプリメントから摂取する場合は注意が必要だ。大量に摂取することで「クマリン」という成分が肝臓にダメージを与えるおそれがあるためだ。ほかにも、妊娠中の人は、胎児に何等かの影響を与えてしまう可能性が指摘されているため、避けるようにしよう。
栄養
ニッキやシナモンに含まれている主な栄養素とそれぞれのはたらきは、以下の通りである。
- ビタミンB1...皮膚などを守り、糖質の代謝を助ける
- ビタミンB2...皮膚の状態をキープする
- カリウム...むくみなどを予防
- カルシウム...骨や歯を形成する
- 鉄...血液中の赤血球を作る
- 不足すると貧血の原因となる。
- 亜鉛...味覚の働きをよくする
結論
ニッキとシナモンの成分や栄養の違いについて紹介した。ニッキもシナモンも独特の香りを楽しめ、スイーツや飲み物との相性がよい。カプチーノや八つ橋など、適量を守って、美味しく食べて欲しい。
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