1. 干し肉とは?
干し肉(ほしにく/ほしじし)とは、食肉を乾燥させて作った加工食品(保存食)のことである。使われる食肉は牛肉が一般的で、通常は「ビーフジャーキー」と呼ばれている。特にアメリカではポピュラーな食品であり、国内では岡山県津山市などが産地として知られている。おつまみ用のビーフジャーキーはそのまま食べられることが多いが、中には加熱調理を前提としているものもある。
なぜ干し肉は腐りにくいの?
食肉が腐ってしまう理由には、主に食肉に含まれる水分が関係している。食品を腐らせる細菌やカビといった微生物は、食品中の水分が多いと繁殖しやすい。一方、干し肉は乾燥させているため、微生物の繁殖を抑えられる。そのため、生肉よりも干し肉のほうが腐りにくく長期保存しやすい(※1)。
2. 干し肉の基本的な栄養価
干し肉の栄養価は使う肉の種類によって異なるが、一般的な牛肉の干し肉(ビーフジャーキー)の場合はたんぱく質やビタミンB群などを多く含んでいる。ここでは、文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を参考に(※2)、ビーフジャーキー100gあたりの栄養価を紹介する。
ビーフジャーキー100gあたりの栄養価
・エネルギー:304kcal
・たんぱく質:54.8g
・脂質:7.8g
・炭水化物:6.4g
・脂肪酸
・飽和脂肪酸:2.11g
・一価不飽和脂肪酸:2.70g
・多価不飽和脂肪酸:0.69g
・ビタミン
・ビタミンA:5μg
・ビタミンD:0.3μg
・ビタミンE:2.2mg
・ビタミンK:8μg
・ビタミンB1:0.13mg
・ビタミンB2:0.45mg
・ナイアシン:12.0mg
・ビタミンB6:0.85mg
・ビタミンB12:3.5μg
・葉酸:12μg
・パントテン酸:1.25mg
・ビオチン:4.5μg
・ビタミンC:1mg
ミネラル
・ナトリウム:1900mg
・カリウム:760mg
・カルシウム:13mg
・マグネシウム:54mg
・リン:420mg
・鉄:6.4mg
・亜鉛:8.8mg
・銅:0.25mg
・マンガン:0.13mg
・ヨウ素:5μg
・セレン:38μg
・クロム:11μg
・モリブデン:3μg
食物繊維:0g
・たんぱく質:54.8g
・脂質:7.8g
・炭水化物:6.4g
・脂肪酸
・飽和脂肪酸:2.11g
・一価不飽和脂肪酸:2.70g
・多価不飽和脂肪酸:0.69g
・ビタミン
・ビタミンA:5μg
・ビタミンD:0.3μg
・ビタミンE:2.2mg
・ビタミンK:8μg
・ビタミンB1:0.13mg
・ビタミンB2:0.45mg
・ナイアシン:12.0mg
・ビタミンB6:0.85mg
・ビタミンB12:3.5μg
・葉酸:12μg
・パントテン酸:1.25mg
・ビオチン:4.5μg
・ビタミンC:1mg
ミネラル
・ナトリウム:1900mg
・カリウム:760mg
・カルシウム:13mg
・マグネシウム:54mg
・リン:420mg
・鉄:6.4mg
・亜鉛:8.8mg
・銅:0.25mg
・マンガン:0.13mg
・ヨウ素:5μg
・セレン:38μg
・クロム:11μg
・モリブデン:3μg
食物繊維:0g
3. 干し肉の基本的な作り方
干し肉は、一般的な家庭で作ることも可能だ。必要なものは新鮮な牛肉(赤身)と、塩・醤油・ハーブなどである。これらを用意したら、さっそく以下の手順で自家製干し肉を作ってみよう。
干し肉の作り方・手順
1.塩と醤油を合わせた調味液に牛肉を1時間程度漬ける
2.干し網に並べて風邪通りのよい場所で半日ほど干す
3.干した牛肉を冷蔵庫に移して半日ほど熟成させる
4.(2)~(3)を2~3回繰り返して乾燥させたら完成
2.干し網に並べて風邪通りのよい場所で半日ほど干す
3.干した牛肉を冷蔵庫に移して半日ほど熟成させる
4.(2)~(3)を2~3回繰り返して乾燥させたら完成
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4. 干し肉を食べるときの注意点
干し肉は家で作ることも可能だが、自家製干し肉を食べるときには加熱調理してから食べるのが基本だ。また、自家製・市販を問わず干し肉は塩分量が多いため食べ過ぎには注意が必要である。ここでは、そんな干し肉(ビーフジャーキー)を食べるときの注意点について詳しく解説する。
注意点1.加熱調理してから食べる
市販のおつまみ用のビーフジャーキーなどは、基本的にそのまま食べられる。しかし、料理用の干し肉や自家製干し肉は加熱調理してから食べるようにしよう。衛生面に十分配慮していても、牛肉などの表面には細菌などが付着している可能性があり食中毒のリスクがある。そのため、特に自家製干し肉は、安全に食べるためにも加熱調理してから食べるようにしよう。
注意点2.塩分を摂り過ぎないようにする
前述の栄養価の一覧からも分かる通り、干し肉は塩分(ナトリウム)を多く含んでいる。そのため、食べ過ぎると塩分過多になる可能性があるため注意が必要だ。特に、お酒と一緒に食べることが多いおつまみ用のビーフジャーキーは、その肉のうま味と塩気からついパクパクと食べてしまいがちである。しかし、100gで食塩4.8g相当となるので(※1)、少量にしておくようにしよう。
5. 干し肉に関するよくある質問
ここまで干し肉について詳しく解説してきた。しかし、まだ「干し肉がどこで買えるのか」「干し肉はどう保存したらいいのか」などが気になる人もいるだろう。そこで最後に、干し肉に関するよくある質問・疑問に回答する。
Q1.干し肉はどこで買うことができる?
おつまみ用のビーフジャーキーは、一般的なスーパーやコンビニ、バラエティショップなどさまざまなお店で販売されている。しかし、料理用の干し肉はお店などで見かけないことが多い。もし料理用の干し肉がほしいなら、ネット通販などで探すのがおすすめだ。ネット通販なら産地である津山産の干し肉なども購入することが可能だ。なお、料金の目安としては600円/100g程度となっている。
Q2.干し肉はどのように保存したらいい?
市販の干し肉は常温、冷蔵、冷凍などさまざまあるため、パッケージに記載されている保存方法に従って保存しよう。また、自家製干し肉は、清潔な保存袋などに入れてから、冷蔵保存か冷凍保存するのがおすすめだ。適切な方法で乾燥させている場合、冷蔵庫で半年程度、冷凍庫で1年程度の保存が可能とされている。なお、保存期間はあくまで目安のであるため、早めに食べ切るようにしよう。
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Q3.アメリカのビーフジャーキーは持ち込めないの?
2000年代初頭に起きたBSE問題から、現在でもアメリカやカナダなどで販売されているビーフジャーキーは日本に持ち込むことができないようになっている。これは免税店などで買ったものも不可となっているほか、調理用・お土産用・個人消費用などの用途を問わず一切輸入できない(※3)。
結論
干し肉(ビーフジャーキー)は、もともと保存食として使われていたが、現在は牛肉のうま味や塩気が美味しいことから好まれている。そんな干し肉は家庭で作ることも可能だが、食べる際は食中毒を防ぐために加熱調理するのが大切になる。もしそのまま食べたいのなら、市販のおつまみ用のビーフジャーキーをスーパーやネット通販などで探してみよう。
【参考文献】
※1:農林水産省「乾物」
※2:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
※3:農林水産省「海外から日本への畜産物の持ち込み、持ち出しについて」
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