1. コーヒーの歴史

薬としてのコーヒー
コーヒーは、古くはアラビアやエチオピアで医薬品として愛飲されていた。記録に残っているのは、900年ごろ。野生のコーヒーのタネを煮出したものを患者に飲ませたという記述がある。利尿作用や強心などの効果があると言われていた。その後、16世紀になるとヨーロッパへと広がり、さらにアメリカ、そして世界中へと広がることになる。
日本とコーヒー
日本にコーヒーが伝来した時期については、定かになっていない。鎖国中、唯一開かれていた長崎のオランダ商館では飲まれていた可能性が高いという。文献として残っているのは、1782年。正式に輸入が始まるのは、さらに80年ほど後だと言われている。現在でこそ、当たり前に飲まれているが、一般に飲まれるようになったのはこの100年ほどのことだ。
コーヒーはどんな植物
ちなみにコーヒーとはどんな植物かご存知であろうか?コーヒー豆と良く呼ばれるが、コーヒーはアカネ科の植物、コーヒーノキの種子だ。ジャスミンのように芳醇な香りを放つ白い花を咲かせるが、この花はたった2~3日でしぼんでしまう。花のあとにできた実は完熟すると真っ赤になる。この実からタネを取り出したものが生豆。普段私たちが見るものとは違い、薄い乳白色だ。茶色いコーヒー豆にするために、さらに焙煎が行われる。
2. コーヒーの種類

産地と味
コーヒーノキは、数十種類あるが、飲料目的で栽培されている種は、アラビカ種とカネフォラ種の2タイプ。その中に、様々な品種が存在する。アラビカ種が世界で最も多く栽培されているもので、香りが高く、ストレートに向いている。カネフォラ種は、苦味が特徴でブレンドに向いていると言われている。コーヒーの生産地は、ブラジルやコロンビアを有するアメリカ大陸とケニアやエチオピアのあるアフリカ、ジャワ島やインドなどのアジアなど、世界60数カ国。生産地により、味わいが異なるのも特徴だ。
焙煎の具合
同じ豆であっても焙煎の具合で、まるで違う風合いになるのがコーヒーの面白いところ。一般的に浅煎りは、薄いシナモンのような色合いで、酸味が強く苦味はあまりでない。中煎りは茶褐色になり、バランスのいい味わいに。深煎りは、黒味を帯びた色で苦味と香ばしさが強くなる。
エスプレッソコーヒーとドリップコーヒー
コーヒーを使用したドリンクは、抽出の仕方で大きく2つに分けられる。エスプレッソコーヒーは、深煎りのコーヒー豆を非常に細かく挽いて淹れるコーヒーで、専用のマシンが必要。対して、ドリップコーヒーは濾紙やネル等のフィルターに挽いたコーヒー豆を入れ、お湯を注いで淹れるものだ。
3. エスプレッソコーヒーの種類

カフェラテ
エスプレッソコーヒーを使った代表的なドリンクといえば、カフェラテ。エスプレッソコーヒーにスチームミルクを入れて作られる。ちなみにラテはイタリア語で牛乳。エスプレッソ2:ミルク8の割合が一般的。
カプチーノ
カプチーノはカフェラテと混同されがちだが、少々異なる。カプチーノに使用されるミルクは、スチームミルクとフォームミルク。フォームミルクとは泡立てたミルクのこと。エスプレッソ1:スチームミルク1:フォームミルク1の割合が定番。
カフェモカ
カフェモカはカフェラテにチョコレートソースやチョコレートシロップを加えたもの。ココアとは違い、エスプレッソが入っているので、甘みも控えめ。日本ではホイップクリームをトッピングするケースもある。
4. ドリップコーヒーの種類

ブレンドコーヒー
よく聞くブレンドコーヒー。濃いめのコーヒーと勘違いしている人もいるかもしれない。こちらは、数種類のコーヒー豆の特徴を生かしながら配合したもの。ブレンドする豆により味は様々なので、店ごとに異なる味になるというわけ。
アメリカンコーヒー
日本では親しみの深いアメリカンコーヒー。こちらは薄いコーヒーというイメージを持たれがちだが、若干解釈が異なる。アメリカンは、浅煎りの豆を使用し、ドリップしたコーヒーを指す。スッキリとした飲み心地が特徴だ。
カフェオレ
カフェオレは、フランス語。café au lait、直訳するとコーヒーとミルク。カフェラテと混同されがちだが、こちらはドリップコーヒーと温めたミルクを合わせたもの。フランスでは、別々のポットに入った物が提供され、それを自分で混ぜるケースもある。
結論
最低限知っておきたいコーヒーとコーヒードリンクの知識をお届けしてきた。きちんと理解して、美味しいコーヒーをオーダーしよう。もちろん器具を揃えれば、自宅で作ることも可能。ぜひチャレンジしてみては。