1. 鍋料理の歴史と分類

江戸時代の鍋
鍋料理が発展したのは江戸時代後期と言われている。それまでは、囲炉裏で調理されていたものがだんだんと木炭を用いたコンロへと変化。コンロや囲炉裏にかけられる大鍋に対して、食卓に持ち出す料理を「小鍋料理」と呼ぶようになる。これが現在の鍋料理の原型と言われている。さらに明治時代になると牛鍋と呼ばれるすき焼きの原型が大ブームを起こす。こうやって家庭に少しずつ浸透していったのだ。
鍋料理の分類
家庭で進化を遂げ続ける鍋料理を分類することは、なかなか難しいが3つのタイプに分類することができる。出汁を使って煮る、寄せ鍋やおでんのようなタイプ。水炊きのように水に具材を入れて作るタイプ。すき焼きを筆頭にした鉄鍋で割り下や味噌だれを使い煮るタイプ。
2. 鍋料理は材料3つが鉄則

ごった煮の誘惑
皆さんはご自宅でどんな鍋を食べているだろうか?寄せ鍋、キムチ鍋、すき焼き、しゃぶしゃぶ...この辺りが定番であろうか。いざ、鍋料理を食べようとすると、どうしても冷蔵庫にある食材で作ろうとしがち。これが結果としてごった煮感を演出してしまうのだ。
素材は3つまで
とにかくごった煮感を脱するには、食材の品数を絞ることにある。これだけで見た目はもちろん、味わいが驚くほどに洗練する。ポイントはタンパク質をメインに、野菜を2種類だけ追加すること。例えば、すき焼きが食べたいのであれば、牛肉に春菊とネギ。キムチ鍋が食べたいのであれば、骨つきチキンと豆腐、ささがきごぼうなど。メインを決めたら、あとは旬の野菜をセレクトするのがおすすめ。
出汁にこだわる
鍋の醍醐味は、素材の美味しさが染み出した出汁にある。そのベースのスープは、市販の固形スープなどを使わずに、丁寧に取ることをおすすめしたい。と言っても何時間もかけて取る必要はなく、昆布を水に浸けておく、一番出汁を引くという程度でOK。出汁の出る食材(手羽元や骨つきチキン)を一緒に煮る場合は、そのほかに出汁は必要ない。
味付けは薄めが基本
煮汁は薄味にまとめるのが正解。濃い味は食べた瞬間は美味しいが、どうしても飽きてしまう。さらにだんだんと煮詰まることで、必然的に味が濃いめになるので、初めは薄味に徹するのが吉。
3. 鍋料理のオススメの具材の組み合わせ

我が家の鉄板!豆乳豚シャブ
豚シャブの基本は水に豚肉を入れるが、我が家では昆布出汁+豆乳で煮汁を作るのが定番。具材は、豚の薄切りと春菊、白髪ネギのみ。煮汁にたっぷりとチューブタイプのからしを入れるのがポイントで、これが風味をぐっと増してくれる。辛さは残らないので、お子様でも美味しくいただける。
クレソンが決め手の塩豚鍋
塩豚はそれ自体から味わいがたっぷりと出るので、出汁いらず。土鍋に湯を張って、潰したニンニクとごま油、花椒を入れて煮立て、薄くスライスした塩豚を投入するだけ。そのほかに具材としておすすめなのはクレソンと水菜。どちらもシャキシャキという歯ごたえが残る程度で、引き上げ、食べるといい。味が足りない場合は、食べるラー油や岩塩などでアレンジしよう。シメは、中華麺でラーメンにするのが吉。
あさり入りピェンロー
皆さんはピェンローという鍋をご存知だろうか?様々なメディアでも取り上げられている鍋で、白菜と春雨がメインの鍋。出汁に使うのは干し椎茸とその戻し汁。戻した干ししいたけは石づきを取り除き、1/4程度に切り、戻し汁と一緒に火にかけ、白菜の芯の部分も入れて煮る。沸いたらアサリを投入。アサリの口が開いたら、白菜の葉の部分をこんもりと乗せて、ごま油大さじ1を入れて蓋をし、少し蒸らす。馴染んだら、最後に戻しておいた春雨を入れ、ひと煮立ちしたらOK。最後にたっぷりとごま油をかけて、出来上がり。一味唐辛子と塩をだし汁に溶きながら食べよう。
結論
これからやってくる冬本番。毎週末、鍋を食べるなんてご家庭もあるだろう。ぜひ、品目を絞った鍋料理で、脱ごった煮をしてみて欲しい。