1. 庶民派?街で見かける中華料理の特徴とは

「今日は何を食べようか」と考えたとき、中華料理を選ぶ人は結構いるだろう。日本人に限らずだが、中華は老若男女問わず大人気の料理だ。中華料理には庶民的、大衆的といった印象がある。店舗の形態も個人店経営が多く、取り扱うメニューといえば、ラーメンやギョーザ、麻婆豆腐などの親しみやすいものばかりだ。価格はといえば、これも親しみやすい価格帯が庶民にとってはなによりも嬉しいことだろう。これらの中華料理は、本場発祥の地である中華人民共和国から伝わった料理を、日本人の味覚に合うようにアレンジされたものだ。いまにいたるまでは、長い歳月がかかったに違いない。厨房を切り盛りする料理人は日本人が多く、店舗の立地は市街地から下町、田舎まで幅広く存在している。
2. 中華料理より高級?敷居が高い中国料理の特徴

一方、中国料理は高級飲食店、予約制レストランといった印象がある。店舗の形態は個人経営よりも法人経営が多く、取り扱うメニューはフカヒレの煮込み、北京ダック、上海蟹といった日常では味わえないようなものが多く、中華料理店にはない高価格帯が主流だ。中心市街地の有名ホテルの一角や老舗百貨店に店舗を構えていることも多く、庶民にとってちょっと敷居が高い飲食店といえるだろう。材料や作り方にこだわりをもっている中国人シェフが厨房を切り盛りしているケースも見かけられるくらいだ。
3. 作法も異なる中華料理と中国料理

接待や会食などで人となりを垣間見ることができるテーブルマナー。失礼にあたらない基本的な作法を知っている人はどのくらいいるだろう。中国料理には西洋料理に見られるような細かい作法はほとんどなく、基本的な形式があるだけだ。料理は円卓テーブルの中央に回転型テーブルがある二段式が多い。ひとつの料理を大皿に盛り付け、上座に座った人から順に取り分けていく流れだ。ちなみに上座とは、出入り口から一番遠いところの席になる。これは中国料理に限ったマナーではないから覚えておくとよいだろう。各自で料理を取り分けていくから西洋料理のような配膳形式ではないため、ほかの人が料理を取りわけていないかどうか、回転式テーブルから箸やスプーンがはみ出していないかどうかなど注意が必要になる。また、料理が変わるたびに取り皿も新しいものに取り替えることが常識だ。料理の味が混ざらないように、たくさんの取り皿が用意されている理由がここにある。テーブルマナーを気にしたくない人やちょっと自信がない人は、中国料理店よりも中華料理店を選んだほうが無難のようだ。
結論
中華料理と中国料理。漢字にすれば一文字違うだけだが、店舗形態や立地、メニューや価格など異なる点はさまざまにある。どちらもその原点は中華人民共和国から伝来された料理であることは間違いないだろう。味噌や醤油、酢などと同じ発酵調味料を多用する中国食文化に魅了され、日本人好みに合うようさまざまに創意工夫、アレンジされた結果、中華料理が生まれたようだ。