1. チキン南蛮に合わせる献立のポイント

チキン南蛮の献立を考える前に、まずはチキン南蛮の栄養面の特徴を理解しておこう。メインとなる鶏肉には良質なたんぱく質やビタミン類が多く、またタルタルソースには卵由来の良質な栄養素が含まれる。そのため、以下で紹介しているとおり、チキン南蛮は栄養バランスが優れている。
【チキン南蛮の栄養面のメリット】
- たんぱく質や脂質を多く摂れる
- ビタミンE・K・B2・ナイアシンなどが多い
- カリウム・リン・亜鉛・セレンなどが多い
【チキン南蛮の栄養面のデメリット】
- エネルギー過多になりやすい
- 炭水化物・食物繊維が少ない
- ビタミンA・D・B1・Cなどが少ない
- カルシウム・マグネシウムなどが少ない
チキン南蛮を食べるときの献立の方向性
チキン南蛮には揚げ鶏やタルタルソースが使われているため、たんぱく質や脂質などが多いほか、ビタミンEなどのビタミン類も多く含まれる。一方で高カロリーになりやすいため、しっかりと炭水化物を摂りつつも、全体的にヘルシーな献立にするのがおすすめとなっている。
2. チキン南蛮に合う献立~主食4品~

ボリューム感とパンチの強い味わいが特徴のチキン南蛮には、白飯をはじめご飯がよく合う。そんなご飯を少しだけアレンジして、より栄養バランスのよい献立にしてみよう。
主食1.しらすの混ぜご飯
白飯にしらすを混ぜて「しらすの混ぜご飯」を作ってみよう。しらすはたんぱく質を多く含んでいるほか、チキン南蛮に不足気味のカルシウムやビタミンDなども含んでいる。また、アレンジとして白ゴマ、カリカリ梅、野沢菜漬けなどプラスしても美味しくなる。
主食2.おかかの混ぜご飯
おかか(鰹節)には、チキン南蛮に不足気味のビタミンB1やビタミンDが多い。そんなおかかをご飯に混ぜるのもおすすめだ。作り方は簡単で、ボウルやお茶碗などに白飯・醤油・和風だしを入れて混ぜ合わせる。それから、おかかと白ゴマをトッピングすれば完成だ。おにぎりにしても美味しい。
主食3.枝豆とベーコンの混ぜご飯
炊きたての白飯に、枝豆とベーコンを混ぜて、塩・コショウで味付けした「枝豆とベーコンの混ぜご飯」もおすすめの主食だ。枝豆とベーコンを加えることで、たんぱく質・ビタミン類・ミネラル類をバランスよく補える。溶けるチーズを加えることで、洋風な味わいにアレンジすることも可能だ。
主食4.タケノコとツナの乗っけご飯
タケノコとツナを煮たものを白飯の上にトッピングしても美味しい。作り方は、フライパンで1cm核に切ったタケノコを炒めてから、ツナ・和風だしの素・酒・砂糖・醤油・水などを加えて煮るだけである。タケノコからは食物繊維などを、ツナからはたんぱく質やビタミン類などを補える。
3. チキン南蛮に合う献立~副菜4品~

チキン南蛮のようなボリューム満点のメイン料理には、ナムルやサラダといったさっぱりとした副菜を合わせるのがおすすめだ。そんな手早く作れて、栄養バランスも整う副菜を4種類紹介する。
副菜1.小松菜とえのきのナムル
手軽に作れて栄養バランスも優れている「小松菜とえのきのナムル」はおすすめ。作り方は、耐熱容器に小松菜とえのきを入れて電子レンジで加熱。粗熱を取ってから水分をよく切って、すりおろしニンニク・塩・ゴマ油で味付けをすれば完成だ。作り置きおかずとしても重宝する一品である。
副菜2.ほうれん草のおひたし
「緑黄色野菜の王様」といわれることもあるほうれん草には、βカロテン・カリウム・食物繊維などチキン南蛮に不足している栄養素が詰まっている。そんなほうれん草をシンプルに食べるなら、おひたしがおすすめ。ほうれん草を電子レンジで加熱。それから盛り付けて、醤油をかけたら完成だ。
副菜3.キノコの和風マリネ
ビタミンD、ビタミンB群、食物繊維などが豊富キノコ類。そんなキノコを数種類使って「和風マリネ」を作ってみよう。作り方は、耐熱容器にお好みのキノコを入れて、醤油・お酢・オリーブオイル・和風だしを入れて加熱するだけ。温かいままでも、冷蔵庫で冷やしても美味しく食べられる。
副菜4.海藻サラダ
おかずにミネラルや食物繊維が豊富な海藻類を使うのもおすすめだ。市販の海藻ミックスとレタスなどを使えば、簡単に海藻サラダを作ることが可能だ。また、海藻サラダに豆腐をプラスしても美味しくなる。ヘルシーに食べるなら、ドレッシングは「ノンオイル」を使うようにしよう。
4. チキン南蛮に合う献立~汁物4品~

チキン南蛮は和食であるため、汁物の定番は「味噌汁」となっている。しかし、味噌汁ではなく和風スープやコンソメスープなどを合わせても美味しい。ここではそんなチキン南蛮に合う汁物・スープを4種類紹介する。
汁物1.豆腐とわかめの味噌汁
チキン南蛮に合わせる汁物に困ったら、まず味噌汁を作ればOKである。味噌汁にはさまざまな具材が使えるが、栄養バランスを考えるなら豆腐とわかめを加えて豆製品・海藻類を補うのがおすすめとなっている。また、ネギや油揚げなどをプラスしても美味しく食べられる。
汁物2.キャベツとえのきの和風スープ
ビタミンCなどを多く含むキャベツと、ビタミンDなどを多く含むえのきを使った和風スープもおすすめだ。それぞれを適当な大きさにカットしてから、鍋で柔らかくなるまで煮る。それから和風だしの素・醤油・塩などで味付けすれば、あっという間に和風スープが完成する。
汁物3.もやしとシイタケのスープ
さっぱりとした「もやしとシイタケのスープ」もおすすめだ。鍋に水を入れて煮立たせ、しいたけともやしを加え、酒、みりん、コンソメスープの素を入れて少し煮る。最後に塩こしょうで味を調えるだけだ。しいたけからうま味がしっかりと出るので、シンプルながら味わい深いスープになる。
汁物4.しじみ汁
ビタミンやミネラルを多く含むしじみを使って「しじみ汁」を作るのもよい。作り方は、砂抜きしたしじみ・昆布・水を鍋に入れて、ときどきアクを取り除きながら煮る。それから酒と塩を加えて、もう一煮立ちさせたら完成だ。すっきりとしたスープが、濃厚な味わいのチキン南蛮とよく合う。
結論
チキン南蛮はボリュームがあり、たんぱく質などを多く摂ることができるが、高カロリーであり食物繊維や特定のビタミン類、ミネラル類が不足してしまう。そのため、チキン南蛮の献立に迷ったら栄養バランスの観点から、主食・副菜・汁物などを選んでみよう。また、できれば似た味付けや調理方法は避けると、よりバランスのいい献立になるはずだ。
【参考文献】
- ※:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/
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