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洋梨(西洋梨)とは?代表的な品種や栄養価などの基本をチェック!

洋梨(西洋梨)とは?代表的な品種や栄養価などの基本をチェック!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 中山沙折(なかやまさおり)

鉛筆アイコン 2021年5月13日

ヒョウタン形の見た目とネットリとした食感が特徴の「洋梨(西洋梨)」。ラ・フランスやル・レクチェなどをはじめ、日本では秋から冬にかけてさまざまな品種の洋梨が流通している。今回は、そんな洋梨の基本・旬・産地・主な品種・栄養価・選び方・食べ方などについて説明する。

  

1. 洋梨とは?

洋梨(西洋梨)とは、ヨーロッパ原産のバラ科ナシ属の植物・果実の総称である。球形(扁円形)の日本梨と異なり、見た目はヒョウタン形である。また、シャリシャリとした食感の日本梨と違い、ネットリとした滑らかな食感を楽しむことができる。洋梨の品種数は非常に多いが、日本でも栽培されている特に有名な品種には「ラ・フランス」「ル・レクチェ」「バートレット」などがある。

洋梨の旬と流通時期

洋梨の旬は品種によって異なるが、基本的には秋から冬が旬となっている。実際、東京都中央卸売市場の「市場統計情報」を見ると(※1)、「ラ・フランス」と「その他の西洋なし」の取引量は8~9月頃から増え始めて、10~11月頃にピークを迎えている。また、翌年2~3月頃には取引が終了している。なお、洋梨は追熟してから出荷されるため、収穫時期と出荷時期にはズレが生じている。

洋梨の主な生産地

農林水産省の「作物統計調査」によれば(※2)、2019年の日本国内での洋梨の収穫量は28,900トンとなっている。また、地域別に見ると山形県が18,900トンと圧倒的に多く、これ以下は新潟県(2,140トン)、青森県(1,940トン)、長野県(1,490トン)と続いている。なお、地域によって栽培している品種が異なるが、山形県の場合は「ラ・フランス」を最も多く栽培している。

2. 洋梨の主な品種を3つ紹介

洋梨はヨーロッパ原産の梨の総称であり、細かく見ると「ラ・フランス」「ル・レクチェ」「バートレット」「ゼネラル・レクラーク」「マルゲリット・マリーラ」などの品種がある。ここでは、この中から特に日本で多く栽培されている3つの品種について詳しく解説する。なお、品種ごとの栽培面積に関しては、農林水産省の「特産果樹生産動態等調査」を参考にしている(※3)。

その1.ラ・フランス

ラ・フランスとは、1860年中頃に発見されたフランス原産の洋梨である。重さは250~300g程度であるが不揃いで、ゴツゴツとした見た目が特徴。しかし、豊かな香りと滑らかで上品な食感が楽しめるため、日本国内では特に人気がある果物となっている。2018年時点では山形県(734.9ha)で最も多く栽培されている。また、2020年には山形県産ラ・フランスがGI保護制度に認められた(※4)。

その2.ル・レクチェ

ル・レクチェとは、1880年初頭にフランスで交配された洋梨である。 重さは300~450g程度であり、鮮やかな黄色の果皮とヒョウタン型の見た目が特徴。また、濃厚な甘みと爽やかな酸味、しっとりとした食感が特徴である。2018年時点では新潟県(105.9ha)で最も多く栽培されている。

その3.バートレット

バートレットは、1770年頃に発見されたイギリス原産の洋梨である。重さは220~280g程度で、明るい黄色の果皮とキレイなヒョウタン型の見た目が特徴となっている。また、濃厚な香りとジューシーな食感が楽しめる洋梨である。主に東北地方で作られている洋梨で、2018年時点では青森県(21.6ha)で最も多く栽培されている。また、北海道(21.5ha)でも盛んに栽培が行われている。

3. 洋梨の基本的な栄養価

文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」には、「西洋なし(生)」と「西洋なし(缶詰)」の2種類の栄養価が収録されている(※5)。ここでは基本となる「西洋なし(生)」の100gあたりの栄養価を確認しておこう。

洋梨(生)100gあたりの栄養価

  • エネルギー:48kcal
  • たんぱく質:0.3g
  • 脂質:0.1g
  • 炭水化物:9.6g
  • 脂肪酸
     ・飽和脂肪酸:0.02g
     ・一価不飽和脂肪酸:0.06g
     ・多価不飽和脂肪酸:0.07g
  • ビタミン
     ・βカロテン:0μg
     ・ビタミンD:0μg
     ・ビタミンE:0.3mg
     ・ビタミンK:4μg
     ・ビタミンB1:0.02mg
     ・ビタミンB2:0.01mg
     ・ナイアシン:0.2mg
     ・ビタミンB6:0.02mg
     ・ビタミンB12:0μg
     ・葉酸:4μg
     ・パントテン酸:0.09mg
     ・ビオチン:0.3μg
     ・ビタミンC:3mg
  • ミネラル
     ・ナトリウム:0mg
     ・カリウム:140mg
     ・カルシウム:5mg
     ・マグネシウム:4mg
     ・リン:13mg
     ・鉄:0.1mg
     ・亜鉛:0.1mg
     ・銅:0.12mg
     ・マンガン:0.04mg
     ・ヨウ素:0μg
     ・セレン:0μg
     ・クロム:0μg
     ・モリブデン:1μg
  • 食物繊維:1.9g
     (・水溶性食物繊維:0.7g)
     (・不溶性食物繊維:1.2g)

4. 美味しい洋梨を選ぶポイント

洋梨は品種によって特徴が異なるため、鮮度や美味しさの見極めポイントもそれぞれ違っている。しかし、以下のようなポイントは共通しているので、選ぶ際には参考にしてみよう。
  • 香り:甘い香りがするもの
  • 見た目:ふっくらとしているもの
  • 重さ:持ったときに重みを感じるもの
  • 色味:黄色く染まっているもの ※果皮が黄色系の場合
なお、「香りがしていないもの」や「果皮が緑色のもの」などはまだ熟していない可能性が高い。反対に「柔らかくなりすぎているもの」や「色味が悪くなっているもの」は熟しすぎている可能性がある。そのため、これらのポイントを総合的に確認しながら美味しい洋梨を選ぶようにしよう。

5. 洋梨の基本的な食べ方・切り方

洋梨の切り方はいくつかあるが、基本的にはリンゴと同じ要領で剥くことが多い。以下に洋梨の食べ方・切り方の基本的な手順をまとめておくので、参考にしながら上手に切るようにしよう。なお、以下ではラ・フランスを切る場合を想定している。

ラ・フランスの食べ方・切り方

  • ラ・フランスを縦半分にカットする(1/2サイズ)
  • カットしたラ・フランスをさらに縦半分にカットする(1/4サイズ)
  • ヘタとお尻のほうから包丁で切り込みを入れる(ヘタと種を取り除く)
  • ラ・フランスの皮を端のほうから薄めに剥く

6. 洋梨の正しい保存方法

洋梨は追熟が必要な果物であるため、熟していないものは常温保存するのがおすすめだ。また、熟した洋梨は、乾燥を防ぐためにビニール袋などに入れてから冷蔵庫の野菜室などで保存するとよい。なお、洋梨は熟すと鮮度が落ちやすくなるため、早めに食べ切るのが重要になる。以下のページでは洋梨の詳しい保存方法を紹介しているので、気になる場合にはぜひそちらもチェックしてみよう。

結論

洋梨は日本梨と異なり、ネットリと濃厚な味わいを楽しむことができる。また、洋梨にもラ・フランスやル・レクチェをはじめさまざまな種類があり、それぞれ違った味わいや食感を楽しむことが可能だ。秋から冬頃に多く出回るので、旬の季節が来たらぜひその濃厚な味わいを楽しんでみよう。
【参考文献】
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  • 公開日:

    2020年3月27日

  • 更新日:

    2021年5月13日

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