1. ミクストランとは

ミクストランは、ホットペッパーグルメ外食総研が作った造語。ミックスとレストランを組み合わせた言葉で複合型飲食店と言い換えることもできる。実際には、飲食店と異業種を組み合わせた営業形態を指しており、以前から存在はしていたもののここ1年ほどで出店ラッシュを迎えているのだ。
先駆者はブックカフェ
本が置いてあるカフェやTSUTAYAとスターバックスの複合店などは、まさにミクストランの先駆者的な存在である。本を読みながら、コーヒーや食事を楽しむことができるため、人気が高い。
経営側のメリット
飲食店の経営も日々変化をしている。とくに人口減少の現代において、集客は大きなテーマ。飲食店単体で集客を目指そうとするとなかなか難しいケースも多い。その点でも注目を集めているのがミクストランだ。その背景には、飲食業に異業種を併設させることで相乗効果が生まれ、集客力がアップするというメリットがある。顧客側のメリットは以下でまとめていこう。
2. ミクストランの魅力

新しい付加価値
飲食店×異業種で生まれる付加価値は、非常に大きい。例えば、コインランドリーとカフェのミクストランであれば、顧客はコインランドリーで洗濯をしている時間をカフェでお茶する時間に割り当てることができるのだ。1度で2度美味しいという考え方である。
ながら作業で時短
時間的な余裕が生まれるところもミクストランの大きな魅力である。ひとつの場所で2つの異なる行動が叶うため、時短になる。花を買いながらお茶を飲む、ビールを飲みながら髪の毛を切るなど、ながら作業が可能。時間を効率的に使いたいニーズにぴったりとフィットするのだ。
コミュニティとしての形
今までは交わらなかった2つの業種が同じところで営業することで、新しいコミュニティが生まれることも事実。仕事や家庭とは異なるコミュニティの重要性は、さまざまなところでささやかれているが、その受け皿になる可能性を秘めている。営業自体のアイデアも単体のときよりもぐっと広がるため、新しい仕組みを享受することもできるかもしれない。
3. ミクストランの実例

コインランドリー×カフェ
さまざまなミクストランが登場しているので、いくつか実例を見ていこう。コインランドリーにカフェが併設されている「フレディ レック ウォッシュサロン」。こちらではおしゃれな空間で洗濯をしつつ、コーヒーやクラフトビール、スイーツなどを楽しむことができる。コインランドリーでの待ち時間は、どうしても無駄感が否めないもの。その時間を有効活用できる画期的な組み合わせである。
ジム×レストラン
こちらはさまざまな場所で展開されている。体を鍛えたりするにはジムでの運動はもちろん、食事管理も必須項目。両者を同じ場所で一度に行うことができるとあれば、需要は言わずもがな。大手ジムの展開も目覚ましい。
銀行×バル
ユニークな展開をしているのは山口銀行。銀行と同じ建物内にスペインバルがあり、地元食材を使ったパエリアなどが楽しめる。大きな土地がある地方だからこそできることであり、地域においてはひとつのコミュニティとしての役割を果たしていると言えそうだ。
結論
今じわじわと注目を集めている、ミクストランについて紹介した。ミクストランは、ただの異業種一体型レストランにあらず。そこには効率化、時短、コミュニティなど、さまざまな要素が含まれている。まだまだ広がりそうなムーブメントを注視していきたい。
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