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【松花堂弁当】はどんなお弁当?五感を刺激する美味が特徴!

【松花堂弁当】はどんなお弁当?五感を刺激する美味が特徴!

投稿者:ライター 井澤佐知子(いざわさちこ)

監修者:管理栄養士 佐々木倫美(ささきともみ)

2020年5月20日

日本独自の文化といってもよい弁当。ピンからキリまである弁当の中でも、ピンに位置する品格をもつのが松花堂弁当である。松花堂弁当という言葉はもはや知らない人がいないほど日本の食生活に浸透している。しかし、その実態や歴史については知らない人のほうが多いだろう。弁当の最高峰である松花堂弁当について紹介する。

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1. 成り立ちからして美しい松花堂弁当の歴史

そもそも、弁当というのは行き先で食べる手軽な食事を指すことが多い。松花堂弁当と混同される幕の内弁当も、本来は芝居の休憩時間にさっと済ます食事を指している。ところが、松花堂弁当は当初から茶席のための食事として考案されたのである。その美しき逸話を紹介しよう。

農家の種入れがインスピレーション

松花堂弁当の特徴は、4つに仕切った空間に詰められた美しい料理である。このコンセプトは、江戸時代の学僧であった松花堂昭乗が農家で使用していた種入れからヒントを得たと伝えられている。とはいえ、昭乗はこの入れ物を弁当として使用したのではなく、物入れとして使っていたのである。松花堂昭乗が愛した入れ物を弁当に応用したのは、吉兆の創始者である。1933年に、その名も松花堂という茶室で行われた茶事の懐石に、この十字に切った器が登場したのである。
茶室に漁師の魚籠を使用した千利休の故事に倣ったわけではないだろうが、高名な茶人の茶事に登場したこの弁当は当時大いに話題になり、松花堂弁当という言葉も日本に定着したのである。

松花堂弁当とはどんな弁当?

それでは、松花堂弁当とは正しくはどんな弁当なのであろうか。松花堂弁当の基本は、まず入れ物が十字に仕切られていることである。仕切りがあることで、温かいもの冷たいものを同時に用意でき、また互いの味や香りが移らないようになっている。刺身、焼き物、煮物、ごはんものなどが入るのが通常である。携行する弁当ではなくあくまで懐石料理なので、供せられる料理もそれにふさわしい品格が求められる。よく、幕の内弁当と混同されることがあるが、幕の内弁当は八百善などに代表される本膳料理の流れを汲んでいる。京都の茶懐石に由来する松花堂弁当とは、起源からして対極にあるのである。

2. 季節感が命、松花堂弁当の作り方

松花堂弁当は、茶事の一部である。そのため、季節感をなによりも大切にすることが本領となる。また、通常の弁当のように携帯して食べる便利さや手早く作るカジュアル感よりも、繊細さや丹念な作りが松花堂弁当の真髄である。シロウトには難しいかもしれないが、松花堂弁当を家で作るときのコツやアイデアを紹介する。

懐石料理の凝縮であることを意識して

単純なようで非凡な器といわれる松花堂弁当。おしのぎと呼ばれるように、茶事の間に空腹を癒すのが本来の目的であるため、満腹感よりも目で見た美しさ、器と食材の大きさのバランスなどが作るときのコツとなる。茶懐石の観念「食は飢えぬほどにてたる事也」を実践すればよいのである。季節感を重視した質のよい食材をシンプルに、これがルールなのである。また、本膳料理に起源をもつ幕の内弁当は塩味や甘みがしっかりしているのが特徴であるが、松花堂弁当の味付けは淡味を心がけよう。

ごはんは炊きたて、出汁は当日の朝!

松花堂弁当は、出汁などの下味に手間をかけるか否かが、うまいまずいを分ける条件となる。そのため、出汁は昆布やかつおぶしからしっかり手間をかけて作るのがベストである。また、ごはんも食事を供する時間に合わせて炊き立てであることが、なによりのごちそうとなる。また、煮る、蒸す、揚げるなどの料理法が重ならないこともルールのひとつである。

季節感を出すために

季節感を出すために、メニューのアイデアをいくつかあげておく。ごはんものは、春ならば桜花、夏はじゃこごはん、秋は栗ごはん、かきごはんなどで季節感を出せる。ミニおむすびの上に、イクラやサーモンを使ってトッピングをしても美しい。煮物の場合は、春はたけのこや菜の花、夏は絹さややなす、秋はカブ、水菜、ぎんなん、冬は豚の角煮などなど。料理初心者であれば、煮卵やカボチャの煮物でもよいだろう。刺身は、自宅で魚の処理を行うのが難しければ、魚屋で季節の魚を松花堂弁当用に作ってもらうのがよいかもしれない。いずれにしても、日常的に使用する食材でも品質のよい旬のものを購入し、丁寧に薄味で料理すれば松花堂弁当の真髄は表現できる。

3. 松花堂弁当のカロリーは?

満腹になることが目的ではない松花堂弁当は、茶事ではなく料亭で食べる場合もほどよい量がともされる。少量ずつとはいえごはんものから揚げ物、デザートがついてくるために、1食分のカロリーは700~750kcalが平均のようである。季節によってメニューが異なる松花堂弁当は、もちろんその時によってカロリーも異なる。決して低いカロリーではないものの、旬の食材を薄味でいただくという趣向は和食のスピリットともいうべき食文化である。
普段は粉末で済ましている出汁や味付けも、丁寧に行ってより健康的に味わって食べることを心掛けたいものである。

結論

松花堂弁当には、日本が誇る和食のスピリットが表現されているといって過言ではない。弁当と名づけられていても、決して行楽用の食事ではなく茶懐石に起源をもつのが松花堂弁当である。茶事には無縁の人も、料亭で見ためも美しい松花堂弁当を食べた経験はあるだろう。自宅でも、素人なりにそのスピリットを活かして松花堂弁当に挑戦してみてほしい。
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