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梅シロップを発酵させないコツとは?発酵したときの対処法も解説!

梅シロップを発酵させないコツとは?発酵したときの対処法も解説!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 中山沙折(なかやまさおり)

鉛筆アイコン 2021年6月11日

ジュースにもお酒にも使える甘くて美味しい「梅シロップ」。そんな梅シロップは市販もされているが、自宅で作ることも可能だ。しかし、せっかく梅シロップを作っても、途中で白い泡がブクブクと出てしまうことがある。この原因には、どうやら梅シロップが発酵していることが関係あるようだ。今回はそんな梅シロップが発酵する原因、発酵させないコツ、発酵時の対処法などを紹介する。

  

1. 発酵した梅シロップの特徴

梅シロップとは、主に青梅と砂糖で作るシロップのことである。市販品もあるが、材料が少ないため家庭で作ることも可能だ。そんな自家製梅シロップで特に多い失敗が、液体に白っぽい泡がブクブクと湧いて発酵してしまうこと。また、梅シロップが発酵すると以下のような変化も見られる。
  • シロップ全体が濁った色味になってしまう
  • アルコールのような鼻をつくニオイがする
  • フタを開けるとポンと空気が抜ける音がする
  • シワの数が少ないなど梅の変化も乏しくなる
梅シロップが発酵するとアルコール度数が高くなり、苦味が強いなど本来とは異なる味わいになってしまう。なお、発酵しただけでカビが生えていないものは、適切に対処することで飲むことが可能だ。なお、梅酒の自家醸造は法律で禁止されており、酒税法違反(※1)となるため、アルコールが発生した際は使用しないようにしよう。

2. なぜ梅シロップが発酵するのか?

梅シロップが発酵してしまう原因には「微生物(乳酸菌や酵母など)」が強く関係している。発酵のメカニズムを簡単に説明すると、梅や保存瓶の内側に付着している微生物が、梅シロップ中の糖を分解してアルコールを作り出すというものだ(※2)。梅シロップを作る際には保存瓶を煮沸消毒したりして殺菌するが、それでも目に見えない微生物により梅シロップが発酵してしまうことがある。

3. 梅シロップを発酵させない5つのコツ

梅シロップが発酵してしまう原因には「微生物」が関係しているので、発酵させないためには微生物を付けない、微生物を活動させないなどの工夫が必要になる。いくつか発酵させないためのポイントを紹介するので、以下のコツを意識しながら自家製梅シロップに挑戦してみよう。

コツ1.保存瓶は丁寧に消毒する

梅シロップを入れておく保存瓶は必ず消毒しておこう。消毒のやり方には、沸騰したお湯をかける方法、アルコール度数が35度以上のお酒(焼酎など)を入れて拭く方法などがある。なお、保存瓶を消毒したら完全に乾かせておこう。水分が付着しているとシロップが発酵しやすくなってしまう。

コツ2.洗った梅を丁寧に乾かす

梅シロップに使う梅を水洗いしたら、キッチンペーパーや布巾で丁寧に拭いておこう。また、時間があるなら、1~2時間程度日光に当てて完全に乾かすのがおすすめだ。微生物は湿気(水気)の多いところで活発に活動する。そのため、洗った梅もしっかりと乾かしてシロップの発酵防止に努めよう。

コツ3.1日数回こまめにかき混ぜる

保存瓶に梅と砂糖を入れたら、梅からエキスが出てくるまで1日数回瓶ごと混ぜるようにしよう。特に最初の3日間は重要とされており、この期間は念入りに瓶を混ぜるほうがよい。また、エキスが出始めてからも定期的にかき混ぜて、常に梅がシロップに浸かるようにしておこう。

コツ4.砂糖を複数回に分けて入れる

梅シロップを発酵させないためには、できる限り早く砂糖を溶かすのもポイントだ。そのための方法として、砂糖を複数回(4回程度)に分けて入れるという方法がある。梅シロップに必要な砂糖量の1/4ずつを初日、3日目、5日目、6日目に分けて入れることで早く砂糖が溶けるといわれている。

コツ5.完成したら梅を取り除いておく

作り始めてから10日以上経ち、梅からエキスが出てシロップも十分溶けたら、ビンから梅を取り除くようにしよう。梅をそのままにしておくと渋くなったり、発酵の原因になったりすることもある。また、完成した梅シロップは、小ビンに移して熱殺菌をしてから、冷蔵庫で冷やして保管しよう。

4. 梅シロップが発酵したときの対処法

前述のような工夫をしても、梅シロップが発酵してしまうことはある。そのような場合には加熱することで、発酵を防ぐことが可能だ。以下のような方法で梅シロップの発酵を止めるようにしよう。
  • ビンの中から梅を取り出す
  • シロップだけ鍋に入れて弱火にかける
    ※70℃くらいに管理しておくのがポイント
  • アクを取り除きながら2~3分加熱し続ける
  • 加熱後、シロップを冷やしたらビンに戻す
対処する際のポイントは、温度管理をしっかりと行うことである。加熱温度が高すぎると梅シロップの風味が飛んでしまい、低すぎるとアルコール分を飛ばすことができない。なお、梅を漬け始めて数日以内に発酵してしまったものは、加熱後にビンに梅も戻すようにしよう。

5. 梅シロップが発酵した際の注意点

基本的に発酵した梅シロップは、前述のように加熱処理することで対処が可能だ。しかし、中には発酵ではなくて、梅シロップにカビが発生したり、腐敗したりしてしまうこともあるという。このようなカビや腐敗が生じた梅シロップは、加熱処理しても飲むことはできない。もしビンを開けてみてカビ臭や腐敗臭がしたら、残念ではあるが無理に飲もうとせずに破棄するほうがよいだろう。

アルコールが発生した場合は注意が必要

アルコール度数が20度未満のお酒で梅酒を作ることや、販売目的で自家製梅酒を作ることは、酒税法違反(※1)となってしまう。万が一、梅シロップを作った際に発酵し、アルコールが発生した場合は使用しないようにしよう。

結論

梅シロップが発酵する原因はさまざまあるため、正しく作っていても発酵してしまうことがある。しかし、発酵した梅シロップは加熱処理することで美味しく飲むことが可能だ。ただ、できれば発酵させないほうがいいので、ここで紹介したような発酵させないコツなどを試してみるとよいだろう。
【参考文献】
※1:国税庁 【自家醸造】
https://www.nta.go.jp/taxes/sake/qa/06/32.htm
※2:日本安全食料料理協会「分かりやすく解説!発酵のメカニズムについて」
https://www.asc-jp.com/kenkousyoku/hakkou/%E5%88%86%E3%81%8B%E3%82%8A%E3%82%84%E3%81%99%E3%81%8F%E8%A7%A3%E8%AA%AC%EF%BC%81%E7%99%BA%E9%85%B5%E3%81%AE%E3%83%A1%E3%82%AB%E3%83%8B%E3%82%BA%E3%83%A0%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/
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  • 公開日:

    2020年6月 5日

  • 更新日:

    2021年6月11日

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