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梅の保存方法は?追熟の方法や梅酒やジュースに使う梅も解説!

梅の保存方法は?追熟の方法や梅酒やジュースに使う梅も解説!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 南城智子(なんじょうさとこ)

鉛筆アイコン 2021年6月11日

日本の伝統的な保存食材である「梅」。疲労回復や抗菌、整腸作用のあるクエン酸のほか、ミネラルやビタミンも豊富だ。酸味はあるがアルカリ性で血液をサラサラにし、生活習慣病の予防にも積極的に摂り入れたい。梅干し、梅酒、梅ジュース、梅ジャムなど用途も広いが、それぞれに適した熟し具合があり、下準備や保存法も異なる。コツを覚えて6月の梅の季節に保存食作りを楽しもう。

  

1. 傷みやすいのですぐに加工を

梅は熟し具合によって用途が異なり、一般的には、下記の3段階に分かれる。
  • まだ固い緑色の青梅(梅酒、梅ジュース、カリカリ梅、梅味噌、梅エキスなどに用いる)
  • 少し固さの残る黄色い梅(梅ジャム、梅干しなどに用いる)
  • 柔らかく甘い香りを放つ黄色い完熟梅(ふっくら柔らかな梅干しに用いる)
もちろん1の未熟な青梅を数日おいて追熟し、2の完熟状態にすることもできるが、うっかり放置すると変色しカビも生えてしまう。上手な追熟方法はポイント2で紹介するが、本来は用途を決めてから入手し、すぐに下準備し加工するのがベストなのだ。

下準備はまず梅をきれいに洗うことから。水を張ったボウルに梅を入れ、流水でやさしく洗おう。3の完熟梅ならば、アク抜きは不要。ザルに上げ、清潔な布巾かキッチンペーパーで水分を拭き取り、竹串の先でヘタを取り除けば準備完了だ。
1や2の完熟前の梅は、まだアクの渋味や苦味が残っているので必ずアク抜きを。梅を洗い終わったら、1は2〜4時間ほど、2は1時間ほど漬けておこう。その後は同様に水分を拭き取り、ヘタを取り除けばよい。水分が残るとカビの原因になり、ヘタが残るとえぐみの元になるので、いずれもしっかり処理を。ヘタはテコの原理で、そっと持ち上げるようにすると取れやすい。ただし、梅を傷付けてしまうと、そこから腐敗が進むので要注意。また、金串を使うと金気が移り、梅の風味が損なわれるので、やはり竹串を使っての作業がベストだ。

2. 完熟梅にするには冷暗所で追熟を

前項の3として紹介したように、ふっくら柔らかに仕上げたい梅干しには、できれば自然落下するまで樹で熟した完熟梅がベストだ。だが、柔らかで皮が破れやすく、傷みも早いので、農家では早めに収穫してしまう。店で完熟梅を購入するのは難しいのだ。そうなると、家庭で風通しのよい冷暗所に置き、黄色くなるまで追熟させるしかない。
1の固い青梅は2~3日、2のやや固さの残る梅は1~2日程、温度が10℃程度の場所に保管しよう。段ボールや紙袋に入れてもよいが、重なって傷むこともある。できればザルに広げ、ザルの下に器などを置いて高さを付け、風通しもよくしたい。ほどよく黄色くなって、桃や杏のような甘い香りを放ち始めたら追熟完了だ。それを過ぎると果肉が崩れやすくなるので気をつけよう。

ちなみに冷蔵庫は温度が3~8℃と低く、追熟が進まないどころか、低温障害で茶色く変色したり乾燥したりもするのでNG。カビの原因になり、梅の風味も損なわれるので、やはり冷暗所に置いて、色や香りを感じ取りながら追熟させよう。

3. 梅酒や梅ジュースには冷凍梅を

青梅を使うと、爽やかな酸味をたたえた梅酒や梅ジュースができる。しかも、青梅はまだ実が硬く、崩れにくいので冷凍保存も可能だ。もちろん冷凍前に、水洗い、水分の拭き取り、ヘタ取り作業は必要だが、その後はジッパー付の保存袋に小分けして冷凍庫に入れるだけ。水に漬けてのアク抜きも必要ない。梅が水分を吸収し過ぎて傷みやすくなるからだ。もちろん実がとても硬く気になる場合はアク抜きをしておこう。

しかも、使う際は解凍も不要。梅は冷凍されると、果肉の繊維がこわされ、梅のエキスが早く滲み出るようになるのだ。その分、梅の実が果汁の液体部分に早く漬かるので、腐敗を防ぐこともでき、漬け込み時間も短くなる。冷凍の青梅の方が、生の青梅を使うより早く仕上がり、発酵やカビの心配も減るというわけだ。
もし青梅を大量に入手した時や、忙しくてすぐに加工できない時はぜひこの方法で冷凍しておこう。冷凍焼けや、冷凍庫の匂い移りといったダメージで風味は落ちるが、冷凍保存は約一年可能といわれ、梅の時期が過ぎても、梅酒や梅ジュース作りを楽しむことができる。もちろん梅を入手してすぐ作りたい場合も、この作業をして約24時間冷凍してから作れば、同じ効果が得られる。

なお、完熟梅の場合、冷凍保存は避けよう。実が柔らかいので、解凍していく過程で皮が破れて腐敗し、せっかくの完熟梅が台無しになってしまうからだ。また、梅酒を作る際の注意点として、使用するお酒は、アルコール度数20度以上のものとし、ご自分で飲むための作り方として参考にしてほしい。アルコール度数が20度未満のお酒で梅酒を作ることや、販売目的で自家製梅酒を作ることは、酒税法違反(※)となるため十分に注意してほしい。
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4. 初心者は梅ジュース作りから&保存方法

青梅の梅酒や梅ジュースなどは、熟した梅でも作ることができる。熟した分、酸味が控えめでまろやかな風味が味わえる。もちろん実が崩れやすいため、傷んで腐敗する恐れがあるので注意が必要だ。このように、梅を加工する梅しごとには、失敗も付きもので奥が深い。初心者は、ポイント3で紹介した冷凍梅を使って梅ジュース作りからのスタートがオススメ。レシピを参考に作り、慣れてきたら梅を使い分け、自分好みの味を追求してみてはいかがだろう。
  • 用意するもの:冷凍した青梅1kg、氷砂糖1kg、4~5ℓ容器(熱湯を入れて消毒し、完全に乾かす)
  • 作り方:
  • 保存容器の底に先に冷凍梅を入れ、その上に氷砂糖をのせ、交互に重ねていく。一番上は氷砂糖になるようにする。
  • 蓋をしっかりと閉め、冷暗所で保管し、氷砂糖が溶けるまで1日数回容器を振って、抽出液が梅にかかるようにする。
  • 1~2週間ほどして、氷砂糖が溶けたら出来上がり。梅の実はジュースを吸ってしまうので取り出すとよい(実はジャムや甘露煮に再利用できる)。
  • ジュースを濾してホーローの鍋に入れ、15分ほど弱火にかけ加熱殺菌する。
  • 冷ましてから煮沸殺菌した容器に入れる。
  • 水や炭酸水で3~4倍に薄めていただく。
梅ジュースや梅ジャムは、糖分が高いため保存は半年から1年間可能だが、暑い時期は冷蔵保存がベター。塩分20%程の自家製梅干しや、アルコール度数が35度以上の梅酒は、その抗菌作用によって賞味期限はないといわれ、常温保存もできる。ただしこれは、温度が一定の冷暗所に保管した場合。保存の際は、容器を煮沸したり、熱湯をかけたりして消毒もしっかり行う必要がある。ちなみに、市販の梅干しは塩分20%程でも添加物などが入っているものが多いため、開封後は冷蔵庫へ。減塩梅干しや調味液に漬けた梅干しは、菌が繁殖しやすいので買ったらすぐ冷蔵庫で保存しよう。
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結論

約1500年前に中国から伝わった梅は、日本の風土に育まれ独自の味わいとなり、様々な保存食が作られてきた。特に梅干しは、長きにわたって日本人の心身を支えてきた滋養強壮食品。健康のために、家族みんなで一日一粒食べ続けたい。
(参考文献)
※国税庁 【自家醸造】
https://www.nta.go.jp/taxes/sake/qa/06/32.htm
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  • 公開日:

    2018年5月14日

  • 更新日:

    2021年6月11日

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