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【あいまぜ】は地域で違う?大分県のあいまぜの魅力や作り方を紹介

【あいまぜ】は地域で違う?大分県のあいまぜの魅力や作り方を紹介

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 藤江美輪子(ふじえみわこ)

鉛筆アイコン 2021年1月13日

郷土料理のなかには同じ名前なのに材料も味付けもまったく異なるものがある。その1つが「あいまぜ」という料理で、メインとする食材は当然ながら調理法もさまざまだ。いろいろなあいまぜを紹介したいが、ここでは大分県で食べられているあいまぜを紹介していく。

  

1. あいまぜとは?

あいまぜという名の郷土料理は日本各地にあるのだが、見ためも味もまったく異なり、各地のあいまぜを比較すると面白い。ここでは大分県竹田市で食べられているあいまぜをピックアップして紹介する。あいまぜという言葉には「いろいろな具材を混ぜ合わせる」という意味があり、竹田市で食べられているあいまぜにも当然多くの食材が使われている。一般的にあいまぜと呼ばれる料理が煮なますやごま和えのようなものであるのに対し、竹田市で作られるあいまぜには豆腐が使われているため白和えのようにも見え、同一の名の料理とは思えないだろう。また、竹田市のあいまぜは、豆腐とそのほかの具材を別々に味付けしてから和える。異なる味付けをした食材を混ぜ合わせることからあいまぜと呼ばれるようになったともいわれている。

2. あいまぜの主材料と栄養

竹田市のあいまぜで欠かせない食材は山菜と豆腐だ。山菜は竹田市に住む人にとって身近な食材だ。ほかには切り干し大根など日持ちのする乾燥野菜が使われることが多い。豆腐や山菜、乾物を使って作るとなるとカロリーが低くヘルシーなイメージを抱く。しかしそれよりも注目してほしいのが栄養価の高さだ。

たとえばぜんまいなどの山菜はビタミンやミネラルを多く含んでいる。また現代人が不足しがちな食物繊維も多く含まれている。切り干し大根や干し椎茸といった乾物は乾燥させることで旨みが増すとともに栄養価も増すため、実は栄養豊富な食材だ。とくに切り干し大根には鉄が、干し椎茸にはビタミンDが多く含まれている。また豆腐はたんぱく質が多い。ほかの食材にはあまりたんぱく質は含まれていないため、豆腐が入ることでたんぱく質とビタミン、ミネラルが摂れることになる。一品でこれだけさまざまな栄養素が摂れるのは大きなメリットだ。

3. あいまぜはいつ食べるのか?

豆腐や山菜、乾物を使って作られるあいまぜはご馳走だったため、竹田市では冠婚葬祭のときの御膳には必ず並んでいた。なぜあいまぜがご馳走としてふるまわれていたかというと、旬の山菜や野菜を使っていたこともあるが砂糖をたっぷり使っていたことも関係している。現代でこそ砂糖は一般的な調味料だが、昔は手に入りにくかった。あいまぜは砂糖をたっぷり使って甘めに味付けするためご馳走となったわけだ。砂糖が手に入らなかったときは甘酒で味付けするなどの工夫がされていた。現代では甘さは控えめになり、仏事でふるまわれている。ちなみに、あいまぜで使う食材に大きな決まりはなく家庭によってさまざまなあいまぜが作られていたという。このことからご馳走といえども身近な郷土料理であったことが伺える。

4. あいまぜの作り方

あいまぜ作りは少し手間がかかる。しかし丁寧に作ることで素材の味が引き出され美味しいあいまぜを作ることができる。まず、ぜんまいは茹でて茹で汁に入れたまま一晩置いておく。同時に切り干し大根や干し椎茸などの乾物も水で戻しておこう。竹田市のあいまぜでもゴマを使うのだが、炒ったゴマをすり鉢で油分が出るまでしっかりと擦るのが美味しくなるポイントだ。水で戻しておいた乾物は適当な大きさに切り、醤油と砂糖、みりんで煮含める。ぜんまいも軽く炒めて出汁と醤油、砂糖で味付けする。ぜんまいは味付けしてから適当な大きさに切ろう。豆腐は一度熱湯で茹で水切りした後、ゴマをすったすり鉢に入れて擦る。途中で塩と砂糖を加え、味を調える。それぞれ味付けした具材を混ぜ合わせて器に盛り、紅ショウガをのせればあいまぜの完成だ。彩りとして人参や青菜を入れるのもおすすめだ。

5. あいまぜの食べ方

あいまぜはそれぞれの具材にきちんと味付けがされているため、そのまま食べることができる。ただし作る際にしっかりと食材の水分をきっておかないと食卓に出したときに思っていたよりも味が薄いということも起こりかねない。しかし、しっかり水分をきっていたとしても、時間が経つにつれ食材から水分は出てきてしまう。そのため食べる直前に和えるのがもっともよく、食事の時間から逆算して作るように工夫することで美味しいあいまぜを食べることができる。

家庭によって味が異なるように、あいまぜの材料や作り方は一通りではない。材料や味付けを変えながらオリジナルのあいまぜを作って食べるのも非常に面白い。ぜひ家庭の味のあいまぜを作って食べてみてはどうだろうか。

結論

大分県竹田市で食べられているあいまぜは山菜や乾物、豆腐を使って作られる和え物だ。見ためは一見白和えのように見えるが、砂糖をたっぷりと使っているのが大きな特徴だ。もともとは冠婚葬祭でふるまわれるご馳走だったが、最近でも仏事では欠かせない料理となっている。家庭によって材料や味付けが異なっていたためご馳走であるとともに家庭の味としても親しまれていた料理だ。
(写真出展)
農林水産省 うちの郷土料理 あいまぜ
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/aimaze_oita.html
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  • 公開日:

    2020年6月18日

  • 更新日:

    2021年1月13日

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