1. りゅうきゅうの特徴、歴史や由来
大分県でりゅうきゅうが食べられるようになったのは、魚介類に恵まれた環境だったことが理由に挙げられる。地元産の鮮魚を美味しく、かつ保存がきくような食べ方を工夫して生まれたのがりゅうきゅうなのだ。
■地元の鮮魚をタレに漬けた料理
りゅうきゅうは、旬の魚をしょうゆ・酒・みりんとごま・しょうがで作られたタレに漬けた料理である。旬の魚は季節によって変わるため、アジやブリなどさまざまな魚が用いられる。元々は南部の沿岸地域で親しまれていた漁師飯だったが、保存食としても重宝されやがて大分県全域に伝わっていった。
■りゅうきゅうという名の由来には諸説あり
りゅうきゅうと聞くと、沖縄を意味する琉球を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。沖縄の漁師から習ったことから、りゅうきゅう=琉球という一説もある。また、ごま和えを利休和えと呼ぶことが由来という説もあるが、名前の由来は明確にはなっていない。
2. りゅうきゅうの主な使用食材、カロリー
りゅうきゅうは、旬の生魚で作る料理である。基本の調味料は変わらないため、どの魚を使うかによってカロリーが変わってくる。
■りゅうきゅうは1人前あたり150kcal前後
1人前を100gとすると、りゅうきゅうのカロリーは150kcal前後となる。代表的な生魚の可食部100gあたりのカロリーは次の通りだ。
- アジ...123kcal
- カンパチ...129kcal
- タイ...146kcal
- サーモン...189kcal
- まぐろ赤身...125kcal
りゅうきゅうに使用する魚にとくに決まりはないが、青魚や白身魚で作られることが多い。カロリーを比較するとサーモンがやや高めだが、大きな差はない。
3. りゅうきゅうに含まれる栄養
生魚と調味料・薬味のみで作られるりゅうきゅうは、栄養も魚由来のものが中心となる。魚にはたんぱく質が最も多く、次に多いのが脂質。炭水化物(糖質)はほとんど含まれていないのが特徴だ。
■みりんや砂糖の糖質が加わる
刺身は低糖質だが、りゅうきゅうにする場合は調味料に含まれる糖質が加わってしまう。みりん小さじには2.6gの糖質が含まれる。同量の砂糖は3.0g、みりん風調味料は3.3gの糖質量だ。糖質制限中の人は調味料の選び方や味付けを工夫したほうがよいだろう。
■DHAとEPA
魚にはたんぱく質や脂質のほかにもさまざまな栄養が含まれているが、生魚を食べることで効率的に摂取できるのがDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)と呼ばれる脂肪酸である。血中脂質のバランスを整えることが報告されている脂肪酸だ。
4. 基本のりゅうきゅうの作り方
りゅうきゅうはまかない飯としても人気を集めるほど、簡単な調理で絶品というのが嬉しい。新鮮な魚を使うのがポイントだ。
■タレを先に作っておく
しょうゆ:みりん:酒=2:2:1の配合で、タレを作り、炒りごまとしょうがを加えよう。刻んだ小ねぎはタレに加えてもよいし、盛り付けてから散らしてもよい。
■刺身にした魚を漬ける
生魚は好みのものでよい。自分で捌いてもよいし、柵や刺身の状態で販売されているものを使用すると時短で作れる。一口大の刺身の状態にした生魚をタレに漬け込み器に盛り付ければ完成だ。
5. アレンジしたりゅうきゅう
タレは同じでも魚を変えるだけで違ったりゅうきゅうを楽しむことができる。また、りゅうきゅうのタレはシンプルなため、アレンジがしやすい。おすすめのアレンジを紹介する。
- 卵黄を加える...まろやかになり絶品。
- 柚子胡椒を加える...さわやかで風味がよくなる。
- にんにくとごま油を加える...中華風味のりゅうきゅうに。
結論
刺身の切れ端を美味しく食べる方法としても定着してきたりゅうきゅうは、自宅でも簡単に作ることができる。魚やタレを変えればさまざまな楽しみ方ができるのも魅力だ。大分の漁師に倣って、旬の鮮魚をりゅうきゅうにして楽しもう。
(写真出展)
農林水産省 うちの郷土料理 りゅうきゅう
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/ryukyu_oita.html
農林水産省 うちの郷土料理 りゅうきゅう
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/ryukyu_oita.html
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