1. 餃子とは

餃子とは、中国で古くから食べられてきた食べ物で、小麦粉で作った皮で肉や野菜を包んだもの。中国では蒸すか茹でるのが定番で、日本でポピュラーな焼き餃子はあまり見かけない。日本で広く食べられるようになったのは、戦後。闇市から発展し、家庭料理へとのぼりつめ、いまでは餃子は国民食ともいえる存在となった。
餃子の歴史
餃子の歴史は非常に古い。漢の時代にはすでに小麦が食べられており、唐の時代になると餃子の原型ともとれる料理が登場する。清の時代には書物にもその名が残されるようになり、次第に一般市民へ広がり、定番的な食べ物となった。
餃子の具材
ご存知の通り、中国はとても広い国土を有している。無論、地域によって気候が異なるため、名産品や名物料理にも大きな違いが生まれる。餃子は、小麦が命。餃子に欠かすことのできない小麦粉は、中国のなかでも東北地方の特産品。水餃子や蒸し餃子が発展したのもこの地域である。具材としてポピュラーなのは、豚肉や羊肉を細かく叩いたもの。ニラや香味野菜、調味料を合わせて餡にする。地域によってはクミンなどのスパイスが使われることも多い。また、東北地方では主食として食べることが多いらしい。
2. 餃子は縁起物!?

金運祈願
餃子は、旧正月である春節には欠かせない食べ物だ。大晦日はもちろん、年間を通して広く祝宴でも食べられるらしい。これは、餃子が清の頃まで長く使われていた貨幣の形に似ていることが理由で、食べることでお金に恵まれるようにと縁起を担ぐのだ。小銭や銀貨を実際に餡に包んで、それを当てた人が幸運になるというフランスのガレット・デ・ロワのような遊びも楽しまれているそうだ。
子孫繁栄
餃子はチャオズと読むが、中国には交子という似た言葉がある。これは子どもを授かるという意味で、これにちなんで、子宝に恵まれるようにと食べる縁起物でもある。そのほかにも、交わるという字が年を越すイメージがあるととらえる人もいるようだ。
3. 餃子以外の中国での縁起物

中国の最大のイベント!?
日本でも節句のときにはちらし寿司や柏餅、おせちなど、縁起物を食べる文化があるが、これらは中国から伝わったものも多い。中国で節句といえば、春節、端午節、中秋節が有名だが、なかでも春節は非常に盛りあがるイベントのひとつ。昨年までは、春節の時期になると数多くの中国人観光客が日本に来日していた。春節とは、旧暦の元旦を指す言葉で、年によって異なるものの、1月中旬~2月はじめに当たるのが普通。春節は学校や会社も休みで、とにかく盛大に祝うのが特徴だ。餃子は春節に欠かせないもので、とくに中国の東北地方では日本の年越しそばのような感覚で年越しに食べるらしい。
大晦日に欠かせない魚料理
中国では春節を迎える前の日、つまり旧正月の大晦日に魚を食べる風習があるそうだ。魚は中国語でユーと発音するが、それを余とかけて、ゆとりが生まれるようにと魚を食べるそうだ。地域によって食べ方や種類は異なるが、鯉などの川魚も食べられるという。
結論
日本でも人気の餃子は、故郷中国では縁起物として愛されている存在。とくに中国の正月に当たる春節には、なくてはならない存在だ。日本の焼き餃子とは違うモチモチとした中国式の水餃子にあやかって、縁起を担いでみては!?
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