1. 餃子のカロリーはどれくらい?
餃子のカロリーは使う食材や大きさなどにより変わるが、一般的には1個あたり30~40kcal程度である。また、油を使って焼き上げる場合は1回あたり大さじ1.5程度使うため、1食分(5個)のカロリーは300~350kcal程度となる。餃子のカロリーの具体的な内訳は以下を確認してみよう。
【焼く前のギョーザのカロリーの内訳】
- 餃子の皮(直径8cm・約6g):17kcal
- 豚ひき肉(約5g):12kcal
- ニラ:(約5g):1kcal
- キャベツ(約5g):1kcal
- にんにく(約1g):1kcal
【焼いた後のギョーザのカロリーの内訳】
- ギョーザ(5個):135~160kcal
- 食用油(大さじ1.5):187kcal
2. 餃子に含まれる主な栄養素
餃子は種類によって異なるが、基本的には餃子の皮・肉類(豚ひき肉)・野菜類(ニラ・キャベツ)・ニンニク・各種調味料などが使われている。そのため、栄養バランスが優れており「完全食」と呼ばれることもある。そんな餃子の食材それぞれの主な栄養素について確認しよう。
その1.餃子の皮
餃子の皮は、薄力粉・強力粉・塩・お湯などで作られている。薄力粉や強力粉といった小麦粉は炭水化物を多く含んでいるほか、たんぱく質・ビタミン類(ビタミンB群やビタミンE)・ミネラル類(カリウムやリンなど)・食物繊維などもバランスよく含んでいる(※2)。なお、餃子の皮の栄養価は大きさ(直径)によっても変わるが、同時に厚みによっても変わることは覚えておこう。
その2.豚ひき肉
餃子の餡には、豚ひき肉を使うことが多い。豚肉はたんぱく質・脂質・ビタミンB群を多く含むことが知られており、特にビタミンB1に関しては牛肉の10倍程度多く含んでいる。また、牛肉に比べるとカロリーが低めなのも特徴で、カロリーを抑えるのにも向いている。アミノ酸スコアも100となっており「良質なたんぱく質」であるため、全体的に栄養バランスが優れた食品だといえる(※3)。
その3.ニラ
餃子の餡にニラを入れることも多いだろう。緑黄色野菜であるニラには、βカロテンをはじめとするビタミン類が多く含まれている。ビタミンKやビタミンCも含んでいるため、餃子の皮や豚ひき肉だけでは不足がちな栄養素を摂ることも可能だ。また、ニラには香り成分である「アリシン」が含まれており、これは豚肉に多いビタミンB1の吸収効率を高める働きがあるとされている(※4)。
その4.キャベツ
餃子の餡にキャベツを入れることも多い。キャベツはニラと同じく、ビタミンKやビタミンCなどが多く含まれている。しかし、淡色野菜であるためβカロテンの含有量は多くない。その代わりキャベツは、胃酸の分泌を抑える働きがある「ビタミンU(キャベジン)」を含んでいる(※4)。特に食べ過ぎた際に胃酸の分泌を調整して、胃酸による胃のトラブルなどを防いでくれる作用がある。
その5.ニンニク
餃子の餡にはニンニクが欠かせない。ニンニクはビタミン類・ミネラル類・食物繊維をバランスよく含んでいるほか、ビタミンB1の吸収をサポートする「アリシン」や滋養強精成分である「スコルジニン」なども含んでいる(※4)。また、ニンニクにはアリシンの量が多いため、食欲増進などの働きもあるといわれている。健康にいいだけでなく、餃子をより美味しくすることにも役立つのだ。
3. 市販の餃子のカロリーを比較
餃子はスーパーやコンビニエンスストアなどで買うこともできるし、中華料理店などでも食べることができる。それぞれのお店や企業で餃子のカロリーは異なるため、以下にまとめておくとしよう。なお、これらのカロリー量は商品のリニューアルなどに伴い変わることがある。
大手食品メーカーの餃子のカロリー
- 味の素「ギョーザ」:44cal/1個
- 大阪王将「羽根つき餃子」:165kcal/100g
- イオン「トップバリュ ギョーザ」:52kcal/1個
- 無印良品「国産豚肉と野菜の餃子」:43kcal/1個
大手中華チェーンの餃子のカロリー
- 餃子の王将「餃子」:346kcal/1食分6個
- バーミヤン「本格焼餃子」:474kcal/1食分6個
- 幸楽苑「ベジタブル餃子」:240kcal/1食分6個
- 大阪王将「元祖焼餃子」:302kcal/1食分6個
- 日高屋「餃子」:295kcal/1食分6個
- リンガーハット「薄皮ぎょうざ」:119kcal/1食分3個
大手コンビニエンスストアの餃子のカロリー
- セブンイレブン「お肉の旨味 ジューシー焼き餃子」:369kcal/1食分5個入り
- ファミリーマート「焼き餃子」:321kcal/1包装6個入り
- ローソン「皮がなめらか 焼餃子」:273kcal/1パック6個入り
4. 餃子の種類別のカロリーを比較
一般的に餃子というと「焼き餃子」を指すが、餃子には揚げ餃子・水餃子・蒸し餃子などの種類もある。これら4種類の餃子の調理後のカロリーを高い順に並べると以下のようになる。
餃子の種類ごとのカロリー
- 揚げ餃子:約60~70kcal/1個
- 焼き餃子:約50~60kcal/1個
- 蒸し餃子:約30~40kcal/1個
- 水餃子:約30~40kcal/1個
蒸し餃子や水餃子のほうが低カロリー
揚げ餃子や焼き餃子のような油を使う調理の場合には、カロリーは高くなりやすい。一方、蒸し餃子や水餃子のように油を使わず、素材の脂が抜ける調理の場合には、カロリーは低くなる。同じ餃子でも調理法一つでカロリーは変わるため、カロリーコントロールなどが必要な場合には使い分けよう。
5. ほかの中華料理とのカロリーを比較
中華料理・点心には餃子のほかに、シュウマイ・小籠包・春巻きのようなものもある。これらと比べて餃子のカロリーはどれくらいなのだろうか。以下にそれぞれの基本的なカロリーをまとめておく。
ほかの中華料理1個あたりのカロリー
- シュウマイ:約30kcal/1個(14g程度)
- 小籠包:約53kcal/1個(31g程度)
- 春巻き:約145kcal/1個(75g程度)
- 肉まん:約190kcal/1個(100g程度)
- (参考)焼き餃子:約50~60kcal/1個(22g程度)
油を使うため餃子はカロリーが高い
大きさ(重さ)や使っている食材によってカロリーは異なるが、1個あたりで比べると焼き餃子のカロリーはシュウマイや小籠包より高く、春巻きや肉まんよりも低くなっている。それぞれのカロリーについては以下の記事で詳しく解説しているので、気になる料理があればぜひチェックしておこう。
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6. 低カロリー餃子を作る3つのポイント
餃子が好きだが、ダイエット中で控えている人もいるだろう。そのような人でも餃子を食べられるように、低カロリー餃子を作るポイントを紹介する。なお、低カロリー餃子だからといって、食べ過ぎてしまうとカロリーオーバーに繋がる可能性がある。食事全体のカロリー量には注意をしよう。
ポイント1.低カロリーの食材を使おう
低カロリー餃子を作るなら、食材を見直すのがおすすめだ。たとえば、餡のメインには鶏肉や魚介類を使ったり、野菜やキノコ類を増やしたりするのもよい。また、餃子の皮の代わりに大葉や薄切り大根などを使うというアイデアもある。カロリーの大部分を占める肉類と餃子の皮を見直してみよう。
ポイント2.サイズが小さい皮を使おう
餃子の皮には直径10cm以上の大判もあるが、ダイエット中は直径7~9cm程度の通常サイズを選ぶほうがよい。また、餃子の皮には厚皮タイプと薄皮タイプがある。同じサイズでも薄皮タイプのほうが、1枚あたり3~4kcal程度カロリーが低い。餃子の皮を使う際には大きさ・厚さも確認しよう。
ポイント3. 油を使わずに調理しよう
油を使わない餃子には水餃子や蒸し餃子があるが、中には焼き餃子を食べたい人もいるはず。そのようなときには、「クックパー(R)フライパン用ホイル」などを使用するのがおすすめ。これを使えば油なしでもフライパンに餃子がくっつかないため、低カロリーの焼き餃子を作ることができる。
7. 餃子のカロリーに関するよくある質問
ここまで餃子のカロリーについてさまざまな角度から説明してきた。最後に餃子のタレのカロリーはどれくらいか、話題の餃子ダイエットとは何かなどの疑問・質問に回答する。
Q1.餃子のタレのカロリーはどれくらい?
一般的に餃子は、酢醤油などのタレに付けて食べることが多い。使う量や種類などによってカロリーは変わるが、醤油小さじ1、酢小さじ2、ラー油小さじ1/3で作った場合は18kcal程度になる。そのため、つけ過ぎには注意が必要だが、餃子そのものに比べたらタレのカロリーは相当低いといえる。
Q2.話題の「餃子ダイエット」とは何か?
餃子ダイエットとは、栄養バランスが優れている餃子を積極的に食べるというダイエット法である。やり方はいくつかあり、「置き換えダイエット」のように1食分を餃子だけにする方法や、単に餃子を食べて栄養バランスを整える方法などがある。なお、餃子ダイエットを行う際は食べ過ぎへの注意が必要。また、キノコ類や海藻類なども食べて不足している栄養素を補う必要がある。
結論
餃子のカロリーは、使う素材・サイズ・調理方法などにより異なるが、焼き餃子の1食分のカロリーは大体300~350kcalとなっている。ただ、あくまでこれは普通の作り方であり、油を減らしたり、使わない調理方法に変えたりすれば、カロリーを半分近くにすることも可能だ。食材や調理方法を工夫して、餃子の美味しさはそのままでカロリーオフもしてみよう。
【参考文献】
- ※1:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/ - ※2:製粉振興会「小麦粉の成分・栄養上の特徴」
http://www.seifun.or.jp/kisochishiki/tokucyou.html - ※3:日本食肉消費総合センター「もっと見直したい 豚肉の栄養・機能」
http://www.jmi.or.jp/common/download.php/BUTANIKU.pdf?id=NjEz - ※4:農畜産業振興機構「野菜ブック」
https://www.alic.go.jp/y-suishin/yajukyu01_000313.html