1. 餃子を冷凍保存するメリットとは?
餃子を冷凍保存するメリットには、冷蔵保存よりも長期保存ができたり、肉汁があふれ出たりすることなどがある。そこでまずは餃子を冷凍保存するメリットについて確認しておこう。
メリット1.長期保存が可能になる
通常、冷蔵保存した餃子は2~3日で劣化してしまう。一方、餃子を冷凍保存した場合は、1か月程度の長期保存が可能になる。この理由は、冷凍庫のような環境では食品の腐敗や食中毒を起こす細菌や微生物などが活動できないからだ(※1)。餃子を大量に作ってしまった場合でも、冷凍保存しておけば腐らせずに長期保存が可能になる。
メリット2.ジューシー感やうま味が増す
餃子を冷凍保存すると、ひき肉をはじめ餃子の餡がより美味しくなる。これはひき肉を凍らせると肉の組織が壊れるからで(※1)、焼いたときにより多くの肉汁があふれ出るからだ。また、例えば餃子の餡にしいたけなどの食材を使っている場合は、うま味成分である「グアニル酸」が増えるといったメリットもある。そのため、冷凍保存することで餃子がよりいっそう美味しくなるのだ。
2. 餃子の冷凍保存の基本的なやり方
手作り餃子を冷凍する際には、いくつかポイントを守るほうがよい。以下に基本的なやり方とポイントをまとめておくので、実際に冷凍する際には確認しながら行うようにしよう。
- 段ボールや牛乳パックなどを冷凍庫に入る大きさに切る
- (1)の上にアルミホイルを敷き、さらにラップを敷く
- (2)の上に少し間隔をおきながら餃子を並べていく
- 餃子を並べ終えたら、ラップをかぶせて冷凍庫で保存する
※凍った餃子は冷凍用保存袋に入れて保管することも可能
ポイント1.できる限り急速冷凍をする
一般的に餃子を冷凍保存する際は急速冷凍をするほうがよいとされている。家庭用冷蔵庫で急速冷凍をするのは難しいが、例えばアルミホイルを敷くことで何もしないよりも早く冷凍が可能になる。また、急速冷凍をしているときは冷凍庫の開閉回数を減らすなどもおすすめだ。緩慢冷凍になると野菜などから余分な水が出てしまい、美味しくなくなるので注意しよう。
ポイント2.底が平らな場所で保存する
餃子を冷凍保存する際には、平らなところで保管するのがポイントだ。底面が安定するので、焼いたときにパリッとした仕上がりになる。また、段ボールや牛乳パックをトレイ代わりに使えば、段々に重ねて保存することも可能だ。場所を取らないので作りすぎた餃子を冷凍保存するのにも役立つ。
3. 餃子の皮・餡それぞれの冷凍方法
餃子の皮や餃子の餡などが余ったときには冷蔵保存も可能だが、冷凍保存をするのもおすすめだ。それぞれの冷凍保存のポイントを紹介しておく。
餃子の皮の冷凍保存のやり方
餃子の皮を冷凍保存する際は、チャック付きの冷凍用保存袋に5枚・10枚と使いやすい枚数で小分けにして保存するのがおすすめだ。また、小分けにしたら袋の中の空気をしっかりと抜き、保存袋ごとに冷凍庫に入れておこう。長期保存ができるだけでなく、乾燥やにおい移りなどを防ぐこともできる。
餃子の餡の冷凍保存のやり方
餃子の餡が余った場合は、使いやすい量に小分けしてラップに包み、冷凍用保存袋に入れてから保管しよう。または、あらかじめ小さく丸めて肉団子にしておくのもおすすめ。解凍する際は冷蔵庫へ移してゆっくりと自然解凍させるか、凍ったままスープなどに入れて使うようにしよう。
4. 冷凍保存した自家製餃子の焼き方
冷凍した餃子は、解凍しないでそのまま焼くのが基本だ。解凍してしまうと餃子が水っぽくなってしまい、美味しくなくなってしまう。また、焼くときには以下の手順で行うようにしよう。
- 熱したフライパンにうすく油をひき、凍ったままの餃子を並べる
- 水を多めにかけてから、ふたをしてじっくりと蒸し焼きにする
- ふたを開けてしばらくおいたら油を回しかけ、焦げ目がついたら完成
餃子がくっついたときの対処法
冷凍した餃子同士がくっついていた場合は、はがしやすくするためにもう一度冷凍保存するのがおすすめ。くっついた餃子を無理矢理はがすと、皮が破れて中のうま味が流出してしまう。すぐに餃子が食べられないのは残念だが、せっかく作った餃子をムダにしないためにも再度冷凍しよう。
結論
手作り餃子をすぐに調理するなら冷蔵保存でも可能だが、作り置きしておくなら長期保存が可能な冷凍保存がおすすめだ。また、中途半端に余ってしまった皮や餡も冷凍保存しておくことで、ムダなく使いきることができる。大量に作りすぎたときには、ぜひ冷凍保存を活用するようにしよう。
【参考文献】
- ※1:ベターホームのお料理教室「家庭での冷凍・解凍の基本を、科学的な観点からまとめました」
https://www.betterhome.jp/lp/book_01/