1. 山形県のひっぱりうどんってどんなもの?
ひっぱりうどんとは山形県発祥の郷土料理だ。山形市内では山形駅近くのホテルの朝食として提供されることもあり、市内以外では製麺所の工場直売店で生麺や乾麺が販売されている。発祥地は村山市戸沢地区という説があり、場所は貴重な高山植物の分布と山岳信仰で知られる葉山の麓に位置する。
戸沢地区は以前、生業としての炭焼きが盛んだった。炭焼きは火力の調整が重要で、窯のそばから離れられないほど長時間の作業だ。その点、手早く調理できるひっぱりうどんが、作業中の食事にピッタリだったようだ。簡単で美味しいうえ、家にある食材で作れることから各家庭で楽しめるようになり、徐々に広まっていったという。
ちなみに戸沢地域ではひっぱりうどんというが、他市町村や村山市のほかの地域では、ひきあげうどん・ひきずりうどん・ずりあげうどんと呼ばれており、それぞれの地域に根付いているようだ。
2. 人気の山形ひっぱりうどんを自宅で作ろう
山形で人気のひっぱりうどん。使用する麺は乾麺が一般的だ。作り方は鍋にたっぷりの湯を沸かして乾麺を入れ、かき混ぜながら茹でる。その間に納豆・ねぎ・とろろ昆布・かつお節・しょうゆ・砂糖を椀に適量入れ、湯で味を調えてつけダレを作る。あとは大根おろし・山芋・のり・七味・柚子こしょう・しょうがのような食材や薬味を入れて食べるのが一般的だ。ツナ缶を加えてもOKだ。山形では天ぷらを入れる地域もある。
次に家でも作りやすい、ひっぱりうどんの作り方を紹介しよう。別の器に納豆を入れて混ぜ、納豆のタレとしょうゆを加える。しそは千切りに、みょうがは薄く輪切りにし、それぞれを水につけて水気をきる。ねぎは小口切りにする。溶き卵と塩を混ぜ、油を熱したフライパンに流し入れる。薄焼き卵を作ったらフライパンから取り出し、千切りにして錦糸卵を作る。
鍋にたっぷりの湯を沸かし、うどんを茹でる。あとは椀に納豆・しそ・みょうが・ねぎ・錦糸卵・めんつゆを入れ、鍋からうどんをひっぱり入れて食べればOKだ。椀にうどんをひっぱり入れるから、ひっぱりうどんだ。山形ではしょうゆで食べるが、ここではめんつゆを使用した作り方を紹介した。
うどんの例会を行う山形の人に聞いた作り方のポイントを紹介しよう。乾麺は、やわらかくなり過ぎないよう、茹で時間が約7~8分のものを選ぶこと。また、さし水は麺がのびるのを防ぐため、鍋の湯がぬるくならないくらいの量を入れるようにすることだ。
3. 山形のひっぱりうどんの食べ方
次に山形のひっぱりうどんの食べ方を紹介しよう。基本的に山形ではよく混ぜたつけダレに、箸で鍋からひきあげたうどんを絡めてズルズルと味わう。できたて熱々のうどんに納豆のネバネバ感としょうゆの香りが絡み、つるつるズルズルと箸がすすむほど、いくらでも食べられる美味しさだ。
うどんの例会を行う山形の人に聞いた、食べ方のポイントやおすすめの食材を紹介しよう。鍋から麺をひきあげるときに箸がすべりやすいため、鍋からスパゲティをすくう「スパゲティレードル」を使用するのがおすすめという。ひっぱりうどんをしっかりキャッチでき、誰でもうまくすくえるそうだ。
加える食材や薬味のおすすめは、ネギ・大根おろし・一味唐辛子・かつお節で、変わり種としてバター・カレー・チーズ・ラー油など。旧暦の大晦日に食べる年越しひっぱりうどんには、祝の赤として紅しょうがやキムチがおすすめだ。また基本的に茹でて鍋のまま食べるひっぱりうどんだが、麺を冷やし、ぶっかけスタイルで味わう方法もありだ。
結論
山形県発祥の郷土料理であるひっぱりうどんについて紹介した。納豆や好みの食材が入った具だくさんのタレに絡めて食べるのが特徴だ。ちなみにひっぱりうどんの定義は、乾麺を使うことと麺を茹でた鍋からひっぱりあげて食べること、ひっぱりあげたあとの食べ方は自由だという。
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