【ピンサ】の特徴と作り方を紹介！ピザのようでピザではない？

ピンサとは、ピザによく似た食べ物のこと。ピンサ・ロマーナという生地を使用して作られたピザといい換えることもできる。
ピンサ・ロマーナとは、イタリアのローマにある食品メーカーのディマルコ社が開発したオリジナルのミックス粉のこと。ちなみに、ピンサは、ラテン語で、生地を伸ばすという意味をもつピンサ―レ（Pinsere）に由来している言葉で、ロマーナはローマ風のという意味。
このピンサ・ロマーナには、小麦粉、大豆粉、米粉などが使用されており、長時間発酵を経て焼成される。ピンサ・ロマーナを使用して作った生地は、80%以上の水分を含み、表面はカリっとしていて、中は、軽くてふわふわな食感が特徴。この特徴が、通常のピザと違っている点になる。
一度、生地だけ焼いてから、その後で具材をトッピングし、二度焼きするという点も通常のピザと違っている。さらに一度焼いて、十分に膨らんだ生地はとても安定しているので、具材を選ばず、どのような具材でも、トッピングすることができる。そんなトッピングの自由度の高さもピザとの違いになるだろう。

ピンサは、ピザに比べるとカロリーが低いという点が最大のメリットといえるだろう。カロリーは具材によって異なるものの、ピンサの生地そのものは、通常のピザの生地のおよそ3分の2程度とかなり低カロリー。しかも、長時間発酵させることにより、小麦粉に含まれるでんぷん質が壊れるため、消化されやすくなっている。
そもそもピンサの生地に使用されるピンサ・ロマーナは、いまの時代の健康志向に合わせて開発されたようだ。
ディマルコ社の創業者であり、ピンサ・ロマーナの生みの親でもあるコッラード氏は、創業当初の1981年から、カロリーを気にしている人や、消化力の弱い子どもやお年寄りも安心して食べることができるピザの開発に尽力した。その結果、2001年にピンサ・ロマーナを世に送り出すことができたとのこと。

一度焼いて極めて安定した状態のピンサの生地は、通常のピザでは実現不可能だった立体的なトッピングも可能になる。アートさながらのトッピングが自由自在に行える点は、SNS映えするとして、いま、注目されているようだ。
また、このトッピングの自由度の高さにより、はちみつやチョコレート、各種フルーツなどをトッピングしたスイーツタイプのピンサも人気だ。

ピンサを自宅で手作りする場合、専用のミックス粉であるピンサ・ロマーナが入手困難なため、代用になる粉を使用して生地を作ることになる。
専用のミックス粉の代用になる粉は、米粉、大豆粉、ライ麦粉などと数多くあり、ピンサの作り方も数多く存在する。その中から、今回は、米粉とグルテン粉を使ったピンサの作り方を紹介しよう。
用意するものは、米粉、グルテン粉、ドライイースト、塩。
作り方は、米粉70gとグルテン粉30gを混ぜ合わせ、そこに塩少々と、ドライイースト小さじ3分の1と、ぬるま湯80mlを加え、さらによく混ぜ合わせる。十分捏ねたあと、生地をまとめ、そのまま30分以上おいて発酵させる。
発酵後は、生地を薄くのばして、オーブンやオーブントースターで5分程度を目安に焼く。焼き終わったら、好みの具材をトッピングし、ピザ用チーズをのせ、オーブンやオーブントースターで7〜8分程度焼けば完成する。なお、焼く時間は、トッピングする具材によって適宜調整してほしい。

ピンサとはいったいどんな食べ物か、ピンサのメリットや作り方について紹介した。ご理解いただけただろうか？日本では、ピンサ専門店の数は限られているようだ。通販でも入手できるようなので、これを機に、利用を検討されてみてはいかがだろう。