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【管理栄養士監修】菊芋の栄養と逃さずに摂るための方法|栄養図鑑

【管理栄養士監修】菊芋の栄養と逃さずに摂るための方法|栄養図鑑

投稿者:ライター 管理栄養士 戸田綾子(とだあやこ)

監修者:管理栄養士 藤江美輪子(ふじえみわこ)

2021年1月18日

菊芋には、豊富な栄養が含まれている。その中でもとくに注目すべき栄養であるイヌリンについて、詳しく解説していく。またせっかく菊芋を食べるのだから、栄養もしっかり摂りたいということで、栄養を逃さずに摂れる方法を紹介していこう。

  
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1. 菊芋の注目すべき栄養はイヌリン!

菊芋には、イヌリンという栄養が豊富に含まれている。そのイヌリンについて、詳しく解説していく。

イヌリンとはどんな成分?

イヌリンとは食物繊維の中の水溶性食物繊維に属していて、フラクトオリゴ糖に果糖が繋がったものになり、キク科植物の根の部分に含まれている果糖の重合体である。

イヌリンの効果とは

公益財団法人日本豆類協会(※1)の資料によると、イヌリンには食後の血糖値の上昇を穏やかにしてくれる効果が期待できることから、インスリンの急激な消費を防ぐことに繋がるだろう。
また、摂取した食物の粘度を高めることで、胃の中での滞留時間を延ばすことができる。そのため、胃から小腸への移動も遅らせるようになるので、満腹感を得やすくなり食べ過ぎの予防にも繋がるとされている。さらに、イヌリンにはコレステロールの吸収を抑えてくれる働きが期待されている。

2. 菊芋は栄養豊富で低カロリー

菊芋には上記で紹介したイヌリン以外にも、さまざまな栄養が含まれている。以下に解説していくので、参考にしてもらいたい。

菊芋はカリウムを豊富に含む

厚生労働省(※2)の資料によると、カリウムは欠かすことのできないミネラルであり、細胞内液の浸透圧を調整している。また、カリウムにはナトリウムを体外に排出しやすくする作用があり、塩分の摂りすぎを調整してくれる役割も担っている。
さらに、公益財団法人公害地域再生センター(※3)の資料によると、カリウムは筋肉の収縮にも関与していて、長い時間運動を行うことによっておきる筋肉の痙攣などを予防する働きもしている。

菊芋は低カロリー

文部科学省(※4)の資料によると、菊芋はイモ類でありながらデンプンが少なく、カロリーも低い食材である。同じイモ類であるじゃがいもと比較してみると、半分以下のカロリーになっている。そのため低カロリーの食事を考えている人には、嬉しい食材といえるだろう。

3. 菊芋の皮の栄養も見逃せない

菊芋の皮の部分には、多くの栄養が含まれている。ここで解説していくので、ぜひ注目してもらいたい。

菊芋の皮は食物繊維を豊富に含む

厚生労働省(※5)の資料によると、食物繊維は腸内環境を整えてくれる作用があるので、便秘の予防や改善を促してくれる整腸効果が期待できる。さらに血糖値の上昇を抑えたり血液中のコレステロール値の低下などに関与している。多くの人は食物繊維が不足している傾向があるため、積極的に摂ることをおすすめしたい。

菊芋の皮はポリフェノールを豊富に含む

厚生労働省(※6)の資料によると、ポリフェノールは、抗酸化物質の一種である。抗酸化物質とは、体内の活性酸素を取り除いて酸化の働きを抑えてくれる物質のことである。

4. 菊芋の栄養は調理法で変わる?

菊芋に含まれているイヌリンは、加熱やpHによって影響を受けやすい。そのため、イヌリンを壊さないための調理法や食べ方などを解説していく。

加熱によるイヌリンへの影響

菊芋を加熱調理すると、イヌリンにどのような影響があるのだろうか。一般社団法人 日本家政学会(※7)の資料にある菊芋の粉末を使用した実験結果によると、加熱温度が130℃までの場合はとくに変化はなく、160℃では20%程度のイヌリンが減少し、さらに200℃で1時間加熱するとイヌリンはほとんど消失してしまったという。これらのことから、菊芋を高い温度で長時間加熱すると、栄養を壊してしまうということになる。

pHの変動によるイヌリンへの影響

まずpHとは、水素イオン濃度指数のことである。pHが7の状態を中性、それ以下だと酸性でそれ以上だとアルカリ性であると考える。上記と同じように一般社団法人 日本家政学会(※7)の資料にある菊芋の粉末を使用した実験結果によると、25℃ではpHの値に関わらず変化は見られなかったが、50℃以上で強酸性の状態ではイヌリンの含量が低下していた。
これらのことから、中温程度でも酸性になることで菊芋の栄養を壊してしまうということになる。

菊芋の栄養を壊さないための調理上の注意点

上記のことから、菊芋に含まれているイヌリンは、高温での長時間加熱や強酸性での調理によって減少することが分かっただろう。それをふまえての調理上の注意点は、次のようになる。

・菊芋の加熱調理は極力短時間で行う

菊芋の長時間の高温加熱は、イヌリンの減少に繋がってしまう。菊芋は生でも食べられる食材であり、火の通り具合などを気にかける必要がないので、加熱調理時間をなるべく短くするように心掛けるとよいだろう。

・菊芋の調理に酢を使用することを避ける

菊芋を酸性条件で調理すると、イヌリンの減少に繋がってしまう。そのため、酢を使って調理することを避けるようにするとよいだろう。

菊芋の栄養を壊さないための食べ方

イヌリンを壊さないための調理上の注意点は上記で紹介したが、より確実性を求めるのならば菊芋を生食で食べることをおすすめしたい。菊芋は加熱することなく生食でも、より食感を楽しみながら十分に美味しく食べられる。確実に栄養を逃さないことを求めるのであれば、生のままサラダや漬け物にして食べるといった方法をおすすめしたい。

結論

本記事では、菊芋に多く含まれている栄養と、それをより効率よく摂る方法を紹介してきた。美味しく食べてかつ栄養もしっかり摂るということをモットーに、ポイントと注意点をおさえながら、日々の食卓に菊芋を活用していってもらいたい。
(参考文献)
※1 公益財団法人日本豆類協会「豆の主な機能性成分 食物繊維 食物繊維の種類と成分 食物繊維の効果」
https://www.mame.or.jp/eiyou/kinou.html

※2 厚生労働省「e‐ヘルスネット カリウム」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html

※3 公益財団法人公害地域再生センター「財団ブログ 2/10あおぞら野菜市開催しました。 きくいもの栄養」
http://aozora.or.jp/archives/24664

※4 文部科学省食品成分表「きくいも 塊茎 生」
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=2_02001_7&MODE=0

※5 厚生労働省「e‐ヘルスネット 食物繊維」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/?s=%E9%A3%9F%E7%89%A9%E7%B9%8A%E7%B6%AD

※6 厚生労働省「e‐ヘルスネット 抗酸化物質」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-009.html

※7 一般社団法人 日本家政学会 70回大会 研究発表要旨集「キクイモに含まれるイヌリンの加熱やpHに対する安定性」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kasei/70/0/70_74/_article/-char/ja/
  • 更新日:

    2021年1月18日

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