1. 三杯酢とは?二杯酢や甘酢との違いは?

文字通りに解釈すると、二杯酢とは酢を二杯、三杯酢とは酢を三杯入れるという意味だと思うかもしれない。しかしこれは、盃で酢としょう油とみりんをそれぞれ一杯ずつ混ぜ合わせて作ることから由来している。混ぜる調味料によって呼び方が変わるので早速例を挙げて種類を見てみよう。
二杯酢とは
あっさりとした味わいで魚介類などにぴったりな二杯酢は、酢としょう油を1:1の割合で合わせる。カニを食べるときにつけるカニ酢は二杯酢であることが多い。
三杯酢とは
もずく酢などの酢の物に使われる三杯酢とは、酢としょう油とみりんを1:1:1の割合で合わせたものだ。つまり二杯酢にみりんを加えたものが三杯酢となる。
甘酢とは
酸っぱさが苦手という人におすすめの甘酢は、酢と砂糖を1:1の割合で合わせたものに塩を適量加えて作る。砂糖を多く入れるのでよく混ぜ合わせるか、ひと煮立ちさせて砂糖をよく溶かそう。
ポン酢とは
さっぱりとしたさわやかな味わいのポン酢は、柑橘果汁に酢としょう油を混ぜ合わせて作る。柑橘類が手に入りやすい季節は手作りできるが、普段は市販品のポン酢を使用している人が多いかもしれない。
2. 水は入れる?プロが作る三杯酢の比率とは

三杯酢のレシピの材料で「水」や「出汁」を入れるものを見かけることがある。また酢、しょう油、みりんそれぞれの分量が同量でないレシピもあるようだ。プロのように美味しい仕上がりの三杯酢とは、どんな比率で調味料を配合しているのだろうか?いろいろな調味料でお気に入りの比率を見つけてほしい。
みりんの代わりに砂糖を使うことも
みりんとは、もち米、米麹、焼酎からできており、アルコールが14%程度含まれるため、気になる人は煮切るほうがよいだろう。ただ、その作業にひと手間かかるため時間が足りないという人には、みりんを砂糖で代用する方法がある。その場合の比率は、酢大さじ1に対して砂糖大さじ3分の1から2分の1程度にしておこう。また塩をひとつまみ加えて甘みを強調すると、さらコクがでて美味しくなる。
基本の比率にかつお節で旨みをプラス!
酢の物の酸味が苦手な人におすすめの三杯酢とは、かつお出汁を加える方法だ。かつおの旨みで味が柔らかくなり食べやすい。基本である1:1:1の三杯酢にかつお節を加え、ひと煮立ちさせるとできあがりだ。また基本の三杯酢にかつお節を加えて冷蔵庫で一晩寝かせておいてもよい。朝、野菜と和えれば、プロが作ったような美味しい酢の物がいただける。かつお節を常備していない人は、水と顆粒和風出汁を混ぜてもいいだろう。
比率は食材と好みに合わせて変える
南蛮漬けなどのみりんの甘みが合う場合はみりんを多めにしたり、逆にカニなど食材自体に甘みがある場合はみりんの量を減らしたり、三杯酢の分量比率は1:1:1でなくても大丈夫だ。食材と好みに合わせてアレンジしよう。
市販品の三杯酢を賢く利用
三杯酢は合わせ調味料としてスーパーなどでも売られている。市販の三杯酢は、昆布の旨みを隠し味にブレンドしたものや、砂糖、出汁を絶妙なバランスで合わせてあるものなどがある。野菜や魚介にかけるだけの手軽で美味しい副菜が即席でできあがる。
3. もずくやきゅうりの三杯酢の作り方とは

それでは実際に三杯酢を使った酢の物の作り方とはどうするのか紹介しよう。
シンプルなもずく酢
もずくに合う三杯酢の作り方とは、酢としょう油とみりんを3:1:1で合わせ、それに出汁を合わせる方法だ。さらに生姜の絞り汁を加える。器に盛った生食用のもずくに、合わせた三杯酢をかければできあがりだ。
きゅうりとなすの三杯酢
きゅうりを小口切りに、なすを半月切りにし、塩を少々ふってしんなりしたら水けを絞る。混ぜ合わせた三杯酢で具を和えればできあがり。ポイントは、野菜の大きさをそろえて切ることだ。大きさが同じだと混ぜやすく、食感がよくなる。
白菜と鶏肉の三杯酢の作り方とは
白菜はざく切りして塩をふり、しんなりしたら水気を絞る。しょう油をぬって網焼きした鶏むね肉を混ぜ、三杯酢をかける。ポイントは水っぽくならないように、よく冷ましてから、食べる直前に三杯酢をかけることだ。
三杯酢は昔ながらの古風な呼び方で、なじみがないと感じる人もいるかもしれない。現代風の呼び方でいうと、三杯酢とは、つまりドレッシングのことだ。さまざまな食材にかけていただこう。
結論
三杯酢とは何かお分かりいただけただろうか。二杯酢や三杯酢、甘酢、ポン酢の違いを理解すると、料理の奥深さに感心するとともに見解も深まる。まずは三杯酢の基本の比率で合わせてみて、味見をしながらほかの調味料を加え、家族の好みに合わせていくとよいだろう。家族も納得の三杯酢ができあがれば何にでも使えるので、あともう一品!というときに便利だ。
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