目次
1. スキムミルクとは?

スキムミルクとは、牛乳から脂肪分と水分を取り除き粉末状にした「脱脂粉乳」のこと。牛乳由来のたんぱく質やカルシウムなどを摂れるが、脂肪分を含まないため低カロリーであることが栄養面の特徴といえる。また、あっさりとした味わいとほのかな甘みが楽しめることも特徴のひとつ。使い道はいくつかあるが、例えば、スキムミルクを水に溶かして牛乳の代わりとして飲むことも可能だ。
スキムミルクと脱脂粉乳の違いとは?
スキムミルクと脱脂粉乳は同じものを指す。しかし、脱脂粉乳というと戦後間もない頃に飲まれていた「美味しくない粉乳」をイメージされることが多い。そこで、最近はそのような美味しくないイメージを払しょくするために「スキムミルク」という名前を使うようにしているようだ。なお、粉ミルクも粉乳の一種だが、ビタミン類やミネラル類といった赤ちゃんに必要な栄養素が配合されている。
2. スキムミルクの基本的な栄養価

文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」には(※1)、「脱脂粉乳」という名称でスキムミルクの栄養価が収録されている。以下に100gあたりの主な栄養価をまとめておく。
スキムミルクの100gあたりの栄養価
・エネルギー:354kcal
・たんぱく質:34g
・脂質:1.0g
・炭水化物:53.3g
・脂肪酸
・飽和脂肪酸:0.44g
・一価不飽和脂肪酸:0.18g
・多価不飽和脂肪酸:0.03g
・ビタミン
・ビタミンA:6μg
・ビタミンD:Tr
・ビタミンE:Tr
・ビタミンK:Tr
・ビタミンB1:0.3mg
・ビタミンB2:1.6mg
・ナイアシン:1.1mg
・ビタミンB6:0.27mg
・ビタミンB12:1.8μg
・葉酸:1μg
・パントテン酸:4.17mg
・ビオチン:19μg
・ビタミンC:5mg
・ミネラル
・ナトリウム:570mg
・カリウム:1800mg
・カルシウム:1100mg
・マグネシウム:110mg
・リン:1000mg
・鉄:0.5mg
・亜鉛:3.9mg
・銅:0.1mg
・マンガン:-
・ヨウ素:120μg
・セレン:27μg
・クロム:1μg
・モリブデン:35μg
・食物繊維:0g
・たんぱく質:34g
・脂質:1.0g
・炭水化物:53.3g
・脂肪酸
・飽和脂肪酸:0.44g
・一価不飽和脂肪酸:0.18g
・多価不飽和脂肪酸:0.03g
・ビタミン
・ビタミンA:6μg
・ビタミンD:Tr
・ビタミンE:Tr
・ビタミンK:Tr
・ビタミンB1:0.3mg
・ビタミンB2:1.6mg
・ナイアシン:1.1mg
・ビタミンB6:0.27mg
・ビタミンB12:1.8μg
・葉酸:1μg
・パントテン酸:4.17mg
・ビオチン:19μg
・ビタミンC:5mg
・ミネラル
・ナトリウム:570mg
・カリウム:1800mg
・カルシウム:1100mg
・マグネシウム:110mg
・リン:1000mg
・鉄:0.5mg
・亜鉛:3.9mg
・銅:0.1mg
・マンガン:-
・ヨウ素:120μg
・セレン:27μg
・クロム:1μg
・モリブデン:35μg
・食物繊維:0g
飲む場合は1杯あたり20g程度が目安
スキムミルクの100gあたりの栄養価は前述のとおりだが、通常、スキムミルクを飲料として飲む場合は20gずつ使うことが多い(※2)。そのため、1杯あたりの栄養価は前述した数値の20%程度であり、例えば、カロリーであれば71kcal程度となる。なお、普通牛乳の200mlあたりのカロリーは122kcal程度であるため、スキムミルクのほうが低カロリーとなっている。
3. スキムミルクの基本的な使い方

スキムミルクの使い方はさまざまあるが、まずは基本である飲料としての使い方を確認しよう。スキムミルクを飲料として飲む場合は、スキムミルク1に対して水9を合わせればよい。なお、熱湯に入れると溶けにくくなるため、水~ぬるま湯(60℃)と合わせて溶かすようにしよう。
スキムミルクの使い方・手順
1.コップに適量の水・お湯を入れる
2.水を撹拌しながらスキムミルクを入れる
3.スキムミルクが完全に溶けたら完了
2.水を撹拌しながらスキムミルクを入れる
3.スキムミルクが完全に溶けたら完了
【スキムミルクを溶かすときのポイント】
・水・お湯にスキムミルクを溶かすようにする
・砂糖などはあらかじめスキムミルクと合わせておく
・砂糖などはあらかじめスキムミルクと合わせておく
4. スキムミルクの飲料以外の使い道

スキムミルクは牛乳の代用として使えるため、パン・シチュー・グラタンといった料理、ヨーグルト・パウンドケーキ・マフィン・クッキーといったスイーツにも使うことができる。ここではそんなスキムミルクの飲料以外の使い道をいくつか紹介する。大量消費したいときにも参考にしてみよう。
その1.生地に使う
パン・パウンドケーキ・マフィンなどの生地にスキムミルクを使うことが可能だ。牛乳を使った生地に比べて、スキムミルクを使った生地のほうが柔らかく、ボリュームが増す傾向がある。ふんわりと柔らかいパンや焼き菓子などを作りたいときにはスキムミルクを使ってみるとよいだろう。
その2.ソースに使う
スキムミルクを使ってホワイトソースを作ることもできる。また、作ったホワイトソースを使ってシチュー・グラタン・パスタなどを作ることも可能だ。最低限、スキムミルクと小麦粉があれば作れるので、「牛乳がないがスキムミルクはある」という場合に代用してみるとよいだろう。
その3.スイーツの液に使う
パンナコッタ液やプリン液といったスイーツ用の液体にもスキムミルクを使うことが可能だ。レシピにもよるが、スキムミルクがあれば牛乳などが無くてもスイーツを作ることができる。大量にスキムミルクを消費したいときやカロリーオフしたいときにもおすすめとなっている。
5. スキムミルクの基本的な保存方法

スキムミルクは、基本的に直射日光・高温多湿を避ければ常温保存することが可能だ。その際、湿気を防ぐために、必ず商品のジッパーを閉めるようにしよう。また、開封後はできる限り1か月以内には使い切るのが望ましい。パッケージや公式サイトなどに書いてある保存方法もよく確認しよう。
6. スキムミルクを使う際の注意点

メリットが多いスキムミルクではあるが、使用するにあたり牛乳アレルギーや乳糖不耐症などには注意が必要となっている。以下でスキムミルクを使う際の注意点についても詳しく確認しておこう。
その1.乳アレルギーに注意する
スキムミルクのパッケージには、「乳成分」のアレルギー表示がされていることが多い。乳アレルギーの原因とされるたんぱく質は、加熱しても乳アレルギーの発症のしやすさは変わらないとされている(※3)。そのため、本人や家族などに乳アレルギーがある場合は注意して使うようにしよう。
その2.乳糖不耐症に注意する
スキムミルクには乳糖(ラクトース)が含まれているため、乳糖不耐症の方(牛乳を飲むと腹痛や下痢などの症状が出てしまう方)は注意したほうがよい。スキムミルクの乳糖の含有量は100gあたり50g程度となっている(※2)。もし心配なら医師・かかりつけ医などに事前に相談しておこう。
7. 市販のおすすめスキムミルク3選

スキムミルクはさまざまな食品メーカーから販売されており、内容量や金額などもさまざまとなっている。ここでは、そんな市販のスキムミルクの中から特に人気がある商品をいくつか紹介する。
その1.森永乳業「森永スキムミルク」
「森永スキムミルク」は、森永乳業が製造しているスキムミルクのこと。「おいしさしっかり」をコンセプトにしたスタンダードなスキムミルクであり、口コミにも「美味しい」という評判が多くみられる。サイズは175gであり、通常価格は350円(税抜)となっている。
その2.雪印メグミルク「北海道スキムミルク」
「北海道スキムミルク」は、雪印メグミルクが製造しているスキムミルクのこと。水に溶けやすいよう粉末を小さくしていることや、容器の口が開きやすくて中身を取り出しやすいことがポイントとなっている。サイズには180g(330円/税抜)と360g(590円/税抜)の2種類がある。
その3.よつ葉乳業「よつ葉北海道スキムミルク」
「よつ葉北海道スキムミルク」は、よつ葉乳業が製造しているスキムミルクのこと。北海道産の生乳を100%使っていることが特徴となっている。サイズは150gと小さく、値段は270円(税込)となっている。なお、業務用商品として1kgサイズの「よつ葉北海道脱脂粉乳」も用意されている。
8. スキムミルクに関するよくある質問

ここまで、スキムミルクについて詳しく解説してきた。しかしまだ「スキムミルクはどのように作られるのか」や「スキムミルクの代表品には何があるか」などが気になる人もいるだろう。そこで最後に、スキムミルクに関するよくある質問・疑問に回答する。
Q1.スキムミルクはどのように作られるのか?
スキムミルクの製造方法は「洗浄」「分離」「殺菌」「乾燥」「加湿・造粒」「仕上げ」の順番となっている。家庭用のスキムミルクと業務用のスキムミルクの製造過程は異なり、業務用の場合は乾燥まで行ったら出荷される。一方、家庭用のスキムミルクは溶けやすくなるよう「加湿・造粒」「仕上げ」の工程を行い顆粒状にさせる。業務用を購入する際はやや溶けにくいので注意しよう。
Q2.スキムミルクの代表品には何があるか?
スキムミルクの代用品には、粉ミルクやクリーニングパウダーなどがある。また、スキムミルクを液体にしてから使う場合は、牛乳や豆乳などで代用できる場合もある。スキムミルクの代用品として適しているもの、適していないものは以下のページで詳しく解説している。
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結論
スキムミルクとはかつて「脱脂粉乳」と呼ばれていた、生乳から脂肪分と水分を取り除いた粉末のことである。これを水に溶かすことで無脂肪牛乳にすることが可能だ。通常の牛乳よりも保存性が高くてリーズナブルなので、上手に生活に取り入れてみるとよいだろう。
(参考文献)
- ※1:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/ - ※2:雪印メグミルク「練乳・スキムミルク・その他食品 | FAQ」
https://www.meg-snow.com/customer/faq/food.html - ※3:日本乳業協会「乳アレルギーでも、加熱した牛乳であれば大丈夫ですか?」
https://nyukyou.jp/dairyqa/2107_181_277/
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