1. ハリラスープとは

ハリラスープとは、モロッコの定番料理で、日本における味噌汁のような存在。ハリラスープは、モロッコの各家庭で日常的に食べられていて、それぞれの家庭の味が存在するようだ。また、ハリラスープは、屋台やレストランでも提供されている。
イスラム教が国教であるモロッコでは、ラマダンと呼ばれる断食を行う期間がある。ラマダンの期間は、およそ1ヶ月間で、その期間中は、日の出から日没の間、飲食を禁じられていて、水も飲むことができない。
野菜と豆が使われているハリラスープは、 胃に負担をかけにくいことから、断食明けによく飲まれているスープでもある。ハリラスープは、熱心なファンをもつ人気ドラマ「孤独のグルメ」に登場したを機に、注目されることになった。
ハリラスープの特徴についてさらに詳しく見ていこう。
2. ハリラスープの特徴

モロッコ料理は、サフラン、ターメリック、クミン、パプリカなどの各種スパイスをブレンドして使うことがとても多いのが主な特徴で、ハリラスープにもこの特徴が反映されている。さらに、味付けには、レーズンやデーツ、アーモンド、オリーブ、アプリコットやリンゴなど用い、味にアクセントを添えるために、コリアンダーやイタリアンパセリなどのハーブ類もよく使われるようだ。
ハリラスープは、それぞれの家庭によって、使用される食材や味付けなども異なるが、野菜や豆を使う点ととろみがある点が共通している。前述のように、野菜と豆を使ったハリラスープは、ラマダンの期間中の断食明けによく飲まれている。空腹の胃に負担をかけにくく、腹持ちもよく、栄養豊富であるため、断食明けに飲むのに適しているという点が、理由といえる。
ちなみに、モロッコ料理は、ユネスコの無形文化遺産の「地中海食」として登録されている。
3. ハリラスープの作り方

ハリラスープは、野菜と豆をベースに、さまざまな具材を使って作られている。牛肉やラム肉、鶏肉などをプラスされる場合も多いようである。今回は、ラマダン中の断食明けである日没後に食べられている最もオーソドックスなパターンのハリラスープの作り方を紹介しよう。材料は、日本のどの家庭でも入手しやすいものにした。
材料
ひよこ豆、白いんげん豆などの水煮缶、トマト缶、玉ねぎ、セロリ、ブラックペッパー、ターメリック、ジンジャーパウダー、オリーブオイル、塩、砂糖、水
作り方
- 玉ねぎをみじん切りに、セロリは筋をとって薄切りにする。
- 鍋にオリーブオイルを入れ、玉ねぎとセロリを炒めて、ブラックペッパー、ターメリック、ジンジャーパウダー各適宜を加え、さらに炒める。
- さらに水、ひよこ豆、白いんげん豆などの水煮缶とトマト缶を加え、弱火で材料がやわらかくなるまで煮込む。
- あとは、塩と砂糖で味を調えればできあがり。仕上げに、イタリアンパセリやパクチーのみじん切りを加えてもOK。さらに鶏肉や牛肉を加えても美味しくできる。
結論
ハリラスープがいったいどのようなものなのか?基本的な作り方についてお伝えした。シンプルな味付けゆえに、素材のもつ味わいを最大限に引き出すことができるようだ。これを機に、ぜひ一度、ハリラスープ作りにチャレンジしてみてほしい。
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