1. 小さじ1と大さじ1は何グラム?

日本の計量スプーンには、大さじ・中さじ・小さじ・茶さじの4種類があるが、一般的に使われているのは「大さじ」と「小さじ」の2種類である。まずはこれらを使ったときの水とごま油の重さ(質量)について確認しておこう。
水の小さじ1と大さじ1は何グラム?
- 小さじ1: 5g
- 大さじ1:15g
ごま油の大さじ1と小さじ1は何グラム?
- 小さじ1:4g
- 大さじ1:12g
2. なぜ水とごま油で重さが違うのか?

前述のとおり、同じ小さじ1であっても水は5gであるが、ごま油は4gである。なぜ同じ小さじ1なのに、重さ(質量)が異なるのだろうか。その答えは、水とごま油では「密度」が異なるからだ。そこで、この体積・密度・質量の関係について詳しく確認しよう。
「重さ(質量)=体積×密度」という関係
そもそも「重さ(g)」と「体積(ml)」はイコールの関係ではない。この理由は、もの(物質)によって「密度(g/cm3)」が異なるからで、この3つの関係は「重さ(質量)=体積×密度」となっている。そのため、密度がほぼ1(0.997)の水は「重さ≒体積」が成り立つが、密度が0.9(0.91~0.92)程度(※1)の油は「重さ≒体積」が成立しないため「小さじ1=4g」となる。
3. 調味料の小さじ1のグラムとカロリー

重さ(質量)には「密度」が関係しているため、同じ小さじ1でも食品によって重さが異なる。また、食品には「エネルギー量(カロリー)」もあるが、同じ小さじ1であってもエネルギー量はそれぞれ異なる。そこで、食品ごとのカロリーの決まり方と主な調味料の重さ・カロリーをまとめておく。
食品のカロリーの決まり方とは?
食品ごとのカロリーが違う理由は、それぞれの食料に含まれる炭水化物・たんぱく質・脂質の量が異なるからだ。また、食品のカロリー(エネルギー量)は「アトウォーター係数(カロリー係数)」と呼ばれる数値を使って算出している。このアトウォーター係を用いる場合は、通常は炭水化物を4kcal/g、たんぱく質を4kcal/g、脂質を9kcal/gとしてエネルギー量を計算する(※2)。
調味料小さじ1のグラムとカロリーの一覧(※3)
【液体・食用油】
- 濃口しょうゆ:6g(5kcal)
- 本みりん:6g(14kcal)
- 牛乳:5g(3kcal)
- 生クリーム:5g(20kcal)
【ペースト・ソース類】
- 米味噌:6g(12kcal)
- マヨネーズ:4g(27kcal)
- トマトケチャップ:5g(5kcal)
- トマトピューレ: 5g(2kcal)
- ウスターソース:6g(7kcal)
- バター:4g(28kcal)
【甘味類】
- 上白糖:3g(12kcal)
- グラニュー糖:4g(16kcal)
- はちみつ:7g(23kcal)
- いちごジャム:7g(18kcal)
- 水あめ:7g(15kcal)
【塩類】
- 食塩:6g(0kcal)
- 精製塩:6g(0kcal)
【粉類】
- 薄力粉:3g(10kcal)
- 片栗粉:3g(10kcal)
- パン粉:1g(4kcal)
- ベーキングパウダー:4g(6kcal)
- 粉チーズ:2g(9kcal)
4. 計量スプーンがないときの量り方

計量スプーンがないときは、「ペットボトルのキャップ(フタ)」を使うとよい。日本の清涼飲料水のキャップは、直径28mm前後になるよう作られており(※4)、基本的にはいずれも7.5ml程度の水が入るという。そのため、小さじ1ならキャップの2/3杯程度、大さじ1なら2杯程度の調味料を入れて使えばOKだ。
結論
計量スプーンは体積で計測する調理器具であり、「小さじ1=5ml」「大さじ1=15ml」として量ることができる。しかし「体積=質量」ではないため、必ずしも「小さじ1=5g」「大さじ1=15g」という関係が成り立つわけではない。料理本やレシピサイトなどに「小さじ〇」「大さじ〇」と書いてあったら、キッチンスケールではなく、なるべく計量スプーンを使って量るようにしよう。
【参考文献】
- ※1:日本油脂検査協会「食用植物油脂の日本農林規格」
http://www.oil-kensa.or.jp/pdf/JAS-kikakuti.pdf - ※2:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf - ※3:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/ - ※4:一般社団法人 日本キャップ協会「キャップ紹介」
https://cap-jca.com/introduction-2.html
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