1. 強力粉でお好み焼きは作れる?食感の違いは?
そもそも、お好み焼き作りに必要な小麦粉とは何かご存知だろうか。小麦粉というのはいくつかある粉類の総称であり、薄力粉や強力粉も小麦粉に該当する。それらの違いは含有するタンパク質に含まれるグルテンの量であり、それぞれ特性が異なるため料理ごとに使い分ける必要がある。結論からいうと、強力粉でもお好み焼きを作ることは可能だ。しかし前述の通り、強力粉のもつ特性を理解したうえで調理をしなくてはならない。強力粉は小麦粉の中でもグルテンを多く含むため、水分や力を加えると硬くなるという特性が強い。
一方で、冷やすとその特性が弱まるという性質があるのだ。たとえば、本来薄力粉を使って作ることの多いクッキーを、強力粉を使うと硬い食感になりがち。そしてクッキーのレシピによくある「冷蔵庫で冷やして生地を寝かせる」という工程は、硬さを和らげサクサク食感を生み出すという役割がある。つまり冷蔵庫で生地を寝かせることで、硬くなるという特性を弱めているのだ。これは強力粉を使ったお好み焼きの生地にも同じことがいえる。強力粉の特性をきちんと理解せずに作ると、弾力のあるカチカチ食感のお好み焼きになるおそれがあるが、上手に作ればふわふわもちもち食感のお好み焼きを作ることができる(※1)(※2)(※3)。
2. 強力粉を使ったお好み焼きの作り方
強力粉を使ったお好み焼きの生地作りに必要な主な材料は、強力粉、卵、出汁の素、水、キャベツ、山芋のすりおろしだ。そのほか揚げ玉やさくらエビ、豚肉などの具材を入れてみたり配分を調整してみたり......と、何度かお好み焼き作りにチャレンジしてみると、きっと自分好みの配分に辿り着くだろう。強力粉を含む、お好み焼き生地の材料を混ぜ合わせればあとは焼くだけと工程は比較的簡単である。両面しっかり焼き目が付いたら、ソース、マヨネーズ、青のり、かつおぶしなど好みのトッピングをすれば完成だ。
3. 強力粉でお好み焼きを作るときのポイントは?
前述の通り、強力粉は混ぜすぎると粘弾性が強くなってしまうため、強力粉でお好み焼きを作る際は注意が必要だ。粘弾性が強くなると硬い食感になるため、お好み焼きの生地を混ぜ合わせる際はさっくり軽く混ぜ合わせることが重要なポイントとなる。強力粉は熱で硬くなる性質も持ち合わせていることから、冷水の代わりに熱い出汁などを加えないようにしよう。また、山芋のすりおろしを多めに入れて強力粉を減らせば、とろとろふわふわな食感が味わえる。強力粉の量を調整し、お好み焼きの食感の違いを楽しんでみてほしい(※2)。
4. 山芋や卵なしでも強力粉のお好み焼きは作れる?
山芋や卵、キャベツがなくても作れるお好み焼きの作り方を紹介しよう。アレルギーのある方や食材が足りないときにきっと役立つだろう。
山芋なし
強力粉はあるが山芋がない場合は、豆腐で代用してお好み焼きを作ることができる。材料は小麦粉、豆腐、卵、出汁、ネギ、紅ショウガ、キャベツ、豚バラだ。豆腐は水切りをせずそのまま混ぜてもよいため、余計な手間はかからない。ネギや紅ショウガは味のアクセントになるが、苦手な人は抜いて作っても構わない。
卵なし
卵アレルギーの人や卵がないというハプニングに備えて、強力粉で作るお好み焼きの卵なしの作り方を覚えておいたほうがよい。材料は小麦粉、水、山芋、天かす、キャベツ、ネギ、紅ショウガ、干しエビ、豚バラだ。小麦粉、水、山芋の量を調整したり、自分好みの具材を入れたりしてカスタマイズしてみるとよいだろう。
白菜あり
お好み焼きといえばキャベツを使うのが一般的だが、代わりに白菜を使ってみるとどうだろうか。材料は、小麦粉、豚バラ、卵、白菜、紅ショウガ、出汁の素、水、サラダ油だ。強力粉の入った生地にみずみずしい白菜を入れることで、とろっとした食感が楽しめるので試してみてほしい。さらに蒸し焼きにすることで白菜の甘みが増し、ひと味違った味わいを楽しめる。
結論
お好み焼きは強力粉でも作れることが分かった。強力粉の特性さえおさえておけば、薄力粉と強力粉をブレンドするのも、強力粉のみでお好み焼きを作るのもあり。強力粉で作った、ふわふわもちもち食感のお好み焼き作りにぜひ挑戦してみてほしい。
(参考文献)
※1 日本食品標準成分表2015年版
※2 小麦粉の知識(1) -グル テンが小麦粉のいのち--長尾精一--
※3 クッキーが劇的にサクサクになる!パティシエのちょっとした"プロのコツ"
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