1. 小麦粉とは?
小麦粉とは、小麦の種子を細かく引いて粉状にした食品のこと。日本でも世界でも欠かすことができない主食の一つであり、日本ではパン、麺類、洋菓子などさまざま食材・料理に使われている。小麦は穀物であり、炭水化物が7割程度を占めているが、たんぱく質も1割程度含んでいる。また、少量ではあるが脂質、ビタミン類、ミネラル類なども含んでおり栄養バランスが優れている。(※1)
2. 薄力粉・中力粉・強力粉の違い
市販の小麦粉には薄力粉、中力粉、準強力粉、強力粉などの種類がある。この分類に関する農林水産省などの定義・規定は存在しないが、一般的にはグルテン量で分類されている。メーカーによって多少違いはあるものの、一般的な傾向は同じなので薄力粉・中力粉・強力粉の特徴を確認しよう。
小麦粉の種類・違いの早見表
・薄力粉:グルテン量:少ない、性質:弱い、粒土:細かい
・中力粉:グルテン量:中間、性質:中間、粒土:中間
・強力粉:グルテン量:多い、性質:強い、粒土:粗い
・中力粉:グルテン量:中間、性質:中間、粒土:中間
・強力粉:グルテン量:多い、性質:強い、粒土:粗い
薄力粉|グルテン量が少ない小麦粉
薄力粉は、主に軟質小麦から作られる小麦粉のこと。軟質小麦はアメリカ産のものが多い。強力粉に比べるとグルテン量が少なく、100gあたりのたんぱく質量は8.3g程度である。(※1)また、粒が細かくさらさらとしているため、料理に使うと「ふっくら」「サクサク」とした食感に仕上がる。薄力粉の主な用途にはケーキ、焼き菓子、天ぷらなどが挙げられる。
中力粉|グルテン量が中ぐらいの小麦粉
中力粉は、主に中間質小麦や軟質小麦から作られる小麦粉のこと。薄力粉に比べるとグルテン量は多いが、強力粉よりは少ない。実際、100gあたりのたんぱく質量は9.0g程度である。(※1)また、粒は少し粗めとなっており、程よい粘性と弾力性を備えているのが特徴だ。料理に使うと「ややもっちり」とした食感になるため、主にうどんやそうめんなどに使われている。
強力粉|グルテン量が多い小麦粉
強力粉は、主に硬質小麦から作られる小麦粉のこと。硬質小麦はアメリカ産やカナダ産のものが多いという。ほかの小麦粉に比べるとグルテン量が多く、100gあたりのたんぱく質量は11.8g程度となっている。粒は粗く粘性と弾力性が強いため、料理に使うと「もっちり」とした食感に仕上がることが多い。強力粉の主な用途にはパン、ピザ、餃子の皮、中華まんの生地、打ち粉などさまざまある。
3. 薄力粉と強力粉の見極め方とは?
家庭で小麦粉を保存容器で保管していたら、薄力粉と強力粉がどちらか分からなくなることもあるだろう。そのようなときには、小麦粉を清潔な手で握ってみると良い。薄力粉であれば握った手のあとが残るが、強力粉であればサラサラと崩れ落ちる。このようにして小麦粉の種類を見極めよう。
4. 薄力粉と強力粉は代用できるの?
薄力粉も強力粉も、基本的には小麦粉であるため代用は可能だ。しかし、前述のとおり薄力粉と強力粉はグルテン量が異なるため、料理の仕上がりが違ってくる点には注意が必要になる。そのため、特別なこだわりがない場合は問題がないが、冷蔵庫に両方ある場合は使い分けるほうが望ましい。
結論
小麦粉には薄力粉・中力粉・強力粉などの種類があり、これらはそれぞれグルテンの量や強さによって分類されている。同じ小麦粉ではあるが、それぞれに適した用途があるため上手に使い分けるようにしよう。また、もし家にある小麦粉の種類が分からなくなったら、手で握って確かめてみよう。
(参考文献)
- ※:製粉振興会「小麦粉の加工と製品」
https://www.seifun.or.jp/pages/79/ - ※1:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/
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