1. スコーンは強力粉でも作れる?
1800年代後半にスコットランドで誕生したとされるスコーン。平たい形のバノックと呼ばれるパンが一般的だった当時のスコットランドで、オーブンの普及やベーキングパウダーの発明を受けて誕生したのが、スコーンである。以降、ほんのりとした甘みと膨らんだ形が特徴のお菓子として愛されてきた。いまでは、ティータイムの定番お菓子として世界中で知られている。日本では、スコーンを作る際には薄力粉を使用することが一般的だ。
しかし、薄力粉が足りないときや薄力粉が家にない場合には、強力粉や中力粉で代用も可能だ。グルテンが少なくふんわりとした食感を生む薄力粉と比べ、グルテンを多く生成する強力粉を使って作ったスコーンは、外側がザクザクとした硬めの食感を生むのが特徴である。ふんわりとした食感のスコーンを作る場合には薄力粉を、ザクザクとした食感のずっしりとしたスコーンを作る場合には強力粉を使うのがベストだ。さらに、薄力粉と強力粉を配合すれば、どちらの特徴も兼ね備えたスコーンが作れる。ここからは、そんな2つの粉を配合することで、両方の魅力を堪能できるスコーンのレシピを紹介する。
2. 強力粉使用!ザクザクチョコスコーン
甘くて美味しいダイスカットのチョコレートが入った定番のスコーン。カフェなどでもよく目にするチョコレート入りのスコーンは、紅茶やコーヒーと相性もいいため人気だ。そんなチョコレート入りのスコーンは、強力粉を使って作ることができる。強力粉でスコーンを作る場合には、ベーキングパウダーなしでは膨らみが悪くなる。そのため、ベーキングパウダーも忘れずに用意しておくことが大切だ。用意が難しい場合には、ドライイーストで代用するのもいいだろう。
作り方は、強力粉、薄力粉、ベーキングパウダーと砂糖をボウルに入れて混ぜ、冷蔵庫で30分冷やすところから始める。これは、粉を冷蔵庫に入れて冷やすことで、グルテンの生成を抑制するためだ。次に、冷やした粉類にバターを入れて混ぜていく。バターはあらかじめ小さくカットし、冷蔵庫に入れて冷やしておこう。粉とバターをすり合わせるようにして、そぼろ状になるまで混ぜ込んでいこう。生地がそぼろ状になったら、牛乳とはちみつを加える。グルテンの生成を抑えるため、混ぜすぎには注意しよう。フォークでさっくりと混ぜ合わせ、ダイスカットのチョコレートを入れてひとまとめにしてラップでくるむ。冷蔵庫で1時間休ませた後、好みの形や大きさに成形してクッキングシートの上にのせる。最後に、オーブンで焼いてスコーンの完成だ。卵なしでも作れるうれしいレシピである。生地が膨らむため、一定の間隔を空けて配置して焼き上げよう。
3. バターなしでも美味しい!強力粉・サラダ油で作るスコーン
家にバターがない場合でも、美味しいスコーンは作れる。ここからは、強力粉とサラダ油を使ったスコーンの作り方を紹介していこう。まず、強力粉と薄力粉、砂糖とベーキングパウダーをボウルに入れて混ぜる。フォークなどでさっくりと混ぜていこう。次に牛乳とサラダ油もしくはオリーブオイルを入れて混ぜる。牛乳なしの場合には豆乳やヨーグルトで代用してもいいだろう。グルテンの生成を防ぐため、混ぜすぎには注意が必要だ。粉っぽさが残る程度まで混ぜればOKだ。混ぜ終わったら、好みでチョコレートやナッツ、ドライフルーツなどを入れよう。
好きな食材を入れて粉っぽさがなくなるまで混ぜたら、まな板の上に打ち粉をして、できあがった生地を5cmほどの厚みに伸ばす。均等に伸ばした生地を、好きな大きさや形にカットする。オーブンで焼いたら完成だ。油を使ったスコーンは、バターを使ったスコーンとは違い、あっさりとした味になる。好みでチョコレートを入れたり、砂糖をキビ砂糖などに変えたりしてコクや風味を足すといいだろう。さらに、バターがない場合には生クリームで代用する方法もある。強力粉とベーキングパウダー、砂糖と塩をビニール袋に入れて混ぜ、生クリームを入れて生地を作る。あとは成形してフライパンで焼けばOKだ。弱火でじっくり焼けば、オーブンなしでも作れる。キャンプ飯にもおすすめのスコーンレシピだ。
結論
薄力粉と強力粉の特性を知ることで、好みの食感のスコーンが作れる。今回は、薄力粉が少なくても作れる、強力粉でできるスコーンのレシピを紹介した。強力粉を使いザクザクとした食感に仕上げたスコーンは、食べごたえもバツグンだ。作ったスコーンが冷めたら、トースターで温めると風味が復活して美味しく食べられる。午後のティータイムに向けて、家にある材料で美味しいスコーン作りにトライしてみてはどうだろうか。
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