このサイトは、画面を 
縦にしてご覧ください。
バイ貝には毒があるって本当?原因や症状を知って正しく対策しよう

バイ貝には毒があるって本当?原因や症状を知って正しく対策しよう

投稿者:ライター 諸田結(もろたゆい)

監修者:管理栄養士 鈴木亜子(すずきあこ)

鉛筆アイコン 2021年11月19日

独特の歯ごたえが人気のバイ貝。酒のつまみやおかずとしても食べられているバイ貝だが、じつは種類によっては毒に気をつけなければならない。知らずに食べてしまうと、食中毒を引き起こす危険があるのだ。そこで今回は、その毒がどんなものなのか、原因や症状とともに毒の取り除き方を紹介したい。

  

1. バイ貝には毒がある?原因や症状とは

殻の中から爪楊枝などを使って身を取り出し、少しずつ味わうのが楽しいバイ貝。しかし、バイ貝には毒があると聞いたことがあるのではないだろうか?

厳密にはバイ属バイ科に属するバイ貝は毒を持たず(※1)、毒を持つのはツブ貝と呼ばれることの多いエゾバイ科の貝だ。このエゾバイ科の貝には「テトラミン」と呼ばれる毒が含まれており、テトラミンが含まれているのはバイ貝の中の唾液腺という部分だ。

但し、地域によってはエゾバイ科の巻貝を総称して「バイ貝」と呼ぶケース(※2)や、エゾバイ科に属する巻貝を「赤バイ」「白バイ」と呼ぶ場合もあり、毒が無いと思い購入した「バイ貝」についても、念のため唾液腺を取り除いた方がよいだろう。

では、このテトラミンを摂取することでどのような問題が起こるのだろうか?テトラミンを摂取してしまうと、食後30分程度でものが二重に見える視覚障害や頭痛などの症状が起こる可能性もあるが、2~3時間程度で回復するという特徴がある(※3)。テトラミンは毒性の弱い弱毒素といわれているが、人によっては重症化する場合もある。ふらつきや頭痛などは酒によるものと勘違いされることも多いため、つまみとしてバイ貝(エゾバイ科)を食べる際はより注意が必要だ。テトラミンでの死亡例はなく、死に至る心配はないが唾液腺はしっかり除去してから食べるようにしよう(※4)。唾液腺は1つの貝に対して2つあり、身の中心を切り開いたところに存在する。テトラミンの含有量には個体差があるため、1つ食べただけでも食中毒を発症する場合があるので注意しよう。

2. 毒なしのバイ貝はある?スーパーのバイ貝は安全?

バイ貝には毒があると紹介したが、店によっては殻付きのまま煮付けて販売しているところもある。バイ貝のテトラミン含有量は産地や時期などによってばらつきがあるほか、前述の通り、バイ属に属する「バイ貝」は毒がなく、エゾバイ科の「バイ貝」ではない限りは無毒である。また、エゾバイ科であっても小さいサイズの個体はテトラミンの含有量が少ないとされている。

ただし、自宅で「バイ貝」と称されている食品を調理する場合には、唾液腺を除去してから調理するのが安心だ。テトラミンの含有量は見た目などでは判断できないため、小さいサイズだからといってそのまま食べるのは危険である。また、スーパーなどで「バイ貝」として売られている場合にも、地域によってはエゾバイ科に属するケースもあり、念のため、自宅での調理の際には必ず唾液腺を取り除くことが賢明だろう。刺し身用のバイ貝の中には唾液腺が付いたままのものもあるため、必ず確認してから食べるようにしよう。市販品での食中毒が気になる場合は、バイ貝を自分で下処理してから調理するとよい。

3. 下処理必須!バイ貝の毒の取り方

バイ貝(エゾバイ科)の唾液腺には毒があると紹介したが、正しく処理をすれば簡単に取り除くことができる。まずは貝殻から身を取り出す。大きいバイ貝の場合は殻を包丁の背などで割って取り出し、小さいバイ貝の場合は爪楊枝などを使って取り出すとよい。取り出した身のフタの部分を切り取り、フタの付いていた部分を下にしておく。中心を縦に切り開くと、中に2つの唾液腺があるのがわかるだろう。唾液腺は乳白色で小さな丸い形が特徴的。バイ貝の唾液腺は1つにつき2つ付いているので、忘れずに両方取り除こう。手で簡単に取れるが、身に残りやすいので取り除いたあとに水洗いするのがおすすめ。

バイ貝(エゾバイ科)の毒は加熱してもなくならない

バイ貝(エゾバイ科)の毒を摂取すると食中毒を起こす可能性があるが、テトラミンの毒度は熱に強いので加熱してもなくならない(※5)。そのため、煮付けや茹でて食べるときにも下処理が必要になるのだ。刺身など生で食べるときだけでなく、加熱して食べる際にも必ず取り除こう。また、殻ごと煮付けにしたいときは一度殻から身を取り、唾液腺を取り除いてから殻に戻すとよい。

結論

バイ属に属する「バイ貝」は無毒であるものの、エゾバイ科に属する「バイ貝」には毒があることがわかった。エゾバイ科の巻貝は「ツブ貝」と称されることが多いが、地域によっては「バイ貝」として売られることもあるので、念のため下処理を行い、唾液腺を取り除いてから調理するようにしよう。

(参考文献)
※1 参照:魚食普及推進センター 「魚をさばく! ツブ貝・バイ貝編 弱い毒にはちょっと注意しましょう。」
※2 参照:高知市 バイ貝による食中毒に注意!!
※3 参照:札幌市 テトラミン(ツブ貝)による食中毒
※4 参照:消費者庁 自然毒
※5 参照:いわき市 ツブ貝による食中毒にご用心!!
この記事もCheck!
インフォメーションマークアイコンオリひとを楽しむための注意事項はこちら
  • 公開日:

    2021年6月 7日

  • 更新日:

    2021年11月19日

この記事をシェアする      
  • Facebook
  • Twitter
  • Hatebu
  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

人気記事一覧

急上昇
週間

新着記事一覧新着記事一覧