1. いちじくは栄養豊富だけど食べ過ぎはNG?

いちじくに多く含まれる特徴的な栄養素にはまず「ペクチン」がある。ペクチンは食物繊維の仲間で腸の働きを活性化させることで便秘解消に効果が期待されている。また、消化酵素が含まれるため、食べ物の消化をサポートする働きもあるのがいちじくだ。二日酔いを予防する効果も期待され、ワインとの組み合わせは定番の食べ方となっている。
食物繊維の摂取はほかの食品とのバランスもあり、いちじくだけを食べ過ぎるのは避けておきたい。野菜やきのこ類など、ほかの食物繊維を多く含む食材と重ねてしまうと過剰摂取になる場合があるので気を付けよう。なお、水溶性食物繊維を摂り過ぎると、下痢や軟便を引き起こすことがある。「お腹がゆるい」と感じたら食べ過ぎのサインかもしれない。
いちじくは生の状態だと100gあたり57kcalとなっているが、干したいちじくのカロリーは100gあたり272kcalになる(※1)。これは食品中の水分が減り、重量で比べると栄養素が凝縮されているためだ。同じ量を食べるのであっても、生と干したものではかなりのカロリー差があるのでカロリーの摂り過ぎにも注意しよう。
2. アレルギー?いちじくを食べ過ぎて口や胃が痛い原因

いちじくに限らず、どんな食品にもアレルギーを引き起こす可能性はある。いちじくのような果物が原因で起こる口腔アレルギー症候群が近年増えており、食物アレルギーの特殊型として分類される。
症状としては原因となる野菜や果物を食べたときに口の中にかゆみや痛みを感じるようだ。実はこのアレルギーは花粉症と合併していることが多く、シラカバが原因で起こる花粉アレルギーにおいて高い発症率を示す。
北ヨーロッパの地域ではいちじくと同様にリンゴや桃、さくらんぼ、メロンなどの果物に対してのアレルギーが多く報告されている。
つまり、アレルギー体質であったり花粉症の症状を起こしやすい人は、いちじくによっても口腔アレルギーが起こりやすいので、注意しておく必要があるだろう。自分の体質を知っておけば防ぐことは可能だ。
アレルギーというと子ども時代に起こるものと考えがちだが、実は大人になってから突然発症する場合もある。いままで大丈夫だったからと安心して食べ過ぎると、突然アレルギー症状が起こる場合もあるので、リスクがあるということも知っておこう。(※2、3)
3. いちじくの食べ過ぎやアレルギー症状への対処法

いちじくを食べ過ぎることによって現れやすい症状として、お腹が緩くなることとアレルギーを挙げた。このような症状が起こることを知っておけば予防することは可能だが、併せて対処法も知っておこう。
まず、食べている間にお腹が痛くなってしまった場合はその時点で食べるのをやめよう。時間が経てば痛みはおさまるが、整腸剤などで対処することもできる。自分がどのくらいの量のいちじくを食べて腹痛が起こったかがわかれば、次に食べるときにはあらかじめ数を決めることができる。自分に合った量を知り、美味しく食べられるように調整しよう。
また、アレルギーの場合は本当にいちじくが原因で起こったどうかを知っておいたほうが安心だ。病院に行けばアレルギー検査をしてくれるので、症状が起きたときは受診してみよう。
食事療法の基本としては除去法しかないので、「いちじくを食べない」という対処しかできない。アレルギーが起こってすぐに症状が悪化するようであれば、すぐにでも受診をしたほうがよいだろう。また、加熱することによってアレルギーが出ない場合もある。症状が軽ければ試してみるのも一つの方法だ。
それぞれの食品に摂取上限量は決められていないが、いちじくは1個あたり100g弱の重さである。カロリー面から見ると、1個あたり50kcal程度なので多くても2個程度が望ましいだろう。
結論
いちじくは甘くてフレッシュな果物であるが、食べ過ぎると食物繊維の摂り過ぎでお腹が痛くなったり下痢を起こしたりする場合がある。また、シラカバの花粉症をもつ人はいちじくによって口腔アレルギーを起こすリスクが高い。自分の体質を知って食べる量や食べ方を決め、美味しく安全に食べられる量を知っておこう。
(参考文献)
(※1)文部科学省 食品成分データベース
いちじく(生)https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=7_07015_7
いちじく(乾)https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=7_07016_7
(※2)天神橋みやたけクリニック 果物アレルギー・野菜アレルギー
https://www.miyatake-clinic.com/allergie08/
(※3)小西統合医療内科 大人の食物アレルギーはなおる?
https://www.konishi-clinic.com/medical_information/archives/127
(※1)文部科学省 食品成分データベース
いちじく(生)https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=7_07015_7
いちじく(乾)https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=7_07016_7
(※2)天神橋みやたけクリニック 果物アレルギー・野菜アレルギー
https://www.miyatake-clinic.com/allergie08/
(※3)小西統合医療内科 大人の食物アレルギーはなおる?
https://www.konishi-clinic.com/medical_information/archives/127
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