1. 赤ずいきの栄養と効能

ずいきは大きく分けて3つの種類があり、それぞれ赤ずいき・白ずいき・青ずいきと呼ばれている。赤ずいきは抗酸化作用のあるアントシアニンを多く含み、眼精疲労に効果的とされている(※1)(※4)。また、食物繊維も多く含まれているため、腸の動きを活発にし便通をよくしてくれるほか、腸内環境を整えてくれる作用が期待できる(※2)。ほかにも、カリウムやカルシウムなどさまざまな栄養素が含まれている。酸素を活性化したり血液の生成に使われるマンガンが含まれているだけでなく、あっさりとした味わいなので夏バテで食欲がないときに食べるのもおすすめ(※3)。
乾燥ずいきの栄養
ずいきには皮をむいて乾燥させた乾燥ずいきもある。乾燥させている分、同じ重さで比べると乾燥ずいきのほうが栄養価が高くなるが、乾燥ずいきを水で戻した場合と比べると、ほとんど栄養は変わらないといってよいだろう。
白・青ずいきの栄養の違い
白ずいきは赤ずいきと同じ種類だが、日光を遮断して育てられているのが特徴。青ずいきはずいき専用のハスイモと呼ばれる品種の芋茎である。どちらも食物繊維を多く含むが、赤ずいきとは違ってアントシアニンを含まない。ほかの栄養素はほぼ同じと考えてよいだろう。
2. ずいきの酢の物の栄養

ずいきはアントシアニンや食物繊維など栄養価が豊富な野菜だが、料理によって栄養素が異なる。もちろん、ずいきだけでは栄養が不足してしまうため、ほかの食材と組み合わせて調理するのがおすすめだ。たとえばシンプルな酢の物であれば、ずいきや酢に含まれる栄養素しか摂取できないが、きゅうりを組み合わせるとビタミンCなども補える。また、煮物にするなら鶏肉をプラスすればたんぱく質を一緒に摂取できる。
ずいきを使った料理とおすすめの献立
酢の物や煮物は一品だけだとバランスのよい献立にはならない。酢の物や煮物は副菜になるため、主菜や主食をプラスする必要がある。たとえばごはんに鶏肉のソテー、ずいきの酢の物と野菜たっぷりの味噌汁を組み合わせるとバランスがよい。ずいきだけではたんぱく質も糖質も不足してしまうため、主菜は肉や魚を使ったものにするのがおすすめだ。また、ごはんやパンなどをプラスして、適量の糖質も摂取しよう。味噌汁に豆腐や油揚げなどのたんぱく質を加え、生野菜のサラダをプラスした献立もバランスがよいだろう。基本的にずいきには多くの栄養は含まれていないため、単品ではなく献立を考えながら上手に取り入れてみてほしい。
3. ずいきの皮の栄養

ずいきの皮はあく抜きの際にむくのが基本。皮をむいて酢水にさらし、下茹でをしてから調理する。しかし、たくさんのずいきを下処理していると、むいた皮がもったいないと感じることもあるだろう。そんなときは、皮ごと調理するのがおすすめだ。皮ごと食べる食べ方は少ないが、濃いめの味付けの佃煮やきんぴらにすると食べやすい。皮ごと食べる際はしっかりとアク抜きを行い、えぐみが残らないように注意するのがポイント。皮ごと酢水につけてから酢を加えたお湯で茹で、冷水にさらしてあく抜きをしてから調理してみよう。
皮に栄養はあるの?
野菜の多くは皮と実の間に栄養が多く含まれるといわれるが、赤ずいきの場合は皮の近くにアントシアニンを多く含んでいる。ずいきは皮をむいてから調理するのが一般的だが、ずいきに含まれる栄養を余すことなく摂取したいなら皮ごと食べてみよう。種類によっては皮ごと食べるとえぐみやクセが気になる場合もあるため、いろいろな食べ方を試してみるのもおすすめだ。
結論
ずいきはあまり食べたことがない人も多いと思うが、マンガンやアントシアニンなど不足しがちな栄養がたくさん含まれている。また、食物繊維も豊富なので、便秘がちな人にもおすすめの野菜といえるだろう。下処理にやや時間はかかるが、酢の物や煮物など手軽な料理として楽しめるのも魅力的。ぜひ、この機会に試してみてはいかがだろうか。
(参考文献)
※1 厚生労働省e-ヘルスネット「抗酸化物質」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-009.html
※2 厚生労働省e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
※3 日本成人病予防協会
健康管理情報 マンガン
https://www.japa.org/tips/kkj_0807/
※4 Visualization of the distribution of anthocyanin species in mice eyeball by matrix-assisted laser desorption/ionization mass spectrometry imaging|Rapid Commun Mass Spectrom. 2018 Mar 15;32(5):380-384. doi: 10.1002/rcm.8050.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29297598/
※1 厚生労働省e-ヘルスネット「抗酸化物質」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-009.html
※2 厚生労働省e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
※3 日本成人病予防協会
健康管理情報 マンガン
https://www.japa.org/tips/kkj_0807/
※4 Visualization of the distribution of anthocyanin species in mice eyeball by matrix-assisted laser desorption/ionization mass spectrometry imaging|Rapid Commun Mass Spectrom. 2018 Mar 15;32(5):380-384. doi: 10.1002/rcm.8050.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29297598/