1. きゅうりの下処理

切りたてのきゅうりを食べると、渋みが感じられることがある。これは、果皮付近にある維管束からしみ出す液にギ酸という成分が含まれるからだ。ギ酸による渋みを抑えるためには、細切り(千切り)にする前にアク抜きを行うとよい(※)。
アク抜きの主な方法は、次の2つである。渋みが気になる場合は、いずれかの方法で下処理を行おう。
ヘタと切り口をこすり合わせる方法
きゅうりのヘタを切り落とし、残った果実の切り口とヘタをこすり合わせるようにする。泡状のアクが出てきたら、水で洗い流そう。この方法でギ酸による苦みが軽減されたという実験結果も出ている(※)。
板ずり
板ずりの主な目的は表面のイボを取り除くことだが、渋みを軽減する効果もある。まな板の上にきゅうりを寝かせ、塩をふって転がすことで維管束が壊れるからだ。アクを含む液がにじみ出てきたら、水洗いすることで簡単にアクを軽減できる。ちなみに、板ずりには味のなじみがよくなる、発色が鮮やかになるなどの効果もある。
2. 簡単!きゅうりの細切り (千切り)

きゅうりを細切りにする手順を紹介する。細切りは、一般的に3~5mmほどの太さに切る切り方だ。千切りの場合は、さらに細い1~2mm幅程度に切る。細切りや千切りにする簡単な方法をマスターしよう。
きゅうりの細切りの手順・方法
- きゅうりのヘタを切り落とす
- 斜めに包丁を入れ、一定の幅で薄切りにする
- 薄切りにしたきゅうりをずらしながら重ねていく
- 端から一定の幅で細く切る
きゅうりの細切りのポイント
細切りの長さを調整したいときは、包丁を入れる角度を変えるとよい。長くしたい場合はきゅうりの繊維に対して平行に近い角度、短くしたい場合は垂直に近い角度で斜め薄切りにしよう。
また、薄切りにする前にきゅうりを縦半分に切ると、ぐらつきにくくなるため切りやすい。
また、薄切りにする前にきゅうりを縦半分に切ると、ぐらつきにくくなるため切りやすい。
3. きゅうりの細切り以外の切り方

きゅうりは切り方を変えることで、料理の見た目や食感、味のなじみ方に違いが出る。そこで、細切りや千切り以外の代表的な切り方もおさえておこう。
輪切り
きゅうりの繊維に対して、垂直にスライスする定番の切り方だ。薄切りの場合も厚切りの場合も、厚みを均一にすることで見栄えも味のなじみもよくなる。サラダ、和え物などに使いやすい。
斜め薄切り
きゅうりの繊維に対してやや斜めにスライスする切り方だ。細切りの手順にも含まれる。斜めに薄切りにすることで切り口の面積が広がり、食感もよりなめらかになる。サラダのほか、炒め物にも使われる。
乱切り
きゅうりの繊維に対して端から斜めに包丁を入れ、90度ずつきゅうりを回転させながら一口大に切っていく。細切りや薄切りに対して大きく切るため、きゅうりのコリコリとした食感を楽しめる。サラダや炒め物、漬物などに使われる。
拍子木切り
細切りよりも太い四角柱にする切り方だ。まずは繊維に対して直角に包丁を入れ、端から5cm幅程度に切る。次に繊維に対して平行に包丁を入れ、1cm幅にスライスする。スライスしたものを寝かせ、同様に1cm幅に切れば完成だ。和え物や炒め物、浅漬けなどに使いやすい。
蛇腹切り
まな板にヘタを切り落としたきゅうりを置き、繊維に平行するように割り箸で挟む。そのまま繊維に対して直角に包丁を入れ薄切りの要領で切ると、割り箸がストッパーとなりきゅうりが繋がった状態で切り込みが入っていく。端から端まで切り終えたら、裏返して同様に切り、指で開くと蛇腹状になる。
細かい切り込みを入れることで味がしみ込みやすくなり、酢の物などに最適だ。好みの長さに切って使おう。
4. きゅうりの選び方

鮮度のよいきゅうりを選ぶためには、次の2つのポイントをチェックするとよい。
- イボ:きゅうりの表面を触ったときに、チクッと痛みを感じるようなイボがあるもの
- 皮:みずみずしく、ハリがあるもの
ちなみに、きゅうりの形はまっすぐでも曲がっていても、通常の大きさなら鮮度や味、栄養価に大きな差はない。形ではなく、イボの有無や皮の状態を見て選ぼう。
5. きゅうりの保存方法

きゅうりは乾燥や低温に弱いため、水分が抜けて食感が落ちてしまうことを防ぐためにも、次の手順で保存しよう。
- きゅうりを新聞紙などに包む
- 新聞紙ごとポリ袋に入れる
- ヘタを上にして立てた状態で、冷蔵庫の野菜室で保存する
結論
きゅうりを細切りにする際は、斜め薄切りにしてから切っていくことで、皮の鮮やかな色も生かせる。細切りをさらに細く切れば千切りにもなる。細切りや斜め薄切りをはじめ、さまざまな切り方を覚えて料理に活用しよう。
(参考文献)
※国立研究開発法人科学技術振興機構「日本調理科学会誌Vol.41」No.6
堀江秀樹 玉木有子「キュウリの渋味要因と調理操作による低減」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience1995/41/6/41_378/_pdf/-char/ja
※国立研究開発法人科学技術振興機構「日本調理科学会誌Vol.41」No.6
堀江秀樹 玉木有子「キュウリの渋味要因と調理操作による低減」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience1995/41/6/41_378/_pdf/-char/ja
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