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きゅうりに栄養はある?ない?全部ギネス世界記録のせいだった!

きゅうりに栄養はある?ない?全部ギネス世界記録のせいだった!

投稿者:ライター 井澤佐知子(いざわさちこ)

監修者:管理栄養士 岩切千晃(いわきりちあき)

鉛筆アイコン 2021年10月 5日

日本の食卓で最も愛されている野菜のひとつがきゅうりである。独特の食感や瑞々しさはいつ食べても美味しく、旬となる夏以外にも食卓にのることが多い。一方で、きゅうりはギネスブックにおいて、ある記録を有している。その記録とは、「最もカロリーのが低い果実」であるという記録だ。このことから栄養価が低いというイメージも広がっている。実際にきゅうりは栄養に乏しい食材であるのか、詳細を紹介する。

  

1. きゅうりってどんな野菜?

きゅうり
ほぼ毎日といってよいほど口にすることが多いきゅうり。深く考える機会もないくらいだが、きゅうりとはどのような野菜なのだろうか。きゅうりの概要や旬について、簡単にみてみよう。

ほとんど水分?

きゅうりは、インドのヒマラヤ山脈を原産としたウリ科の野菜であり、日本では19世紀以降に栽培が普及した。温暖な気象でよく育つが、日本では旬の夏以外にも通年で収穫されている。日本大百科全書によれば、日本における果実類中トップの生産量を誇る。きゅうりの栄養成分をみると、可食部100g中95.4gは水分である(※1)。

旬と産地

日本のきゅうりは収穫時期によって2種に大別されており、冬春ものと夏秋ものが存在する。その瑞々しさからとくに夏に愛されている野菜であることはまちがいない。きゅうりは、低温や乾燥に弱いという性質があり、20~23℃で最もよく成長するとされている。日本におけるきゅうりの産地は、宮崎県、群馬県、埼玉県、福島県などである。

2. きゅうりの種類

庭で育てるきゅうり
スーパーや直売所で気軽に購入するきゅうりであるが、実はきゅうりには、さまざまな種類が存在する。きゅうりは種類によって味わいも異なるのだろうか。それぞれのきゅうりのタイプの形状や特徴をまとめてみよう。

白イボきゅうり

日本のきゅうり市場の大半を占めるのが、白イボきゅうりである。対照を成す品種としては、黒イボきゅうりが存在する。白イボきゅうりには、ブルームと呼ばれる白い粉が表面に現れるタイプと、それがないブルームレスタイプがある。現在はより日持ちする後者が過半数を占めている。

黒イボきゅうり

黒イボきゅうりは、イボが黒っぽく目立つのが特徴である。白イボきゅうりよりも早くに日本に到来したものの、風味が劣ることから生産量が低下したという経緯がある。皮が厚いため、加熱する料理に向くタイプとされている。現在は、九州や四国でわずかに栽培されているのみである。

加賀太きゅうり

加賀太きゅうりは、その名の通り金沢市を中心に栽培されている太めのきゅうりである。長さは25cm前後、直径は7cmほどにもなり、重さは600gほどの大きさを誇る。1936年に誕生した加賀太きゅうりは、1952年に現在の形に完成した。風味のよさが特徴で、日持ちにも優れている。

大和三尺

大和三尺きゅうりは、奈良漬用として奈良県で栽培されている品種である。長さが90cm以上にもなる同品種は、明治時代の終わり頃に交配種によって誕生した。皮は柔らかく、歯ごたえがよいきゅうりである。

四葉きゅうり

四葉きゅうりは、株に4枚の葉がついた頃に実をつけることから、この名が与えられている。1944年頃に韓国から伝わった品種を起源としており、表面に目立つしわやイボが最大の特徴である。皮は薄く味が濃いため、漬け物にも向く品種である。歯ごたえのよさから加熱料理に使用されることも多い。

四川きゅうり

四川きゅうりは、現在は栽培が少なくなったブルームきゅうりである。白いブルームとボコボコしたイボが目につくタイプであるが、種が小さく実の部分は濃厚な味わいである。生で食べるほか、漬物やキムチにしても食感を楽しめるきゅうりである。

イボなしきゅうり

イボなしきゅうりは、読んで字のごとくイボがないきゅうりである。イボがあるキュウリは雑菌が繁殖しやすいというデメリットがあり、カット加工をして販売するのには不向きであることから開発された品種である。イボがなく皮が柔らかいために、収穫後に常温放置するとしなびたようになるという欠点もあるが、適温であれば日持ちもよいことが報告されている。

3. きゅうりの栄養

キュウリ
みずみずしさが魅力のきゅうりであるが、栄養学的に見ると価値ある食材とはいえないという説もある。そのイメージが生まれたのは、実はきゅうりにまつわるあるエピソードが原因となっている。その内容を紹介しよう。

きゅうりに栄養がないってホント?

きゅうりには栄養がないというイメージは、実はきゅうりがもつあるギネス記録が原因となって生まれたものである。ギネスブックにおいてきゅうりは「Least calorific fruit」と定義されている。つまり、この世に存在する果実の中では最もカロリーが低い食材という意味である。実際、文部科学省の食品成分データベースを参考にすると、きゅうり100gあたりのカロリーはわずかに13kcalである(※1)。しかし、低カロリーであることと栄養がないこととは一致しない。きゅうりには、以下の項で述べる栄養素がしっかりと含まれているのである。

4. きゅうりの栄養成分

きゅうり
我々の食卓にのる頻度が非常に高いきゅうりには、実際にどのような栄養が含まれているのだろうか。はたしてその栄養価は高いのだろうか。きゅうりが含有する栄養には、どんな効能があるのかも含めて紹介する。

きゅうりの三大栄養素

文部科学省の食品成分データベースを参照に、まずはきゅうりが有する三大栄養素の具体的な栄養価を見てみよう(※1)。栄養別にみると、以下のようになる。なお、糖質は収録されていないため「炭水化物-食物繊維」で算出している。
  • たんぱく質:1.0g
  • 脂質:0.1g
  • 炭水化物:3.0g (糖質:1.9g) (食物繊維:1.1g)

カリウム

きゅうりは100gあたり200mgのカリウムを栄養価として含んでおり(※1)、これはレタスやキャベツなどとほぼ同量である。カリウムは人体に不可欠のミネラルのひとつであり、筋肉や神経の働きを調整する役割も果たしている栄養成分である。また、ナトリウムを体外に排出する働きがあるため、塩分摂取過多の傾向がある現代人にとっては有益な栄養といえる(※2)。

ビタミンK

きゅうりは100gあたり34μgのビタミンKを栄養価として含んでいる(※1)。ビタミンKは脂溶性であり、血液凝固を促進する栄養成分でもある。現代においてビタミンKの欠乏症状が現れることはまれといわれているが、不足した場合には肝臓等に不具合を生じる可能性もある(※3)。

ビタミンC

きゅうりは100gあたりに含有するビタミンCの栄養価は、14mgである(※1)。美容と健康に不可欠とされるビタミンCは、皮膚や細胞のコラーゲンの生成に深く関与する栄養成分である。また、鉄分の吸収もビタミンCなくしては語れない。免疫機能の正常な働きにも、ビタミンCは一助となっているのである(※4)。

シトルリン

あまり耳にすることがない栄養成分シトルリンとは、アミノ酸の一種である。きゅうりをはじめとするウリ科の植物に多く含まれており、きゅうり100gあたり5.0~9.6mgの栄養価が認められている(※5)。シトルリンは尿素を生成する中間体として非常に重要な役割を果たすことが、20世紀初頭に明らかになった。近年の研究でも、血流の改善のために役立つことが報告されている(※5)。

フィセチン

フィセチンとは、フラボノール類の一種とされる栄養成分である(※6)。きゅうりにも含まれているとされるフィセチンは、まだ研究途上にある栄養成分である。きゅうりが有する栄養価等、不明な点も多いが細胞の負担の軽減や記憶力の向上などの働きが推測されている(※7)。

5. きゅうりの栄養を効果的に取る方法

きゅうり
美味しいだけではなく、きゅうりは率先して摂取すべき栄養素をたくさん有していることがわかっただろう。それでは、きゅうりが含有する栄養素を効果的に取り入れるには、どんなコツがあるのだろうか。調理法や扱い方を見てみよう。

加熱せずに生で食べる

ビタミンCをはじめとするきゅうりに含まれる栄養は、加熱によって破壊される可能性もある。そのため、火は通さずに生で食べるのが栄養を効果的に摂取するコツとなるのである。そもそもきゅうりは生で食べてこその食感が堪能できる食材であるため、美味しく食べてなおかつ栄養も効率よく摂取できる。

水にさらさない

きゅうりに豊富に含まれるビタミンCとカリウムは、水溶性である。水に溶けてしまうこれらの栄養を破壊しないためには、水にさらさずに食べるのがベターである。サラダなどにして味付けに工夫をし、効果的に栄養を取り入れるようにしよう。

結論

きゅうりは水分が多く、カロリーはギネスブックに記録されるほど低い野菜である。食卓への登場頻度が最も高い野菜であると同時に、きゅうりは人体に有益な栄養も豊富に保有している。各地で栽培されるさまざまな種類のきゅうりの食感も楽しみつつ、ぜひ効率的にきゅうりを食べてその栄養も取り入れてほしい。
(参考文献)
1.文部科学省「食品成分データベース(野菜類/きゅうり/果実/生)
2.厚生労働省「e-ヘルスネット カリウム」
3.厚生労働省「ビタミンK」
4.厚生労働省「ビタミンC」
5.シトルリン研究会「L-シトルリンの機能性と食品への応用」
6.森北出版「デジタル化学辞典(フィセチン)」
7.ScienceDaily「Natural product found to reduce the level of damaged cells in the body, caused by aging」
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  • 更新日:

    2021年10月 5日

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