目次
- ※1出典:国立国会図書館「レファレンス事例詳細」 https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000044130
- ※2出典:九州大学附属図書館「美味しいお魚を食べよう! ?魚食の文化と科学?: 青...?白...?赤...?」 https://guides.lib.kyushu-u.ac.jp/c.php?g=941839&p=6819059
- ※3出典:国立感染症研究所感染症情報センター「アニサキスとじんま疹」 http://idsc.nih.go.jp/iasr/25/291/dj2914.html
- ※4出典:消費者庁「ヒスタミン食中毒」 https://www.caa.go.jp/
1. 青魚の種類一覧

一般的には、背が青い魚が青魚と総称される。代表的な青魚にはどのようなものがあるか、一覧で紹介しよう。
代表的な青魚
サンマ科
・サンマ:体長35cm程度の細長い魚で、身が柔らかく脂乗りがよい。刺身や塩焼きに向く
サバ科
・マサバ:体長50cm程度で、皮付近の脂乗りがよい。酢締めや塩焼き、味噌煮に向く
・サワラ:体長1m程度と大きく、淡泊で甘みがあり柔らかい。刺身や西京焼きに向く
・カツオ:体長1m以上の大型魚で、血合いが多い。刺身やタタキでよく食べられる
・クロマグロ:体長3m以上の大型魚で、本マグロともいう。主に刺身で食べられる
・メバチマグロ:体長2m程度で、クロマグロよりさっぱりとしている。刺身に向く
アジ科
・マアジ:体長30cm程度で、脂乗りがよくさっぱりとした味わい。刺身やフライに向く
・ブリ:体長1mを超える大型魚で、身が赤く脂乗りがよい。刺身や煮魚、焼魚に向く
・カンパチ:大きなものでは1.8m以上もある。風味や食べ方はブリに似ている
・ヒラマサ:見た目も味もブリと似ているが、ブリと異なり夏が旬の魚
ニシン科
・ニシン:体長30cmほどの青魚で、卵は数の子。焼魚やニシン蕎麦(甘露煮)で食べる
・マイワシ:体長20cmほどで血合いが多い。刺身や煮魚のほか、小魚は煮干しにもなる
・キビナゴ:10cmほどの小さな魚で、骨ごと食べられる。煮魚や揚げ物が美味しい
・コノシロ(コハダ):体長30cmで背の黒い水玉が特徴。江戸前寿司のネタとして有名
タチウオ科
・タチウオ:体長1.5m以上の細長い海蛇のような魚。クセがなく、刺身でも加熱しても美味しい
トビウオ科
・トビウオ:35cm程度の細長い魚で、胸びれが大きい。クセがなく、刺身にも加熱調理にも向く
サヨリ科
・サヨリ:30cm程度の細長い魚で、長い口が特徴。加熱すると風味のよさが引き立つ
2. 青魚の種類と特徴

青魚とは、背が青い魚の通称だが、見た目により判別されるため定義は曖昧だ。一般的に、魚は身の色から赤身の魚、白身の魚の2種類に分けられ、青魚は赤身の魚に含まれる。では、赤身の魚と白身の魚、さらに青魚はどのように分類されているのだろうか。青魚の特徴とともに詳しく見ていこう。
分類の仕方
青魚は、背が青い魚だが赤身の魚に分類される。赤身と白身の分類に関しては、魚の筋肉に含まれるミオグロビン(色素タンパク)の量により決められている。ミオグロビン含有量は、運動量の多い回遊魚ほど多く、逆にあまり動かない魚は少ない。(※1、2)
それぞれの魚の特徴は下記の通りだ。
赤身魚
運動量の多い回遊魚で、筋肉が活動するために酸素を使いエネルギーを合成する。ミオグロビンには鉄イオンが含まれ、ヘモグロビンにより運ばれてきた酸素を吸着する。運動量が多い魚は筋肉に多くの酸素を必要とするため、ミオグロビン量が多くなり、赤みも強くなるのだ。(※1、2)
青魚
赤身魚のうち、背の青い魚が青魚とされる。マグロやカツオは一般的には青魚とは呼ばれないが、サバ科の魚のため分類上は青魚に含まれる。
白身魚
ミオグロビンの少ない普通筋の比率が大きいのが特徴だ。補食の際は俊敏だが、普段は一か所にとどまる生態のため、エネルギー消費量が少ない。そのため酸素の必要量も少なく、ミオグロビン量が少なくなる。代表的な白身魚は、タイ、カレイ、ヒラメ、サケ、フグなどである。(※1、2)
3. 青魚とアレルギーの種類

青魚を食べる際に注意が必要なのが、アレルギーである。サバなどの青魚を食べるとアレルギー症状が出てしまう人もいるからだ。では、青魚によるアレルギーにはどのような種類があるのだろうか。
3種類のアレルギー反応
青魚を食べるとじんましんなどの症状が出る場合、必ずしも青魚そのものが原因とは限らない。魚を食べたときに出るアレルギー反応には、下記の3種類の原因が考えられる。
魚肉によるアレルギー
魚肉そのものがアレルギー源となり、魚肉を食べるとアレルギー反応が出る。(※3)
アニサキス症
魚肉に付着しているアニサキスという虫によるアレルギー。魚肉自体がアレルギー源ではないため、アニサキスがいなければ反応しない。(※3)
ヒスタミン食中毒
青魚(赤身魚)に含まれるヒスチジンというアミノ酸から生成されたヒスタミンが原因である。ヒスタミンは、細菌の酵素の働きにより生成される。青魚を常温で放置した場合などに菌が増殖すると、生成されやすいため注意が必要だ。(※4)
ヒスタミン中毒の症状
青魚アレルギーやアニサキス症の場合、呼吸困難などを伴う強い症状(アナフィラキシー)が起こるケースもある(※3)。
ヒスタミン中毒の場合、重症化することは少ない。主な症状は、じんましんのほか顔面(口の周り、耳たぶなど)の紅潮、頭痛、発熱などである。強い症状の場合は受診し、抗ヒスタミン剤を処方してもらうとよい。予防にはヒスタミンの生成をおさえることが効果的なため、魚を常温で放置することは避けよう。調理の直前まで冷蔵庫に入れておくなど、適切に扱うことが大切だ。(※4)
結論
青魚は赤身魚に分類される魚で、背が青いのが特徴である。サンマやサバのほかにも、アジ科やニシン科などさまざまな種類の青魚が食べられている。同じ青魚でも種類によって特徴が異なるため、食べ比べてみるのもよいだろう。アレルギーに関しては、青魚そのものが原因の場合もあるが、アニサキスやヒスタミンが原因の場合は防ぐことも可能だ。消費期限を守る、常温で放置しないなど、適切な管理のもと青魚を美味しく食べよう。
(参考文献)