目次
- サンマ:体長35cm程度の細長い魚。身が柔らかく脂のりがよい。刺身や塩焼き向き
- マサバ:体長50cm程度で皮付近の脂のりがよい。酢締めや塩焼き、味噌煮向き
- サワラ:体長1m程度と大きく淡泊で甘みがあり柔らかい。刺身や西京焼き向き
- カツオ:体長1m以上の大型魚で血合いが多い。刺身やタタキでよく食べられる
- クロマグロ:体長3m以上の大型魚で本マグロともいう。主に刺身で食べられる
- メバチマグロ:体長2m程度でクロマグロよりさっぱりしている。刺身向き
- マアジ:体長30cm程度で脂のりがよくさっぱりした味わい。刺身やフライ向き
- ブリ:体長1mを超える大型魚で身が赤く脂のりがよい。刺身や煮魚、焼魚向き
- カンパチ:大きなものでは1.8m以上になる。風味や食べ方はブリに似ている
- ヒラマサ:見た目も味もブリに似ているが、ブリと異なり夏が旬の魚
- ニシン:体長30cmほどの青魚で卵は数の子。焼魚やニシン蕎麦(甘露煮)で食べる
- マイワシ:体長20cmほどで血合いが多い。刺身や煮魚のほか小魚は煮干しにもなる
- キビナゴ:10cmほどの小さな魚で骨ごと食べられる。煮魚や揚げ物が美味しい
- コノシロ(コハダ):体長30cmで背の黒い水玉が特徴。江戸前寿司のネタとして有名
- タチウオ:体長1.5m以上の細長い海蛇のような魚。クセがなく刺身でも加熱しても美味
- トビウオ:35cm程度の細長い魚で胸びれが大きい。クセがなく刺身も加熱調理美味しい
- サヨリ:30cm程度の細長い魚で長い口が特徴。加熱すると風味のよさが引き立つ
- ※出典:国立国会図書館「レファレンス事例詳細」 https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000044130
- ※出典:九州大学附属図書館「美味しいお魚を食べよう! ?魚食の文化と科学?: 青...?白...?赤...?」 https://guides.lib.kyushu-u.ac.jp/c.php?g=941839&p=6819059
- ※出典:国立感染症研究所感染症情報センター「アニサキスとじんま疹」 http://idsc.nih.go.jp/iasr/25/291/dj2914.html
- ※出典:消費者庁「ヒスタミン食中毒」 https://www.caa.go.jp/
1. 青魚の種類と特徴一覧

一般的には、背が青い魚が青魚と総称される。代表的な青魚にはどのようなものがあるか、一覧で紹介しよう。
サンマ科
サバ科
アジ科
ニシン科
タチウオ科
トビウオ科
サヨリ科
2. そもそも青魚とは?「赤身魚」に分類されるワケ

さて、上述した青魚の種類の中には、「これも青魚?」と思うような魚もあっただろう。いったい何を以て「青魚」と呼ばれるのだろうか。
青魚とは「背が青い魚の通称」である
青魚とは背が青い魚の通称だ。しかし見た目で判別されるため、定義は曖昧なところがある。一般的に魚は身の色から「赤身魚」「白身魚」の2種類に分けられるが、青魚は「赤身魚」に含まれる。「赤身魚」「白身魚」さらに「青魚」はどのように分類されているのか。青魚の特徴とともに詳しく見ていこう。
分類の仕方
「青」と名が付くものの、青魚は「赤身魚」に分類されている。では「赤身」と「白身」の分類基準は何かというと、筋肉に含まれる「ミオグロビン(色素たんぱく)」の量である。ミオグロビン含有量は運動量が多い回遊魚ほど多く、あまり動かない魚ほど少ない。
赤身魚の特徴
回遊魚は筋肉を動かすために、酸素からエネルギーを合成する。筋肉に含まれるミオグロビンには鉄イオンが含まれており、ヘモグロビンにより運ばれてきた酸素と結合する。運動量が多い魚は筋肉に多くの酸素を必要とするため、ミオグロビン量も増えて赤みが強くなる。
青魚の特徴
「赤身魚」のうち、背が青色をしているのが「青魚」だ。ただし、マグロやカツオは一般的に青魚とは呼ばれないが、サバ科の魚のため分類上「青魚」に含まれる。
白身魚の特徴
白身魚はミオグロビンが少なく、普通筋の比率が大きい。補食は俊敏だが普段は一箇所にとどまる生態のためエネルギー消費量そのものが少ない。そのため酸素の必要量も少なく、おのずとミオグロビン量も少なくなる。代表的な白身魚はタイ、カレイ、ヒラメ、サケ、フグなど。
【白身魚の種類一覧はこちら】
3. 青魚とアレルギーの種類

青魚を食べる際に注意したいのがアレルギーである。サバなどの青魚を食べるとアレルギー症状が出るという方もいる。青魚がもたらすアレルギーの種類と症状を見ていこう。
青魚によるアレルギー反応は主に3種類
青魚を食べるとじんましんなどの症状が出る場合、必ずしも青魚そのものが原因とは限らない。魚を食べたときに出るアレルギー反応には、以下3種類の原因が考えられる。
魚肉によるアレルギー
魚肉そのものがアレルギー源となり、魚肉を食べるとアレルギー反応が出ることがある。
アニサキス症
魚肉に寄生しているアニサキスによるアレルギーは有名だ。魚肉自体がアレルギー源ではないため、アニサキスがいなければ反応しない。
【アニサキスの見つけ方・駆除方法はこちら】
ヒスタミン食中毒
ヒスタミンは、青魚(赤身魚)に含まれるヒスチジンというアミノ酸から生成される。青魚を常温で放置した場合などはとくに、菌が増殖して生成されやすいため注意が必要だ。
ヒスタミン中毒の症状
青魚によるアレルギー、またアニサキス症の場合などは、呼吸困難をともなう強い症状(アナフィラキシー)が起こることも。しかしヒスタミン中毒の場合、重症化することは少ない。主な症状は、じんましんのほか顔面(口の周り、耳たぶなど)の紅潮、頭痛、発熱などである。
強い症状の場合は受診し、抗ヒスタミン剤を処方してもらうとよいだろう。ヒスタミンの生成を抑えることが予防になるため、魚を常温で放置することは避けたい。調理直前まで冷蔵庫に入れておくなど、適切に扱うことが大切だ。
4. 青魚に含まれる栄養の種類

最後に、青魚に含まれている主な栄養の種類と、期待できる効果についてもお伝えしておこう。
EPAとDHA
EPAとDHAはいずれも、必須脂肪酸のひとつで「n-3系脂肪酸(またはオメガ3系)」と呼ばれている。EPAには血液をサラサラにする効果が、DHAには中性脂肪やコレステロールを抑える効果が期待されている。人体では合成できない栄養素ゆえ、食事から摂取する必要がある。サプリメントが手軽だ。
【EPAとDHAの効果はこちら】
アンセリン
魚肉に多く含まれる栄養素で、抗酸化作用などが期待されている。とりわけ回遊魚である青魚は筋肉量も多く、すなわちアンセリン含有量も多い。
タウリン
コレステロールや中性脂肪を減らす効果が期待できるのがタウリン。 血圧を正常に保つほか、肝臓が持つ解毒能力も強化できるとされている。水溶性のため、煮たり茹でたりした場合は汁ごといただくのがおすすめだ。
分岐鎖アミノ酸
「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」という3種類のアミノ酸を分岐鎖アミノ酸という。人体では生成できない必須アミノ酸ゆえ、食事で摂取する必要がある。持久力アップや筋肉痛の軽減といった効果が期待されている栄養素だ。
結論
青魚は赤身魚のひとつ。サンマやサバのほか、アジ科やニシン科などさまざまな種類の青魚が食べられている。同じ青魚でも種類で特徴が異なるため、食べ比べてもよいだろう。アレルギーに関しては、青魚そのものが原因の場合もあるが、アニサキスやヒスタミンが原因の場合は予防できる。消費期限を守る、常温で放置しないなど適切な管理のもと美味しく食べよう。
(参考文献)