- 1. ガジュマルの増やし方は「挿し木」がおすすめ
- 2. ガジュマルの剪定時期と剪定方法
- 3. 剪定したガジュマルを挿し木で増やす方法
- 4. ガジュマルの挿し木に失敗しないためのコツ
- 5. 挿し木で育てたガジュマルの気根を太くする方法
- 6. ガジュマルを水耕栽培(水挿し)で増やす方法もある
- 7. 剪定したガジュマルを挿し木で増やそう
- 母株のガジュマル
- ハサミ
- ポリポットなどの挿し木用の鉢
- 挿し木専用の土
- 鉢底石
- 鉢底ネット
- 細い棒(割り箸など)
- 水を入れる容器
- 剪定した枝を切り口が斜めになるようにカットする
- 先端の2〜3枚を除いて葉を取り除く
- 残った葉が大きい場合は半分にカットして挿し穂にする
- ガジュマルの枝から出てくる樹液などを洗い流す
- 容器を用意して水を溜め、切り口を数時間つけておく
- 挿し木用の鉢に鉢底ネットをかぶせて鉢底石を敷く
- 8割程度まで土を入れて水で湿らせる
- 数時間経ったら挿し穂を取り出し、土の中心に穴を開けて挿す
- 水やりをしながら様子観察し、新しい芽が生えてきたら成功
- 適期におこなうこと
- 発根促進剤を塗ること
- いきなり日なたに移さないこと
- 乾燥させすぎないこと
- 肥料が入っていない土を使うこと
- 用土が十分に水分を含んでいること
- 気温25℃以上、湿度80%以上
- ガジュマルの実を水に入れて潰したら1日ほど浸す
- 水を交換しながら、ゴミが浮かんでこなくなるまで繰り返し洗って種を取り出す
- 乾燥している種を使用する場合は、潰す半日ほど前から水に入れておく
- 赤土の上に種をのせたら土を被せない状態で管理する
- 温度を25度前後に保ち、小まめに水やりをして土が湿った状態にしておく
- 14〜30日ほどで発芽する
- 温度管理が難しいときはラップやビニール袋で保温する
1. ガジュマルの増やし方は「挿し木」がおすすめ
「株分け」「取り木」「接ぎ木」「種」など植物の増やし方はさまざまだ。挿し木はそのうちの1つで、植物の一部(枝・根・葉)を切り取った「挿し穂」を土に挿して発根させる。ガジュマルはこの挿し木で増やすのがおすすめだ。
挿し木なら初心者も失敗しにくい
ガジュマルを増やす方法は挿し木か種の2つだ。大きく育ったガジュマルは春に花が入った実を付けることがあり、この実が結べば種が手に入る。だが結実には沖縄や東南アジアに生息するイチジクコバチという虫が必要になる。
このため日本では沖縄を除き種の入手が難しく、ガジュマルを増やす方法として一般的に挿し木が選ばれる。挿し木は比較的簡単な方法であることから、初心者でも失敗しにくいメリットがある。
2. ガジュマルの剪定時期と剪定方法
ガジュマルを挿し木で増やすには剪定する必要がある。適期や正しいやり方を知っておくことが大切だ。
そもそも剪定とは
花木や庭木の枝を切ることを剪定という。風通しをよくする、形を整えるといった目的があり、病害虫予防や成長促進にもつながるなど生育に欠かせない作業だ。
剪定の適期
ガジュマルの剪定は、植え替えと同じ4〜6月頃が適期とされている。やり方は後述するが、もし丸坊主にするなら気温が安定し始める5月頭頃を目安にしよう。
剪定に必要な道具
剪定に欠かせないのが切れ味のよい剪定バサミやナイフだ。またガジュマルの樹液に触れるとかぶれることがあるので、園芸用手袋などを装着して作業にあたろう。
剪定のやり方
枯れている枝や重なり合っている枝は根本から切り、そのほかの枝は長さを揃えるように切る。真っ直ぐ上に伸びる「徒長枝(シュート)」と、幹の根本から出る若芽「ひこばえ」も剪定しておこう。
完成したガジュマルをイメージして剪定すれば失敗しにくい。葉や枝が伸びたときにいい具合になるよう、少しだけ短めに切るのがポイントだ。
丸坊主に剪定するのもアリ
日光が足りていないガジュマルは細く長い枝ばかりになる。葉や枝をすべて剪定して丸坊主にすれば、幹に栄養が届き成長が促進され太く力強い枝が生えてくるので覚えておこう。
丸く膨れた幹以外の枝葉はすべて剪定して丸坊主にすればOKだ。新芽が生えてきたら日当たりのよい場所で管理しよう。
3. 剪定したガジュマルを挿し木で増やす方法
ガジュマルを剪定したあとは挿し木をして増やそう。時期や使う道具、挿し木のやり方とコツなどを以下にまとめた。
挿し木の適期
ガジュマルを挿し木で増やす時期は5〜7月くらいがよいとされている。ちょうどガジュマルの生育期間なので、母株へのダメージが少なく発根もしやすいためだ。
ガジュマルの挿し木に必要なもの
挿し木のやり方
発根したあとは生長が早いので、挿し穂は1つの鉢に1つずつが基本になる。
挿し木をしたガジュマルの育て方
上述のように挿し木をしたあとは直射日光が当たらない明るい場所で管理する。水やりは土が乾燥しない程度が目安だ。発根して新芽が出てきたあとは、大きめの鉢に植え替えよう。
その鉢に鉢底ネットをかぶせたら、鉢底石と観葉植物用の培養土を入れる。あとはガジュマルの苗を植え替えてたっぷり水やりをしよう。
4. ガジュマルの挿し木に失敗しないためのコツ
初心者でも失敗しづらい増やし方ではあるが、そうはいっても注意したほうがよいポイントはいくつかある。たとえば以下のような点には気をつけよう。
それぞれ詳しく解説する。
適期におこなうこと
ガジュマルの挿し木を成功させるには適切な時期を選ぶことが重要だ。秋や冬は休眠期に入り根をはらなくなるため、挿し木には向いていない。生長期に当たる5〜7月を目安にしよう。
発根促進剤を塗ること
ガジュマルは生命力が強いため「必須」ではないが、成功率を上げるためにも発根促進剤を塗っておくとよい。切り口に塗ることで光合成が促進され、水や栄養をしっかり吸収してくれる。結果として根が生えやすくなるというわけだ。
いきなり日なたに移さないこと
挿し木をしたあと、いきなり日なたに移してしまうとダメージを受ける。このため、挿し木をした直後は直射日光が当たらない日当たりのよいので管理するのが基本だ。その後は、当たる日光の量が少しずつ増えるよう1週間ずつ場所を移動させながら管理しよう。
乾燥させすぎないこと
挿し穂は根っこがないため水分を失いやすい。発根までの2〜3週間は乾燥させすぎないことが大切だ。土が乾いたら湿らせる程度に水やりをすると同時に、葉水も与えておこう。発根したあとは通常通り、土が乾いてからたっぷり水やりをする管理方法に戻そう。
肥料が入っていない土を使うこと
肥料が入った培養土を使うと、挿し穂の切り口が腐るおそれがあるため注意が必要だ。挿し木をする場合は、肥料が入っていない新品の土を使おう。
5. 挿し木で育てたガジュマルの気根を太くする方法
気根とは、幹や茎から生えてくる根のことだ。ガジュマルの特徴ともいえる気根は条件を整えれば増やせる。
気根を増やすのに適した環境
今回は挿し木で育てるが、ガジュマルは本来南国で自生する植物のため、気根を増やすには十分な暖かさと湿度が必要となる。気根を増やす場合は上記の条件をクリアした環境を用意しよう。
気根を太くしたければ挿し木ではなく種から育てるのがおすすめ
気根は挿し木で増やしたガジュマルにも生えるが、その気根を太くするのは難しいといわれている。盆栽のように太い気根のガジュマルに育てたければ、挿し木ではなく種から育てよう。
種は気根を育てたい方向けの購入サイトなどから入手できる。ただし種から育てる場合は大きくなるまで10年以上かかる点も覚えておこう。手軽に育てるならやはり挿し木がおすすめだ。
【ガジュマルの種まきのやり方】
【種まきのコツと注意点】
実には発芽を阻害する物質が含まれているので、しっかり洗うことが重要だ。また発芽には光が必要なので土をかぶせてはいけない点も覚えておこう。
なお鉢の上から水をかけると種が土に埋もれるので、霧吹きを使うか腰水で水やりをするのがよいだろう。腰水とは鉢を水をためた容器の中に置いて、底から吸水させる方法だ。
6. ガジュマルを水耕栽培(水挿し)で増やす方法もある
ガジュマルは、土を使わない「水挿し」でも増やせる。せっかくなので基本的なところとやり方を解説しよう。
水挿しとは?
水を使った植物の増やし方だ。挿し木と違い土や鉢を用意する必要がない。挿し穂を水に入れておくだけの簡単な増やし方なので初心者にもおすすめだ。
ガジュマルを水挿しで増やす方法
挿し木のときと同様に挿し穂を用意し、枝から出る樹液は洗い流しておく。容器に水を溜めて挿し穂を入れたら、日なたや直射日光を避けて明るい場所に置く。容器内の水が日光で温まるのを避けるためだ。水を替えながら発根を待ち、発根したら土に植え替えて完了となる。
水に挿し穂を入れたら2日に1回は忘れずに容器の水を替えよう。発根までや1週間から1カ月ほどが目安だ。
7. 剪定したガジュマルを挿し木で増やそう
ガジュマルは挿し木で手軽に増やせる。まずは剪定で邪魔な枝をカットしたり長さを揃えたりすることで、キレイに仕上がるはずだ。枝が細ければ丸坊主にするのも選択肢のひとつである。
剪定した枝から挿し穂を作ったら、切り口を水につけておこう。あとは用意した鉢に挿し穂を挿すだけだ。適度に水やりをしながら様子観察し、発芽したら大きな鉢に植え替える。少しずつ日の当たる量を増やしていこう。
結論
ガジュマルの挿し木は初心者にも手軽にできる。本稿でお伝えしてきた必要なものや適期、やり方をぜひ参考に増やしていただきたい。水挿しでも増やせるので併せて知っておくとよいだろう。また挿し木や水挿しのあとの管理方法・育て方も大切だ。気根を増やしたり大きく成長させたりする方法も解説したのでぜひ、ガジュマルを育てるときに役立てていただきたい。
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