読書にはこんな効果があった！研究データを用いて読書の効果を解説

読書は、子どもにもたくさんのよい効果を与える。そのため、教育の場面で読書が取り入れられることは多い。まずは、読書が子どもに与える効果をみていこう。

子どもが本を読むと集中力が養われる。集中力のある子どもは勉強の場面でも、集中して学習に取り組める。読書をたくさんする子どもに学力が高い子が多いのはそのためだ。本には、子どもには意味が分からない文章が多く、前後を読んで推測する力が勉強時にも役立つ。また、子どものときに身に付けた集中力は、大人になってからの粘り強さなどの忍耐力にも繋がる。

本は想像力を働かせながら読む必要がある。登場する人物の気持ちを考えたり、共感したりして読み進めるため、理解する力が自然に身に付く。また、気持ちを理解できるということは、感情移入もできるようになり読解力が上がる。

読書には、新しい言葉を覚えたり、正しい言葉遣いができるようになったりと、子どもの言語能力を鍛える効果がある。多くの単語や漢字に触れることで、語彙力も蓄積され、新しい知識や考え方にも出会えるからだ。読書を習慣化することで、相手の言葉や物事の意味を正確に理解する能力が養われる。

読書をすることによって得られる効果はたくさんある。ここからは、その効果を1つずつ解説していく。

読書が与える効果の1つ目は、ストレス軽減である。読書によるストレス軽減効果は科学的に認められている。読書によって、心が穏やかになった経験は誰しもあるだろう。2009年に英サセックス大学が発表した研究によると、筋肉や心拍数の緊張状態からストレス値を測った結果、ストレスが68％も減少することが分かった。これは、映画鑑賞やコーヒーなどのストレス軽減値を上回るものだ。コーヒーを飲みながらの読書がストレス解消に非常に効果的だろう。

読書が与える効果の2つ目は、脳機能の強化だ。読書をすることで、脳の言語能力を処理する部分の活性化に効果があるという研究結果が出ている。また、アメリカの臨床心理士サブリナ・ロマノフは、読書によって脳内に新たなニューロンが作られると言う。ニューロンとは、脳内の情報を伝達する神経細胞のことだ。このニューロンが増えることによる効果は、脳が強化され、集中力や記憶力が向上する。

読書が与える効果の3つ目は、創造性・思考力の向上である。特定のジャンルだけではなく、幅広く読書することが効果的だ。脳生理学者の酒井邦嘉氏の研究によると、読書によって、脳がいつもとは違う動きをすることで、創造力を鍛える効果があるそうだ。創造力が付けば、文章を読んで心情や情景を膨らませたり考えたりする力が身に付く。創造力とは、何かを新しく作り出すクリエイティブな要素だけではなく、普段の仕事や学習、生活の中で起こるあらゆる問題を解決する能力のことである。それは、物事を自分の頭で考える力とも言える。

読書が与える効果の4つ目は、メタ認知の向上だ。メタ認知とは、自分の行動を客観的にとらえ、自らを記憶、判断するといった、認知する能力のことである。読書は、客観的に物事を捉える能力を鍛える効果が高い。登場人物の思いや出来事が第三者の視点で描かれているからだ。メタ認知が高ければ、何か問題が起きたときに、感情的にならず冷静に自分を分析してコントロールし、客観的な対処ができる。周りへ配慮ができる、柔軟性がある、仕事への意欲が高いなども、メタ認知の高い人の特徴で、メタ認知を高めるのに効果的なのが読書だ。

読書が与える効果について解説した。読書をすると、今まで知らなかった知識や考え方に触れられる。それだけではなく、ストレス軽減や脳を活性化するなど、身体にたくさんのよい影響を与える。それらの効果を実感するためには、たくさんの本を読むことだろう。まずは1日少しの時間でもよいので、読書をする習慣を身に付けよう。