- 1. 耳掃除をすると綿棒が黄ばむ原因|体質的なもの
- 2. 耳掃除をすると綿棒が黄ばむ原因|病的なもの
- 3. そもそも耳垢とは?実は大切な役割を担っている
- 4. 耳掃除は必要ないといわれる理由や頻度について
- 5. 正しい耳掃除のやり方と注意点・綿棒の使い方
- 6. 耳垢や耳の違和感が気になる方は速やかに耳鼻咽喉科を受診しよう
- 事前にお風呂などに入っておく
- 耳の穴に綿棒を1cm程度入れる
- 綿棒で耳垢を優しく拭き取って終了
- 月1〜2回(多くても週1回)程度にする
- 耳の深いところまでは綿棒を入れない
- 竹製や金属製などの硬い耳かきは使わない
- ※1:耳の病気:耳鼻咽喉科・頭頸部外科が扱う代表的な病気【病名から調べる】:一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
http://www.jibika.or.jp/citizens/daihyouteki2/mimi_disease.html - ※2:耳掃除と外耳炎 _ 新潟市医師会
https://www.niigatashi-ishikai.or.jp/citizen/otorhinolaryngology/otorhinolaryngology-memo/201708281173.html
1. 耳掃除をすると綿棒が黄ばむ原因|体質的なもの
耳掃除で綿棒が黄ばむ原因は大きく「体質(生理)的なもの」と「病的なもの」にわけられる。前者は基本的に問題ないとされているが、耳の病気が疑われる場合は速やかに耳鼻咽喉科を受診することが望ましい。
耳垢が湿っぽくて黄ばんでいる(湿性耳垢)
耳垢にはカサカサした「乾性耳垢」とベタベタとした「湿性耳垢」がある。湿性耳垢の方は、耳掃除をすると綿棒が真っ黄色になることがあるが、体質なので特別不安に思う必要はないとされている。なお乾性耳垢でもお風呂上がりなどはベタつくことがある。
2. 耳掃除をすると綿棒が黄ばむ原因|病的なもの
耳の中に膿が生じたことによる耳だれ(耳漏)で綿棒が黄ばむことがある。耳だれをともなう病気には外耳炎、外耳湿疹、中耳炎などがある。これらを発症している場合は、耳の痛みや聞こえにくさなどの症状も見られることが多い。早めに耳鼻咽喉科を受診するのがおすすめだ。
外耳炎|鼓膜の手前で起こる炎症
外耳の傷に細菌が入り込み炎症を起こした状態だ。かゆみや赤み、痛みだが耳だれや難聴が見られることもある。耳だれが出ていると綿棒が黄ばむ。かゆみや痛みなどもある場合は、一度耳鼻咽喉科を受診するとよいだろう。(※1)
中耳炎|鼓膜の内側で起こる炎症
ウイルスや細菌が鼻から中耳に侵入し炎症を起こした状態だ。耳痛や難聴、発熱などだが膿が大量に生じた場合は耳だれも見られる。外耳炎と同様、これらの症状に心当たりがある場合は早めに耳鼻咽喉科を受診しよう。(※1)
3. そもそも耳垢とは?実は大切な役割を担っている
そもそも、耳垢とはいったい何なのか。その大切な役割とともに解説しよう。
表皮や分泌物、ホコリなどが混ざりあったもの
外耳道や鼓膜の表面から剥がれ落ちた表皮、耳の入り口近くにある皮脂腺から生じた分泌物、外から入り込んだホコリなどが混ざりあったものが耳垢である。
外耳道や鼓膜などを守る役割がある
「垢」と呼ぶことから不要なものに思われがちだが、耳垢には「外の衝撃から外耳道や鼓膜などを守る役割」がある。頻繁に耳掃除をしていると耳垢が減り、こうした機能を果たせなくなるおそれがある。
4. 耳掃除は必要ないといわれる理由や頻度について
耳掃除は本来必要なものではないという情報を見聞きしたことがある方もいるだろう。なぜ不要なのか、本当に不要なのか、その理由などを解説する。
耳掃除をしなくても耳垢は自然に排出される
耳垢は、人間が持つ自浄作用によって時間が経つと自然に体外へ排出される。このため基本的に耳の中を掃除する必要はない。だが次のようなケースは耳掃除をしたほうがよいとされる場合がある。(※2)
耳垢栓塞を招くおそれがある場合は耳掃除が必要なことも
湿性耳垢の方は、外耳道の自浄作用がうまく働かないことがある。耳垢が溜まると「耳垢塞栓(じこうせんそく)」を招くリスクが高まる。これを防ぐためには、定期的な耳掃除をするか耳鼻咽喉科を受診することになる。なお日本人の2〜3割は湿性耳垢といわれている。
耳掃除の頻度は月1〜2回(多くても週1回)程度
上述のように、耳掃除のやり過ぎは耳垢を不必要に除去することになるため、防御機能が正常に働かなくなるおそれがある。ではどれくらいの頻度が望ましいのだろうか?基本的に、耳垢は自然排出されるため月1〜2回(多くても週1回)程度で問題ないとされている。
5. 正しい耳掃除のやり方と注意点・綿棒の使い方
耳掃除の正しいやり方、綿棒の適切な使い方を知ることも大切だ。
耳の入り口付近のみを優しく擦る程度
綿棒を耳の奥深くまで入れると外耳を傷つけるリスクがある。耳掃除をする場合、綿棒で耳の入り口付近を優しく擦る程度にしておくことが大切なポイントだ。
正しい耳掃除のやり方・綿棒の使い方
耳掃除をするときの注意点
6. 耳垢や耳の違和感が気になる方は速やかに耳鼻咽喉科を受診しよう
耳掃除で綿棒が黄ばむのは体質的・生理的な原因であることは多い。だがそれ以外の症状が見られるときは、病気のおそれもあるため耳鼻咽喉科で相談しよう。病気ではなくとも、自分の耳掃除のやり方が正しいか、頻度は問題ないかといったことを先生に確認してもらうのもよい。
結論
耳掃除で綿棒が黄ばむ原因は大きく体質と病気にわけられる。普段から黄ばむ場合は湿性耳垢と考えられるが、外耳炎や外耳湿疹、中耳炎などもあり得るため、気になるときは放置しないようにしよう。また耳掃除のやり過ぎが外耳炎などを招く要因にもなる。適切な頻度や正しいやり方も覚えておこう。
(参考文献)
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