1. あさりの基本をおさらい

あさりとは、マルスダレガイ科アサリ属に分類されている二枚貝である。最大殻長6cm程度といわれているが、スーパーなどで見かける一般的なあさりは殻長3cm程度であることが多い。また、日本では古くから食用とされており、現在でも味噌汁・酒蒸し・バター焼き・ボンゴレパスタなどさまざまな方法で食べられている。旬の時期は年に2回あり、3~5月頃と9~10月頃となっている。
2. あさりの基本的な栄養価

「日本食品標準成分表」には、あさり(生)の栄養価だけでなく、あさりのつくだ煮やあさりの缶詰などの栄養価も収録されている。ここでは基本となる「あさり(生)」の100gあたりの栄養価を確認しよう。
あさり(生)100gあたりの栄養価
・エネルギー:27kcal
・たんぱく質:6.0g
・脂質:0.3g
・炭水化物:0.4g
・脂肪酸
・飽和脂肪酸:0.02g
・一価不飽和脂肪酸:0.01g
・多価不飽和脂肪酸:0.04g
・ビタミン
・ビタミンA(レチノール):2μg
・ビタミンD:0μg
・ビタミンE:0.4mg
・ビタミンK:Tr
・ビタミンB1:0.02mg
・ビタミンB2:0.16mg
・ナイアシン:1.4mg
・ビタミンB6:0.04mg
・ビタミンB12:52.0μg
・葉酸:11μg
・パントテン酸:0.39mg
・ビオチン:23.0μg
・ビタミンC:1mg
・ミネラル
・ナトリウム:870mg
・カリウム:140mg
・カルシウム:66mg
・マグネシウム:100mg
・リン:85mg
・鉄:3.8mg
・亜鉛:1.0mg
・銅:0.06mg
・マンガン:0.1mg
・ヨウ素:55μg
・セレン:38μg
・クロム:4μg
・モリブデン:9μg
・食物繊維:0g
・たんぱく質:6.0g
・脂質:0.3g
・炭水化物:0.4g
・脂肪酸
・飽和脂肪酸:0.02g
・一価不飽和脂肪酸:0.01g
・多価不飽和脂肪酸:0.04g
・ビタミン
・ビタミンA(レチノール):2μg
・ビタミンD:0μg
・ビタミンE:0.4mg
・ビタミンK:Tr
・ビタミンB1:0.02mg
・ビタミンB2:0.16mg
・ナイアシン:1.4mg
・ビタミンB6:0.04mg
・ビタミンB12:52.0μg
・葉酸:11μg
・パントテン酸:0.39mg
・ビオチン:23.0μg
・ビタミンC:1mg
・ミネラル
・ナトリウム:870mg
・カリウム:140mg
・カルシウム:66mg
・マグネシウム:100mg
・リン:85mg
・鉄:3.8mg
・亜鉛:1.0mg
・銅:0.06mg
・マンガン:0.1mg
・ヨウ素:55μg
・セレン:38μg
・クロム:4μg
・モリブデン:9μg
・食物繊維:0g
3. あさりの特徴的な栄養素・成分

あさりは、さまざまな栄養素を含んでいるが、特に多いのがビタミンB12・カルシウム・カリウム・鉄・亜鉛などである。また、アミノ酸の一種であるタウリンも多く含んでいるという(※2)。ここでは、そんなあさりの特徴的な栄養素や機能性成分などについて詳しく解説する。
その1.ビタミン類
あさりはビタミンA、ビタミンE、ビタミンCも多少含んでいるが、特に目立って多いのがビタミンB12をはじめとする「ビタミンB群」である。ビタミンB群の働きは栄養素によって異なるが、いずれも身体の機能を正常に保つために欠かせない(※2)。ここでは特に多いビタミンB12を解説する。
【ビタミンB12】
あさりは、ビタミンB12を100gあたり52.0μg含んでいる。ビタミンB12は体内ではたんぱく質や核酸の合成、アミノ酸や脂肪酸の代謝、赤血球の成熟などに関わっている。成人男性(18~64歳)の1日あたりの推定平均必要量は2.0μg、推奨量は2.4μgとなっている(※2、※3)。
その2.ミネラル類
あさりはビタミンB群だけでなく、ナトリウム・カルシウム・カリウム・鉄・亜鉛といったミネラル類も多く含んでいる。ミネラル類はそれぞれが影響を与えあいながら、身体の機能などを正常に保つように働いている(※2)。ここでは特に多いカルシウムやカリウムなどを詳しく紹介する。
【カルシウム】
あさりは、カルシウムを100gあたり66mg含んでいる。カルシウムは歯や骨などを構成する成分であるほか、血液の凝固を促したり、神経の興奮を抑えたりする働きがあるとされている。成人男性(18~64歳)の1日あたりの推定平均必要量は600~650mg、推奨量は750~800mgである(※2、※3)。
【カリウム】
あさりは、カリウムを100gあたり140mg含んでいる。カリウムにはミネラルの一種であるナトリウムを排出する作用があり、塩分の摂り過ぎなどを調整する効果があるとされている。成人男性(18~64歳)の1日あたりの目安量は2,500mg、目標量は3,000mg以上となっている(※2、※3)。
【鉄】
あさりは、鉄を100gあたり3.8mg含んでいる。鉄はヘモグロビンや各種酵素などを構成している。鉄が不足すると赤血球の減少につながり、鉄欠乏性貧血などの原因になることもある。成人男性(18~64歳)の1日あたりの推定平均必要量は6.5mg、推奨量は7.5mgとなっている(※2、※3)。
【亜鉛】
あさりは、亜鉛を100gあたり1.0mg含んでいる。亜鉛は筋肉・骨・皮膚・肝臓・脳などさまざまな場所に存在し、味覚や免疫機能などを正常に保つために働いている。成人男性(18~64歳)の1日あたりの推定平均必要量は9mgであり、推奨量は11mgとなっている(※3)。
その3.タウリン
あさりが多く含んでいるというタウリンとは、貝類・イカ・タコなどに多く含まれるアミノ酸に似た物質のことだ。タウリンには「コレステロールの吸収を抑える」など、さまざまな働きが期待されている。体内で作ることもできるが、不十分なのであさりなどの食品から摂る必要がある(※2)。
4. あさりとしじみの栄養面の違い

あさりと同じくらいお馴染みの貝類に「しじみ」がある。しじみはシジミ科に分類される二枚貝であり、あさりと同じでビタミンB群やミネラル類を多く含んでいる(※1)。また、ナトリウム・カリウム・マグネシウムはあさりのほうが多いが、そのほかの栄養価は基本的にしじみが上回っている。
あさりとしじみの主なミネラル類の比較
・あさり(生):カリウム140mg、カルシウム66mg、鉄3.8mg、亜鉛1.0mg
・しじみ(生):カリウム83mg、カルシウム240mg、鉄8.3mg、亜鉛2.3mg
・しじみ(生):カリウム83mg、カルシウム240mg、鉄8.3mg、亜鉛2.3mg
5. あさりの栄養面に関するよくある質問

ここまで、あさりの栄養価や栄養素について詳しく解説してきた。しかしまだ「あさりの栄養素を効率よく摂るにはどうしたらいいか」や「あさりは1日にどれくらい食べていいか」などが気になる人もいるだろう。そこで最後に、あさりの栄養面に関するよくある質問・疑問に回答する。
Q1.あさりの栄養素を効率よく摂るには?
あさりに多く含まれているビタミンB群は水溶性の栄養素であるため、茹でたり、煮たりすると栄養素が流出してしまうので注意しよう。ただし、汁物やスープなどにする場合は、汁ごと飲むと無駄なく栄養素を摂れるので覚えておくのがおすすめだ。
Q2.あさりは1日にどれくらい食べていいか?
あさりの1日あたりの目安量は決められていない。しかし、ナトリウム(830mg/100g中)などのミネラル類を多く含んでいるため、あさりの食べ過ぎには注意したほうがよい。特に高血圧症や慢性腎臓病などを持っている人や(※2)、しょっぱい食事が好きな人は気を付けるようにしよう。
Q3.あさりのつくだ煮や缶詰の栄養価は?
「日本食品標準成分表」にはあさりのつくだ煮や缶詰の栄養価も収録されている。つくだ煮は水分量が非常に少ないため、100gあたりの栄養価は全体的に高めになっている。また、あさりの缶詰(水煮)も水分量が少なくないため、全体的に栄養価は高めになる。その一方で、缶詰のナトリウム量は100gあたり390mgであるため、生あさりよりもナトリウムの摂り過ぎを防ぎやすいといえる。
結論
うま味成分を多く含むあさりは、ビタミンB群やミネラル類も多く含んでいる。特にカルシウム・カリウム・鉄・亜鉛などを多く含んでいるため、ミネラル類が不足しているなら食事に取り入れてみるのもよいだろう。あさりだけでも、酒蒸し・バター焼きなどさまざまな料理で美味しく食べられる。
(参考文献)
- ※1:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/ - ※2:e-ヘルスネット「トップページ」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/ - ※3:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
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