1. そら豆の基本をおさらい
そら豆とは、マメ科ソラマメ属の植物のことである。市販されているそら豆には、青果用の未成熟な緑色のそら豆と、種実用の成熟した黒っぽい色味のそら豆の2種類がある。また、青果用のそら豆は国産品であることが多く、種実用は輸入品が多くなっている。そら豆の旬の時期は5~6月頃とされており、この時期には一般的なスーパーや八百屋などでも青々としたそら豆を見かけることが多い。
2. そら豆の基本的な栄養価
「日本食品標準成分表」には、未成熟な緑色のそら豆と、成熟した黒っぽいそら豆の栄養価が収録されている。また、生や乾燥などさまざまな状態のそら豆の栄養価がある。ここでは基本となる「そら豆(未成熟/生)」の100gあたりの栄養価を紹介する。
そら豆(未成熟/生)100gあたりの栄養価
・エネルギー:102kcal
・たんぱく質:10.9g
・脂質:0.2g
・炭水化物:15.5g
・脂肪酸
・飽和脂肪酸:0.03g
・一価不飽和脂肪酸:0.01g
・多価不飽和脂肪酸:0.05g
・ビタミン
・ビタミンA(βカロテン):240μg
・ビタミンD:0μg
・ビタミンE:Tr
・ビタミンK:18μg
・ビタミンB1:0.30mg
・ビタミンB2:0.20mg
・ナイアシン:1.5mg
・ビタミンB6:0.17mg
・ビタミンB12:0μg
・葉酸:120μg
・パントテン酸:0.46mg
・ビオチン:6.9μg
・ビタミンC:23mg
・ミネラル
・ナトリウム:1mg
・カリウム:440mg
・カルシウム:22mg
・マグネシウム:36mg
・リン:220mg
・鉄:2.3mg
・亜鉛:1.4mg
・銅:0.39mg
・マンガン:0.21mg
・ヨウ素:0μg
・セレン:Tr
・クロム:0μg
・モリブデン:150μg
・食物繊維:2.6g
(・水溶性食物繊維:0.2g)
(・不溶性食物繊維:2.4g)
・たんぱく質:10.9g
・脂質:0.2g
・炭水化物:15.5g
・脂肪酸
・飽和脂肪酸:0.03g
・一価不飽和脂肪酸:0.01g
・多価不飽和脂肪酸:0.05g
・ビタミン
・ビタミンA(βカロテン):240μg
・ビタミンD:0μg
・ビタミンE:Tr
・ビタミンK:18μg
・ビタミンB1:0.30mg
・ビタミンB2:0.20mg
・ナイアシン:1.5mg
・ビタミンB6:0.17mg
・ビタミンB12:0μg
・葉酸:120μg
・パントテン酸:0.46mg
・ビオチン:6.9μg
・ビタミンC:23mg
・ミネラル
・ナトリウム:1mg
・カリウム:440mg
・カルシウム:22mg
・マグネシウム:36mg
・リン:220mg
・鉄:2.3mg
・亜鉛:1.4mg
・銅:0.39mg
・マンガン:0.21mg
・ヨウ素:0μg
・セレン:Tr
・クロム:0μg
・モリブデン:150μg
・食物繊維:2.6g
(・水溶性食物繊維:0.2g)
(・不溶性食物繊維:2.4g)
3. そら豆の特徴的な栄養素
未成熟なそら豆は、脂質が少なくカロリーは低めとなっている。その一方で、たんぱく質・ビタミン類・ミネラル類・食物繊維などは多いのが特徴である。ここでは、そんなそら豆の特徴的な栄養素を紹介する。
その1.たんぱく質
そら豆は、たんぱく質を100gあたり10.9g含んでいる。たんぱく質は体内では筋肉・臓器・皮膚などを構成したり、ホルモン・酵素・抗体などを調節したりする働きを持つ。成人男性(18~64歳)の1日あたりの推奨量は65gであり、目標量は1日のエネルギーの13~20%である(※2、3)。なお、アミノ酸のトリプトファンなどは少ないため、ほかのたんぱく質食品と一緒に摂るのがよい。
その2.ビタミン類
そら豆はビタミンA(βカロテン)、ビタミンK、ビタミンB群、ビタミンCなどのビタミン類も多く含んでいる。これらのビタミン類は、身体の機能を正常に保つために必要な栄養素である(※2)。ここではそら豆のビタミンB群とビタミンCについて詳しく紹介する。
【ビタミンB群】
そら豆は、ビタミンB1(0.30mg/100g)、ビタミンB2(0.20mg/100g)、葉酸(120μg/100g)といったビタミンB群を豊富に含んでいる。これらの働きはそれぞれ異なるが、ビタミンB1やビタミンB2はエネルギーの産生などをサポートしたり、葉酸は赤血球を作ることなどをサポートしたりしている(※3)。
【ビタミンC】
そら豆は、ビタミンCを100gあたり23mg含んでいる。ビタミンCは体内では皮膚や細胞などのコラーゲンの合成に欠かせない栄養素である。また、体内の活性酸素の働きを抑える抗酸化ビタミンの一種でもあり、過酸化脂質の生成を抑える働きも有している。成人男性(18~64歳)の1日あたりの推定平均必要量は85mgであり、推奨量は100mgとなっている(※2、3)。
その3.ミネラル類
そら豆はカリウムをはじめ、カルシウム・マグネシウム・リン・鉄・亜鉛といったミネラル類も含んでいる。ミネラル類は互いに影響を与えあいながら、身体の機能を正常に保とうとする(※2)。ここでは、特に含有量が多いカリウムについて紹介する。
【カリウム】
そら豆は、カリウムを100gあたり440mg含んでいる。カリウムは、体内では細胞の浸透圧を調整する働きなどを担っている。また、ナトリウムの排出もサポートするため、塩分摂取量が多い日本人にとっては重要なミネラルの一つとされている。一般的な成人男性(18~64歳)の1日あたりの目安量は2500mg、目標量は3000mとなっている(※2、3)。
4. そら豆の栄養素の効率的な摂り方
そら豆は、ビタミンB群やビタミンC、カリウムなどの水溶性の栄養素を多く含んでいて、茹でたり煮たりすると栄養素が流出してしまう可能性がある。実際、「日本食品標準成分表」の生そら豆とゆでそら豆を比べても、茹でると栄養価が落ちている。そのため、これらの栄養素を逃さずに摂るなら焼いたりするのがおすすめだ。また、下茹でする際は電子レンジなどを使うとよい。
5. そら豆の栄養面のよくある質問
ここまでそら豆の栄養価や栄養素を詳しく解説してきた。しかし、まだそら豆の栄養面で知りたいこともあるだろう。そこで最後にそら豆の栄養面に関するよくある質問・疑問などに回答する。
Q1.そら豆の糖質量はどれくらい?
「日本食品標準成分表」には糖質量は記載されていない。しかし、糖質量は「炭水化物量-食物繊維量」で算出できるため、そら豆の糖質量は12.9g程度であることが分かる。また、そら豆の糖質のうち約7割はデンプンといわれている(※4)。そら豆は、優れたエネルギー源でもあるといえるだろう。
Q2.そら豆はどれくらい食べればいい?
完熟したそら豆は種実であるが、未成熟なそら豆は青果として分類されるのが一般的だ。また、野菜類はカロテン含有量に応じて緑黄色野菜と淡色野菜に分類されるが、そら豆は「淡色野菜」に分類されている。厚生労働省が策定した健康日本21によれば(※5)、1日の野菜の目標量を350g以上としており淡色野菜は230g以上としている。そのため、そら豆などを合計で230g以上食べよう。
Q3.完熟そら豆の栄養価はどうなっている?
「日本食品標準成分表」には、未成熟のそら豆だけでなく、完熟したそら豆の栄養価も収録されている。完熟そら豆は一般的に、乾燥させて使うことが多いため、水分量が少なく全体的な栄養価は高くなっている。例えば、100gあたりのたんぱく質量は26.0g、ビタミンB1量は0.50mg、カリウム量は1100mgである。なお、エネルギー量も高くなり100gあたり323kcalとなっている。
結論
市販のそら豆には、未成熟な緑色のそら豆と完熟した黒っぽいそら豆の2種類がある。このうち野菜として食べることが多い未成熟なそら豆は、たんぱく質・ビタミン類・ミネラル類・食物繊維などを多く含んでいる。脂質が少なくカロリーも低めなので、旬の時期には料理に取り入れてみよう。
(参考文献)
- ※1:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/ - ※2:e-ヘルスネット「トップページ」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/ - ※3:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf - ※4:JAグループ「ソラマメ」
https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=34 - ※5:厚生労働省「健康日本21」
https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b1.html#A13
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