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八角とは?中華料理の代表的な「甘い香りのスパイス」を詳しく解説!

八角とは?中華料理の代表的な「甘い香りのスパイス」を詳しく解説!

投稿者:食生活アドバイザー 吉田昌弘

監修者:管理栄養士 中山沙折(なかやまさおり)

鉛筆アイコン 2022年1月17日

中華スパイスの一つとして有名な「八角(スターアニス)」。スパイスとはいうものの、八角は甘い香りがするのが特徴となっている。そのため、中華料理においては豚料理・鴨料理などの香り付けだけでなく、杏仁豆腐やパンナコッタなどのデザートにも使われている。今回は、そんな八角について詳しく解説する。美味しい使い道や市販のおすすめ品などについても確認しよう。

  

1. 八角とは?

八角とは
八角(スターアニス)とは、トウシキミというマツブサ科(シキミ科)シキミ属の植物の果実から作られる香辛料のこと。甘い香りがする「アネトール」を含んでいるため、中華料理だけでなく中華デザートにも使われている。また、五香粉(ウーシャンフェン)の材料の一つでもある。日本のスーパーでは中華食材コーナーで売られており、ホールタイプよりもパウダータイプが多く扱われている。

植物としての特徴

八角の原料となるトウシキミは、高さ6~10m程度になる常緑樹である。また、種蒔きから6年くらいで直径3~4cm程度の実をつけるようになり、以降100年以上は継続して収穫できるという。トウシキミの原産地は中国南西部といわれており、現在は中国南部をはじめ、台湾やベトナムなどアジアの広範囲で栽培されている。日本にはほとんど自生していないが、一部展示用に植栽されている。

食材としての特徴

トウシキミの果実を乾燥させたのが「八角」である。日本では中華料理の代表的なスパイスとして知られているが、中華料理以外でもインド料理・マレーシア料理・ベトナム料理・タイ料理など、アジア圏で幅広く使われている。主に料理では香り付けに使われることが多く、強い甘い香りを楽しむことができる。なお、香りがかなり強いため、ホールの場合は袋果を1かけずつ使うのがおすすめだ。

アニスとは別のスパイス?

八角は欧米では「スターアニス」と呼ばれているが、もととなった「アニス」とは異なるスパイスである。アニスは地中海~中近東を原産とするセリ科の植物であり、その果実は香辛料として使われている。スターアニスとアニスは同じアネトールという香気成分を含んでいるため、いずれも甘い香りがするのが特徴だ。ただ、アニスは料理よりもお酒など飲み物の風味付けに使うことが多い。

2. 八角の美味しい使い道3選

八角とは
八角は、中華料理・インド料理・タイ料理など、さまざまな料理に使われている。しかし、一般的には中華料理に使うことが多い。また、中華料理では東坡肉や牛肉麺、魯肉飯のほか、杏仁豆腐などにも使われている。ここでは、そんな八角の美味しい使い道を3種類紹介する。

その1.豚の角煮

八角を使う代表的な中華料理の一つが「豚の角煮(東坡肉)」である。東坡肉は「外はカリッ、中はトロッ」とした食感が特徴的な中華料理(浙江料理)であり、豚バラ肉を醤油・紹興酒・八角・水を合わせた調味料と一緒に煮込んで作る。日本の豚の角煮とは異なり、見た目はやや黒っぽい色味となっている。しかし、そんな見た目の割に非常に食べやすいといわれている。
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その2.鶏レバーの八角煮

「鶏レバーの八角煮」も定番料理の一つである。八角を多めに使うため、中華料理らしい独特な香りを楽しむことができる。鶏レバーの下ごしらえが少し大変だが、下ごしらえさえ済ませればあとは鍋で調味料と一緒に煮込むだけで完成だ。ふっくらとしたレバーと濃厚な味わいが非常に美味しい。

その3.中華ピクルス

八角を使って「中華ピクルス」を作るのもおすすめだ。基本的なピクルスと作り方は同じで、煮沸消毒した保存瓶に野菜類と酢などで作った調味液を入れる。さらに八角と花椒などを加えてから、冷蔵庫で1晩漬ければ完成だ。これだけでいつものピクルスを中華風に仕上がって美味しくなる。

3. 市販のおすすめ八角2選

八角とは
八角はさまざまな調味料メーカーから販売されており、一般的なスーパーなどでも見かけることが多い。ここではそんな市販の八角の中からおすすめ品を2種類紹介する。なお、市販品ではスターアニスという名称が使われていることもあるが、「八角」のことなので安心して購入してよい。

その1.エスビー食品「スターアニス(八角)」

「スターアニス(八角)」は、エスビー食品が製造・販売しているパウダータイプの八角である。中華料理の独特な甘い香りを与えてくれる香辛料で、中華風煮物や豚の角煮などにおすすめとなっている。また、1瓶あたり4g入っており、突起付きのスクリューキャップも特徴の一つといえる。

その2.ヤスマ「マスコット 袋入 スターアニス/八角」

「袋入 スターアニス/八角」は、ヤスマが手掛けるマスコットブランドの八角である。ホールタイプとなっており、豚の角煮や鶏の醤油煮込みなどの香り付けに使うことが可能。また、デザートに添えて見た目を楽しむのもよい。1袋5gとなっており、袋には密閉できるチャックが付いている。

4. 八角に関するよくある質問

八角とは
ここまで八角について詳しく解説してきた。しかしまだ「八角の名前の由来は何か」や「八角のおすすめ代用品は何か」などが気になる人もいるだろう。そこで最後に、八角に関するよくある質問に回答する。

Q1.八角の名前の由来とは?

八角はもともと中国で使われていた呼び方で、1つの果実に8つの袋果を持つことから名付けられたといわれている。また、八角はアニスのような香りがするため、欧米ではアニスと区別してスターアニス(Star Anise)と呼ばれている。こちらの由来はその意味の通り星形のアニスから来ている。

Q2.八角の代用品には何がある?

八角の香りの主成分はアネトールである。このアトネールを持つスパイスにはアニスシードやフェンネルシードなどがあるため、これらで代用が可能となっている。また、中華料理に使うなら五香粉で代用できる場合が多いほか、甘い香りが特徴的なシナモンで代用できる場合もある。

Q3.有毒植物のシキミって何?

八角と見た目が似ている有毒植物に「シキミ」がある。シキミはアニサチンという有毒物質を含んでいるため、誤食すると嘔吐や意識障害、けいれんなどに加え、重症になると命に関わる可能性もあるという。2つをしっかりと見比べると違いは分かるが、単体だと見分けるのに知識がいる。日本にはトウシキミがほとんどないため、そもそも自生しているのはシキミと理解しておくほうがよい(※1)。

結論

八角は、トウシキミという植物の果実を乾燥させた中華スパイスである。豚の角煮や鶏レバーの八角煮などさまざまな中華料理に使うことができる。これを機に八角の特徴や使い方などを覚えて、より本格的な中華料理に挑戦してみてはいかがだろうか。
(参考文献)
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  • 公開日:

    2017年10月14日

  • 更新日:

    2022年1月17日

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