1. スパイスの定義

どんなものがスパイス?
そもそもスパイスとは、一体どんなものを指すのか?スパイスは、調味料の一種。植物から採取されるもので、調理の際に香りや辛味、色などを出すために用いられるモノの総称である。日本語では香辛料とも呼ばれている。スパイスは食事を美味しくするのはもちろん、食欲の増進、臭み消しとしても広く使われてきた。スパイスというとどうしてもカルダモンやクミンなど、少々レベルの高いものを想像しがちだが、広義では月桂樹の葉やタマネギ、ニンニク、ショウガなどもスパイスの一部と言える。
ハーブとスパイス
前述の通り、広義で捉えるとスパイスの種類は、かなり幅が広い。では、スパイス売り場で見かけるハーブ類、例えばオレガノやバジルなどは、スパイスに含まれるのか?答えは、YES&NO。スパイスとハーブには、厳密にはその差に定義がない。今回は、植物の樹皮や種子、実や根などをスパイスと限定して、お届けすることにする。
2. スパイスの歴史

古代から愛用されてきたスパイス
スパイスと人間との関係は、奥がかなり深い。古代エジプト時代にはガーリックやシナモン、クローブなどが、生活に取り入れられていたという記録が残っているそうだ。当時は食用としてだけでなく、薬用としても多く用いられていた。日本でも奈良・平安時代には、山椒や山葵、大葉など、日本特有のスパイスが用いられていたという記録が残っている。さらに正倉院の御物の中に、胡椒やクローブ、シナモンなどが残されている。
スパイスと戦争
スパイスを巡った戦争は、世界中で数多く起こった。というのも古く、世界を圧巻してきたヨーロッパ諸国は、日本同様スパイスが収穫できない地域。そこでスパイスを手に入れるために、原産国の多くである東洋への侵略を繰り返したと言われている。当時、スパイスは希少価値がかなり高く、高額で取引をされていた。
3. スパイスの種類

単一品種のスパイス
日本で最も身近な香辛料といえば、胡椒であろう。ちなみに胡椒は、熱帯性の多年生つる生植物につく実を乾燥させたもの。単一品種の樹皮や種子、実や根などで作られるスパイスは、胡椒を筆頭にアニス、クミン、カルダモン、ナツメグ、スターアニス、コリアンダーシード、シナモンなどがある。それぞれホールと言って原形のままで売られているもの、粗挽きになっているもの、パウダーになっているものがある。料理によって使い分けができるといいが、初心者の場合は粗挽きかパウダーからトライするといいかもしれない。
ミックススパイス
いくつかのスパイスをあらかじめミックスしてあるものもある。例えば、カレーパウダーやガラムマサラ、チリパウダー、五香粉などがそれに当たる。手軽に使えるのがミックススパイスのいいところ。これはブランドによって配合の割合が異なるので、食べ比べ、好みのものを見つけよう。
4. スパイスが際立つ料理

王道のカレー
日本ではカレーはルーで作るものという認識が一般的だが、本来、カレーはスパイスをブレンドして作るもの。とろみのあるいわゆる日本的なカレーにはならないが、スパイスだけで作るカレーは、あっさり、それでいて刺激的。さらに煮込む時間が少なくて済むので、食欲が減退しがちな夏には特にオススメだ。用意するスパイスは、クミンパウダー、コリアンダーパウダー、ターメリック、カイエンヌペッパーだけ。
●材料
タマネギ2個
鶏モモ肉(または骨つき)300g〜
トマト 大きいもの2個 なければトマト缶1缶で代用可能
ニンニク、ショウガ 1カケずつ
鶏モモ肉(または骨つき)300g〜
トマト 大きいもの2個 なければトマト缶1缶で代用可能
ニンニク、ショウガ 1カケずつ
●作り方
みじん切りにしたニンニクと生姜をオリーブオイルで炒め、香りを出す。薄切りの玉ねぎを加え、10分ほど炒める。次にひと口大に切った鶏肉を加え炒め、肉の色が変わったら、クミンパウダー、コリアンダーパウダー、ターメリック、塩をそれぞれ好みの量加える。カイエンヌペッパーは、辛さを調節するものなので、好みに合わせて加え、ざく切りにしたトマトを投入。あとは20分ほど煮込むだけ。
便利なミックススパイスを活用
ミックススパイスは、とにかく便利。味がさっと決まるので、ぜひ活用してみてほしい。我が家で活躍するのは、チリパウダー。炒め物にさっと加えるだけで、途端にメキシカン調の味わいへと変化させてくれる。合挽き肉と炒め、ほんの少しケチャップなどを加えれば、タコライスの具に。五香粉は、別名ウーシャンフェンとも呼ばれる。唐揚げの下味に使ったり、角煮などに加えるのがオススメだ。定番料理が一気に本格的な味わいに進化する。
結論
スパイスの世界、いかがだっただろうか?スパイスは歴史が古い分、奥がとても深い。何より嬉しいのは、使い方ひとつで料理の本格度がグッと増すところ。一度、そのテクニックをマスターすれば、虜になること請け合い。まずは、王道のカレーにトライしてみてほしい。
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