1. ジャムは何から作られる?

ジャムは一体何から作られているのだろう?イチゴジャムならイチゴ、ブルーベリージャムならブルーベリーといった味の基本となるフルーツ以外の材料は何だろう?まずは、基本のイチゴジャムのレシピをもとに、必要な材料をチェックしよう。
イチゴジャムの材料
- イチゴ
ジャムの味のベースとなるフルーツ。イチゴのほか、ブルーベリーやオレンジ、いちじく、りんご、桃などもジャムの原料となる。 - 砂糖
甘くて美味しいジャムに欠かせない砂糖。市販のジャムに含まれる砂糖の量を気にして手作りする人も多い。 - 水
イチゴを煮詰めるときに使う。 - ジャム用ペクチン
ジャムを固めるために使う。ペクチンについては後の項目で詳しく解説する。 - クエン酸
pH値を下げ、ジャムを固めるペクチンをサポートする。ジャムの保存性を高める効果も。
レシピによって材料は様々だが、基本的なイチゴジャムの材料は以上の通りだ。レモン汁を使うレシピも多い。
ペクチンって何?
イチゴジャムの材料のひとつ、ペクチン。聞きなれない成分だが、一体何だろう?ペクチンは柑橘類から抽出される多糖類で、ゲル化剤や増粘剤として使われる。ジャムがトロッとしたジェリー状なのはこのペクチンのおかげであり、ペクチンなしではジュースのようにサラサラしたジャムになってしまうのだ。ペクチンは製菓材料店などで購入できる。ちなみに、ペクチンは柑橘類から抽出されるため、レモン汁で代用することもできる。実際にレモン汁を使用するレシピも多い。
2. ジャムにはどんな栄養がある?

ジャムは栄養満点のフルーツから作られている。しかし、その甘さからか栄養豊富というイメージはあまりない。ジャムにはどんな栄養が含まれているのだろうか?ここでは、ジャムに含まれる栄養について解説する。
メラノイジン
ジャムには炭水化物やビタミン、ミネラルなど、フルーツの栄養が含まれるが、ビタミンCや葉酸といった成分は加熱によって壊れてしまうため、生のフルーツを食べるような栄養素の量は期待できない。しかし、ジャムにすることによって"メラノイジン"という新たな栄養成分がプラスされる。メラノイジンは糖とアミノ化合物を加熱した際に見られる"メイラード反応"によって作られる成分で、抗酸化作用によって細胞を若々しく保つ効果や血流を良くする効果がある。また、便秘改善にも効果的だ。
食物繊維
加熱によって壊れてしまう栄養成分もあるが、ジャムになってもフルーツに含まれる食物繊維はそのまま残る。食物繊維の便秘改善効果は広く知られているが、最近では生活習慣病の予防効果も認められている。
ポリフェノール
ポリフェノールもまた熱の影響を受けず、ジャムにしっかりと残る。ポリフェノールは抗酸化作用が強く、種類によって様々な健康効果がある。現代人に多い悩み、眼精疲労にはブルーベリージャムがオススメだ。
3. ジャムは高カロリー?砂糖の量は?

市販のジャムは大さじ1杯50kcal
様々な食品メーカーがジャムを製造しているが、大手メーカーの代表的なイチゴジャムのカロリーを見てみると、100グラムあたりのカロリーは250kcalである。1枚のトーストに塗るジャムの量はおよそ20グラムであり、約50kcalとなる。文部科学省の食品成分データベースによると、高糖度のイチゴジャムは100グラム256kcal(51.2kcal/20グラム)であり、低糖度のものだと100グラム197kcal(39.4kcal/20グラム)だ。ちなみに、現在日本で流通するジャムの5割は低糖度のものである。6枚切の食パン1枚のカロリーは174kcal、ジャムを塗ると213.4kcalとなる。これは茶碗1杯のご飯よりもカロリーは少ない。
糖度40%以上のものが"ジャム"
JAS規格(日本農林規格/法律に基づく品質保証の規格)によってジャムと認められるには、糖度が40%以上でなければならない。"糖度"と聞くと少しわかりづらいが、例えば、イチゴ500グラムに対して400グラムの砂糖を使ってイチゴジャムを手作りする場合を見てみよう。レモン汁100グラムを加えると、総量1000グラムに対して砂糖は400グラムで糖度は40%。しかし、忘れてはいけないのがフルーツに含まれる果糖。砂糖を少なめにして糖度40%の低糖度ジャムを作る場合、材料の総量に対して40%の砂糖を加えてしまうと、果糖が加わって糖度は高くなってしまう。ゼラチンなどの添加物を含む市販のジャムの方が、砂糖の量が少ないことも多いのだ!
結論
ジャムについて解説した。ジャムの使い道といえば、トーストやスコーン、ヨーグルト、チーズケーキなどを思いつくが、砂糖の代わりに紅茶に入れても美味しい。また、マッシュポテトや唐揚げに添えるのもオススメだ。ジャムを幅広く活用してみよう!