1. 土用の丑の日って何?

梅雨明けが近づき暑さがジリジリと身体に響いてくる季節。汗をぬぐいながら「鰻を食べて元気を出そう」と考える人も多いだろう。江戸時代に始まったという土用の丑の日に鰻を食べる風習。そもそも「土用丑の日」とは一体何なのだろうか。
・土用とは
「土用」とは日本の生活と気候風土から生まれた季節の目安となる雑節のひとつ。季節を分けるとされる立春・立夏・立秋・立冬の前18日間を指す言葉だ。土用の最終日が季節を分ける日、「節分」となる。
土用は季節の変わり目に当たり、土のエネルギーが高まる日だと言われている。昔は土を掘り返したり土木工事を行ったりしてはいけない日ともされていたようだ。
現在「土用」として一般的に知られているのは立秋前の夏の土用。この時期は梅雨明けと重なるため身体に負担の大きくかかる時期でもありとくに重要視されてきたようだ。
土用は季節の変わり目に当たり、土のエネルギーが高まる日だと言われている。昔は土を掘り返したり土木工事を行ったりしてはいけない日ともされていたようだ。
現在「土用」として一般的に知られているのは立秋前の夏の土用。この時期は梅雨明けと重なるため身体に負担の大きくかかる時期でもありとくに重要視されてきたようだ。
・丑の日
丑の日は暦を十二支で表す際の丑に当たる日のこと。災厄を受けやすい日とされ、とくに夏の土用に巡ってくる丑の日のことを「土用丑の日」と呼び古くから滋養をつける日としていたようだ。
ちなみに丑の日は12日で一周するので、土用の18日間に丑の日が2回来る場合がある。2018年も7月20日と8月1日に丑の日が来るこのパターンだ。この場合最初の丑の日を「一の丑」、2回目の丑の日を「二の丑」と呼ぶ。
ちなみに丑の日は12日で一周するので、土用の18日間に丑の日が2回来る場合がある。2018年も7月20日と8月1日に丑の日が来るこのパターンだ。この場合最初の丑の日を「一の丑」、2回目の丑の日を「二の丑」と呼ぶ。
2. なぜ土用の丑の日に鰻を食べるようになったのか

土用の丑の日に鰻を食べるようになった起源については諸説あるが、最も有名なのは「平賀源内説」だろう。江戸時代後期の発明家、平賀源内が知り合いの鰻屋から夏の売上アップの方策を相談された際に考えたといわれるものだ。
元々土用の丑の日にはお灸をすえたり、薬湯に入ったりと本格的な暑さに向けて滋養をつける風習があった。そこで源内は鰻屋の店先に「本日土用丑の日 鰻の日」と書かせたところ大繁盛したというのだ。
鰻が精力の食べ物であることは万葉集の時代から知られていた。有名な大伴家持の歌にも「夏痩せに鰻を取り寄せて食べた」というものがあるほどだ。
もしこの平賀源内説が真実であるならば、滋養を付けたいと思う丑の日にスタミナ食の代表である鰻をうまく乗せた秀逸な販売戦略といえるだろう。PRのムーブメントで終わらず現在まで200年以上続く「伝統」となっているこの事例は、世の広報・マーケティングに携わる者の教科書にしたい内容だ。
元々土用の丑の日にはお灸をすえたり、薬湯に入ったりと本格的な暑さに向けて滋養をつける風習があった。そこで源内は鰻屋の店先に「本日土用丑の日 鰻の日」と書かせたところ大繁盛したというのだ。
鰻が精力の食べ物であることは万葉集の時代から知られていた。有名な大伴家持の歌にも「夏痩せに鰻を取り寄せて食べた」というものがあるほどだ。
もしこの平賀源内説が真実であるならば、滋養を付けたいと思う丑の日にスタミナ食の代表である鰻をうまく乗せた秀逸な販売戦略といえるだろう。PRのムーブメントで終わらず現在まで200年以上続く「伝統」となっているこの事例は、世の広報・マーケティングに携わる者の教科書にしたい内容だ。
3. 土用の丑の日に食べるそのほかの物

夏の土用の丑の日には鰻以外にも精力をつけたり邪気を払ったりできるとして食べられてきたものがある。代表的なのが「黒い食べ物」と「『う』のつく食べ物」である。
・黒い食べ物
方角を十二支で表した場合、丑の方角とは北北東となる。北北東には黒を基調とする神獣・玄武が控えていることから、黒い食べ物を食べるのがよいとされた。どじょうや黒い鯉、なすなどである。
・「う」のつくもの
また、丑の日であることから「う」のつく食べ物もよく食べられたようだ。瓜・梅干し・うどんなどだ。
鰻と梅干しは食べ合わせが悪いといわれることもあるが、科学的にはどちらも疲労回復に効果的で夏向けの食材。脂っぽい鰻の消化を梅干しの酸味で助けるので、理にかなった組み合わせだという。ぜひ今年の土用の丑の日には試してほしい。
鰻と梅干しは食べ合わせが悪いといわれることもあるが、科学的にはどちらも疲労回復に効果的で夏向けの食材。脂っぽい鰻の消化を梅干しの酸味で助けるので、理にかなった組み合わせだという。ぜひ今年の土用の丑の日には試してほしい。
・精がつくもの
鰻が広く食べられる以前から、滋養によい食べ物が好まれていた土用の丑の日。土用蜆(しじみ)や土用餅という言葉がいまも残る地方がある。どちらも力のつきそうな食べ物である。
考えてみるとこの3つの条件に鰻はぴったりとはまるのだ!冬に旬を向かえるため夏には影が薄かった鰻だが、「土用丑の日に鰻を食べよう」というキャッチフレーズは江戸時代の人々をがっちりと掴むだけのパワーを最初から持っていたことになる。
考えてみるとこの3つの条件に鰻はぴったりとはまるのだ!冬に旬を向かえるため夏には影が薄かった鰻だが、「土用丑の日に鰻を食べよう」というキャッチフレーズは江戸時代の人々をがっちりと掴むだけのパワーを最初から持っていたことになる。
結論
土用の丑の日と鰻を食べるようになった起源を探ってみた。日常になじみ過ぎて当たり前としていたことにもよく調べると理由があり、始めた人がいる。古くからの風習には現代まで受け継がれるそれなりの理由がきちんとあるのだ。
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