1. パームシュガーとは?

ヤシから採取した砂糖
毎日の料理にもお菓子作りにも欠かせない大切な調味料、砂糖。甘みを出す"甘味料"として幅広く活躍する。一口に"砂糖"と言っても、多くの種類が存在する。もっとも一般的な砂糖は白砂糖、結晶が大きめでお菓子作りや飲み物に適したグラニュー糖、サトウキビの絞り汁を煮込んで作る褐色が特徴的な黒砂糖、他にも様々な種類がある。砂糖の原料となる植物も様々で、一般的なのはサトウキビやテンサイだが、これら以外から作られる砂糖もある。メープルシロップはサトウカエデ(楓)の樹液を煮詰めて濃縮して作るが、更に濃縮するとメープルシュガーができる。そして、今回のテーマである"パームシュガー"は、ヤシから採取する砂糖である。
健康や美容を意識する人から注目されている
砂糖は毎日の食事に必要不可欠だが、過剰摂取により健康を害する危険性があるとして問題視されている。WHO(世界保健機構)が糖分の多い飲料に課税するように呼びかけた事実もある。もちろん、過剰に摂取しなければ問題はない。しかし、健康や美容を意識する人たちは、精製によって栄養素が失われてしまう"白砂糖"よりも精製されていない砂糖を選び始めている。精製されていない砂糖とは、きび糖や黒糖、パームシュガーなど。中でも、パームシュガーは血糖値をあげにくい低GI食品として世界中で注目されている。
2. パームシュガーの原料や味は?

原料はヤシの樹液
パームシュガーの原料は、ヤシ類の樹液である。花序(花をつけた植物の茎や枝)や幹から採取して砂糖を作る。ヤシと聞くとココナッツの実をつけるココヤシが有名だが、他にもいろいろな種類があり、その数は3000種類以上にものぼると言われている。パームシュガーの原料となる樹液はサトウヤシとニッパヤシで、東南アジアや南アジアのほか、アフリカや南アメリカなどで主に生産されている。ちなみに、ココヤシもヤシの一種であり、ココヤシから作るココナッツシュガーもまたパームシュガーということになるが、日本では"ココヤシ以外のヤシから作られるパームシュガー"と"ココヤシから作られるココナッツシュガー"は別物として扱われている。
まろやかな甘さ
砂糖は、料理やお菓子に甘さやまろやかさ、コクを出したいときに使う。砂糖そのものを食べることはあまりないが、味を表現すると、やはり「甘い」の一言に尽きる。これはパームシュガーも同じであり、一般的な砂糖と同じく甘い。しかし、パームシュガーの甘さは白砂糖に比べてまろやかである。まろやかだが甘みが少ないわけではないため、使用量を増やす必要はない。苦味もなく、料理にもお菓子作りにも使いやすい。
3. 和食にも!パームシュガーはどう使う?

パームシュガーは固形!
一般的な砂糖はサラサラとした顆粒であり、スプーンなどですくって使う。ココナッツシュガーも顆粒のものが多いが、パームシュガーは一般的に固形である。プラスチックの容器や袋などに入って売られており、インドネシアなどではヤシの葉に包まれたものもある。パームシュガーを使うときには保存可能なプラスチックの容器などに移し、必要な分をナイフなどで削って使い、残りはそのまま保存する。少し手間だが、使いやすい大きさに削って保存すると良い。
パームシュガーは和食にも合う!
パームシュガーはヤシの樹液から作る。ヤシは南国(温帯地域)に多い木であり、なんとなく、パームシュガーは南国の料理に合いそうなイメージだ。実際に東南アジアや南アジアではパームシュガーは一般的な砂糖であり、東南アジアの麺料理ラクサやタイカレーなど料理に広く活躍している。しかし、パームシュガーは欧米などでも広く使われており、いろいろな地域の料理に合う。和食にもピッタリで、特におすすめなのが煮物だ。パームシュガーは煮物にまろやかな甘味を与え、味に深みを出してくれる。スイーツにも適しており、ケーキやクッキーなどに使われる。きな粉との相性も良く、パームシュガーは和スイーツにもおすすめできる。
結論
パームシュガーは、生産国や欧米諸国では一般的なスーパーなどでも販売されている。日本でも輸入食材店やインターネット通販などで購入可能だ。世界中で注目されているパームシュガー、気になる人はリサーチしてみよう。