1. チーズの種類

チーズは牛やヤギなどの乳を発酵させたもので、主に「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」がある。カロリーの前に、まずはチーズの種類をおさらいしておこう。
ナチュラルチーズ
熱や乳酸菌で牛乳を凝固させ、ホエー(乳清)の一部を取り除いて成型したのち、カビなどで熟成させたものである。ブルーチーズやモッツァレラチーズなどがこれにあたる。
プロセスチーズ
日本で一般的なのがプロセスチーズだ。1種類または複数のナチュラルチーズを溶かして調合し、殺菌・乳化させたものをいう。保存性がよく品質も安定しているのが特徴だ。
2. プロセスチーズのカロリーと糖質量

まずはプロセスチーズから、気になるカロリーと糖質量を見ていこう。いずれも100gあたりの数値で、文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」(※1)を参照した。本稿に登場するカロリーや糖質量はすべて同様とする。
プロセスチーズのカロリーと糖質量
- カロリー:339kcal
- 糖質:1.3g
プロセスチーズは、糖質は非常に少ないがカロリーがかなり高い。しかしチーズは牛乳から水分を取り除いたもので、栄養がギュッと詰まっている。たった20g(スライスチーズ約1枚分)で、牛乳コップ1杯分(200g)のタンパク質やミネラルを摂取できるのだから効率はよいだろう。素早く栄養をチャージしたいときにはもってこいの食材だ。ただし、お伝えしたように高カロリーなので食べすぎには注意しよう。
3. ナチュラルチーズ(超硬質~硬質)のカロリーと糖質量

ナチュラルチーズは、その硬さで超硬質・硬質・半硬質・軟質の4つに分けることができる。もっとも硬いのが超硬質チーズで、有名なのは粉チーズでもお馴染みのパルメザンだ。
パルメザンチーズのカロリーと糖質量
- カロリー:475kcal
- 糖質:1.9g
プロセスチーズでもカロリーがかなり高いとお伝えしたが、さらに高カロリーなのがパルメザンである。長時間熟成するため水分がしっかり蒸発して硬くなるのだ。粉チーズであれば100gも食べることは少ないかもしれないが、やはり食べすぎには注意しよう。次に硬いのが硬質チーズで、チェダー、エダム、エメンタールなどがある。
チェダーチーズのカロリーと糖質量
- カロリー:423kcal
- 糖質:1.4g
チェダーにはオレンジっぽい色のものがあり、ポロッとした食感が特徴だ。硬質ほどではないものの、水分量が少ないためその分カロリーが高くなるとされている。
エダムチーズのカロリーと糖質量
- カロリー:356kcal
- 糖質:1.4g
エダムは丸く、表面が赤いワックスでコーティングされている。ただしチェダーやエメンタールと比べるとややカロリーが低い。これは、チーズ自体は硬めだが脱脂乳で作られているためだ。
エメンタールチーズのカロリーと糖質量
- カロリー:429kcal
- 糖質:1.6g
エメンタールはチーズフォンデュなどに使われる、絵本やアニメなどによく出てくる穴のあいたチーズだ。どのチーズも糖質量は低いが、エダム以外はカロリーがかなり高い。硬いチーズは水分が少ないので、その分カロリーが高くなると考えられるが、ワインを飲むときなどに少しずつ味わいながら食べるようにしよう。
4. ナチュラルチーズ(半硬質~軟質)のカロリーと糖質量

最後に、ナチュラルチーズの中の半硬質から軟質といったチーズのカロリーや糖質量を紹介する。まずは半硬質からだ。主なものはゴーダやブルー(軟質もあり)などがある。
ゴーダチーズ・ブルーチーズのカロリーと糖質量
- ゴーダチーズ
カロリー:380kcal
糖質:1.4g - ブルーチーズ
カロリー:349kcal
糖質:1.0g
ゴーダはプロセスチーズの原料にもなっていて、サンドイッチにもよく使われる。ブルーは青カビによって熟成させたものだ。半硬質と軟質があり、ゴルゴンゾーラなどが名高い。続いて軟質チーズを紹介しよう。主なものはカマンベール、クリーム、モッツァレラ、カッテージ、リコッタなどだ。
カマンベールチーズのカロリーと糖質量
- カロリー:310kcal
- 糖質:0.9g
カマンベールは白カビに覆われた小型の丸いチーズである。内面はクリーム色でとろりとしていて、濃厚なコクと旨みを楽しめるチーズだ。
クリームチーズのカロリーと糖質量
- カロリー:346kcal
- 糖質:2.3g
その名の通りクリームタイプのチーズで、生乳と生クリームが原料になっている。熟成させないフレッシュチーズのひとつである。そのまま食べることもあるが、ケーキに使ったりパンに塗ったり、ディップソースにしたりして食すことが多い。
モッツァレラチーズのカロリーと糖質量
- カロリー:276kcal
- 糖質:4.2g
白くて表面がツルツル、見た目はまるで餅のようなチーズである。クセがないのでそのままトマトとバジルとサラダにして食べてもよいが、加熱するとよく伸びるので、ピザやグラタンなどに使っても美味しい。
カッテージチーズのカロリーと糖質量
- カロリー:105kcal
- 糖質:1.9g
80%が水分という、白色をしたフレッシュチーズの一種だ。原料は脱脂乳で、そぼろタイプと裏ごしタイプがあり、サラダやチーズケーキなどに使われることが多い。低カロリーなうえ塩分も低いので、カロリーや塩分コントロールにもおすすめのチーズだ。
リコッタ―チーズのカロリーと糖質量
- カロリー:162kcal
- 糖質:6.7g
リコッタは、チーズを作る際に出るホエー(乳清)を加熱して固めたものである。低脂肪で、フルーツやハチミツとの相性が抜群だ。滑らかな口当たりであることから、サラダやパスタ、ケーキなどさまざまな料理に使われる。
どれも高カロリーだが、カッテージだけは脱脂乳が使われているのでダントツでカロリーが低い。クセがないうえ高タンパク質なので、ヘルシーな材料として最近注目されているチーズでもある。モッツァレラとリコッタはやや低カロリーだが糖質量は高めだ。多めに食べたいときは、ほかの料理でカロリーや糖質量を調整しよう。
どれも高カロリーだが、カッテージだけは脱脂乳が使われているのでダントツでカロリーが低い。クセがないうえ高タンパク質なので、ヘルシーな材料として最近注目されているチーズでもある。モッツァレラとリコッタはやや低カロリーだが糖質量は高めだ。多めに食べたいときは、ほかの料理でカロリーや糖質量を調整しよう。
結論
日本で見かけるナチュラルチーズといえば、ひと昔前はクリームチーズくらいであった。だが今ではどんどん種類が増え、なかなか追いつけない方も多いのではないだろうか?ここはひとつ、子どもの食育としてチーズの種類について親子で研究してもよいかもしれない。本稿を参考に、カロリーや糖質を交えながら奥深いチーズの世界を堪能してほしい。
(参考文献)
- 1:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365419.htm