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プロセスチーズとは?ナチュラルチーズとの違いを分かりやすく解説!

プロセスチーズとは?ナチュラルチーズとの違いを分かりやすく解説!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 中山沙折(なかやまさおり)

鉛筆アイコン 2020年10月28日

「プロセスチーズ」と「ナチュラルチーズ」の違いをご存知だろうか?同じチーズでも両者は性質が異なる。その違いをポイントを絞って分かりやすく紹介するとともに、ワインに合うのはどちらか、料理におすすめなのはどちらかなど、選り分けについても解説する。

  

1. プロセスチーズとは?

プロセスチーズは日本で馴染みが深いチーズだ。市販品などいわゆる一般的な「チーズ」は多くがプロセスチーズである。6Pやスライス、ナッツ入りやブラックペッパー入りなどいろいろな形・味のプロセスチーズが販売されている。

ナチュラルチーズから作られる

プロセスチーズは、後述するナチュラルチーズを細かく粉砕して加熱・溶解し、乳化剤などを加えてから型に詰めて再成形されたものである。ナチュラルチーズよりも歯ごたえがあり、プリプリとした食感が特徴だ。なお加熱処理をする過程で「乳酸菌(※1)」は死滅している。これがナチュラルチーズとの大きな違いを生み出す要因となっている。

品質が安定している

プロセスチーズは乳酸菌が死滅しているため、熟成が進むことはない。ナチュラルチーズと比べて品質が安定しているというわけだ。

保存性に優れている

熟成が進まないことから、ナチュラルチーズと比べて保存性にも優れている。これもプロセスチーズの大きな特徴だろう。

高コスパも人気の理由のひとつ

一般的に、プロセスチーズはナチュラルチーズと比べてリーズナブルな商品が多い。そのうえ保存性に優れているのだから、高コスパのチーズといえるだろう。

2. ナチュラルチーズとは?

お伝えしたように、ナチュラルチーズはプロセスチーズの原料となるものだ。具体的にどういったチーズをナチュラルチーズと呼ぶのかを解説しよう。

動物の乳を固めて発酵・熟成させたもの

牛はもちろん山羊・羊・水牛などの乳に、乳酸菌やレンネットと呼ばれる凝乳酵素を加えて固めたのち、発酵・熟成させて作られるのがナチュラルチーズである。プロセスチーズと異なり乳酸菌が生きているので、そのまま置いておくと熟成が進む。この乳酸菌や酵素が、乳のタンパク質や脂肪を分解し個性的なチーズへと進化させているのだ。味は、乳の種類などによってかなり違いがある。

大きく7種類に分けられる

  • フレッシュチーズ(モッツァレラ、リコッタなど)
  • 白カビチーズ(カマンベール、バラカなど)
  • ウォッシュチーズ(エポワス、マロワルなど)
  • シェーブルチーズ(ヴァランセ、クロタン・ド・シャヴィニョルなど)
  • 青カビチーズ(ゴルゴンゾーラ、ロックフォールなど)
  • セミハードチーズ(ゴーダ、マリボーなど)
  • ハードチーズ(パルミジャーノ・レッジャーノ、チェダーなど)
フレッシュチーズとは熟成せずそのままいただくチーズのことだ。一方、白カビチーズや青カビチーズは、カビを植え付けてから乳酸菌とともに熟成させたものを指す。またセミハードタイプは3〜6カ月などゆっくり時間をかけて熟成させたもの、ハードタイプは1〜3年などさらに長い年月をかけて熟成させたものをいう。

そのほか、ウォッシュチーズとは表面をビールや塩水などで何度も洗い、内部を熟成させていくチーズを指し、シェーブルチーズとは山羊乳から作られるチーズをいう。それぞれ味わいが異なるため、ぜひ食べ比べしてお好みのチーズを見つけてほしい。

3. プロセスチーズの栄養素は?

プロセスチーズは、加熱する過程で乳酸菌が死滅するとお伝えした。そのため「栄養価が低いのでは?」と心配になる方もいるだろう。だだ、乳酸菌が死滅しても細胞壁の成分は壊れないため、栄養価に大きな差が出ることはない。「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」(※2)を元に、プロセスチーズの栄養素について解説する。

プロセスチーズ100gあたりの主な栄養素

  • エネルギー:339kcal
  • たんぱく質:22.7g
  • 脂質:26.0g
  • 炭水化物:1.3g
  • 灰分:5.0g
  • ナトリウム:1100mg
  • カリウム:60mg
  • カルシウム:630mg
  • マグネシウム:19mg
  • リン:730mg
  • 鉄:0.3 mg
  • レチノール:240μg
  • ビタミンE:1.1mg
  • ビタミンK:2μg
  • ビタミンB1:0.03mg
  • ビタミンB2:0.38mg
  • ビタミンB6:0.01mg
  • ビタミンB12:3.2μg
  • 葉酸:27μg
  • パントテン酸:0.14mg
  • ビオチン:2.1μg
  • 飽和脂肪酸:16.00g
  • 一価不飽和脂肪酸:6.83g
  • 多価不飽和脂肪酸:0.56g
  • コレステロール:78mg
  • 食塩相当量:2.8g

たんぱく質(※3)やカルシウム(※4)が豊富

プロセスチーズには、良質のタンパク質およびカルシウムといった栄養素が豊富に含まれている。ナチュラルチーズも含め、チーズ類はさまざまな栄養素を効率よく摂取するのに向いている食品といえるだろう。

4. プロセスチーズとナチュラルチーズのおすすめは?

ここまで、プロセスチーズとナチュラルチーズの違いや、プロセスチーズの栄養について解説してきた。ところでワインのおつまみとしてや、料理に使うならどちらのチーズが合うのだろうか?

ワインとともに味わうならナチュラルチーズ

ワインのお供にするなら、チーズ本来の深い味わいを楽しむことができるナチュラルチーズが合う。クセが少ないものがお好みなら、フレッシュチーズや白カビチーズなどがおすすめだ。

料理や弁当に入れるならプロセスチーズ

一方、料理や弁当などに入れるならプロセスチーズがよい。保存性に優れていることに加え、そのまま・焼く・溶かすなどいろいろな食べ方をしても美味しく食べられる。

5. チーズの歴史も知っておこう

せっかくなので、最後にチーズの歴史についても触れておく。ヨーロッパでは、チーズはとてもポピュラーな食べ物で食卓に並ぶ頻度も高い。チーズは人類が作った最も古い食品ともいわれている。家畜として飼われていた羊や山羊の乳が、偶然発酵したことが始まりと推測されている。西アジアや古代ギリシャで発展したチーズは神へのお供え物としても用いられていた。

牛乳のチーズ

牛乳からチーズが作られるようになったのは、紀元前1000年頃のイタリアといわれている。その後フランスやドイツなど、ヨーロッパ全土にチーズ作りが広がっていった。現在でもヨーロッパではその土地ごとに名産のチーズが存在する。

日本のチーズ

日本とチーズの関わり合いは意外に古い。600年ごろにはチーズに似た乳製品が渡来している。ただしその後、時代の移り変わりとともに作られることはなくなったという。再度チーズ作りが盛んになったのは、明治時代の北海道開拓になってからだ。

結論

すべてのチーズの原点はナチュラルチーズであり、そのナチュラルチーズをより扱いやすく加工したものがプロセスチーズである。品質の安定性や保存性、そしてコスパにおいてはプロセスチーズが優れている。チーズそのものの風味を楽しむのであればナチュラルチーズ、調理用にはプロセスチーズなど用途に合わせて選ぼう。

(参考文献)

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  • 公開日:

    2018年9月 7日

  • 更新日:

    2020年10月28日

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