目次
- 1. イースト菌とは?
- 2. イースト菌の種類とそれぞれの特徴
- 3. 天然酵母やベーキングパウダーとの違い
- 4. イースト菌の基本的な使い方とは?
- 5. 市販のおすすめドライイーストを紹介
- 6. イースト菌を理解するためのQ&A集
1. イースト菌とは?

イースト菌とは酵母(パン酵母)の一種であり、パンの発酵に適した単一の微生物を純粋培養したものである。その特徴は、他の酵母よりも発酵力が優れていること、30℃前後で活発に発酵することなどだ。また、市販されているイースト菌には「生イースト」「ドライイースト」「インスタントドライイースト」などの種類がある。なお、原材料表示には「パン酵母」と書かれていることもある。
イースト菌を使うメリット
パンの生地などを膨らませるのに役立つものは、イースト菌以外にも天然酵母やベーキングパウダーなどさまざまある。しかしその中でイースト菌を使う理由は、以下のようなメリットがあるからだ。
・他の酵母よりも発酵力が優れている
・風味が単一であり味が安定しやすい
・入手しやすい上に、日持ちもする
・風味が単一であり味が安定しやすい
・入手しやすい上に、日持ちもする
2. イースト菌の種類とそれぞれの特徴

市販のイースト菌には、生イースト・ドライイースト・インスタントドライイーストなどいくつか種類がある。それぞれ特徴・特性が異なり、向いているパンの種類も違うため正しく理解しておこう。
その1.生イースト
生イーストとは、培養したイースト菌を水洗い・水切りして作る固形タイプである。ふんわりとした仕上がりになるのが特徴で、一般的なパン屋でも使われていることが多い。また、さまざまなパンに使うことが可能だが、特に砂糖を多く使うパンとの相性がよくなっている。一方で、生タイプなので他のイースト菌に比べると劣化が早いのが欠点。通常は冷蔵保存か、冷凍保存で保管する。
その2.ドライイースト
ドライイーストとは、培養したイースト菌を長時間乾燥させて作る粉状タイプである。一般的にはフランスパンのようなハード系のパンや砂糖が少ないパンを作るのに向いている。また、乾燥させて作るため、長期保存できることがメリットである。一方で、ドライイーストを使う際は「予備発酵」といって、ぬるま湯に浸して発酵力を高める必要がある。その点、手間がかかるタイプといえる。
その3.インスタントドライイースト
インスタントドライイーストとは、生イーストを短時間で乾燥させて作る粉状タイプである。家庭用で使われることが多いタイプで、発酵力が優れているためどんな生地にも使いやすい。また、ドライイーストとは異なり予備発酵が不要なので、初心者でも使いやすいのがメリットといえる。なお、ドライイーストよりは保存期間が短いが、生イーストよりは長期保存できるものが多い。
3. 天然酵母やベーキングパウダーとの違い

イースト菌のようにパンやスポンジを発酵させるアイテムには、「天然酵母」や「ベーキングパウダー」、「ベーキングソーダ」などもある。しかし、それぞれイースト菌とは異なる特徴を持つので、違いを確認しておこう。
天然酵母とは?
天然酵母(野生酵母)とは、イースト菌と同じ酵母(パン酵母)の一種ではあるが、イースト菌とは異なり、果物や穀物についている微生物を採取・培養したものである。単一の微生物から作ったイースト菌よりも風味やうま味が楽しめるが、発酵力はイースト菌よりも劣るとされている。また、市販品の天然酵母には「ドライタイプ」があり、市販品以外として「自家製タイプ」がある。
ベーキングパウダーとは?
ベーキングパウダーとは、重曹に酸性剤を加えた膨張剤のことである。イースト菌と同じように炭酸ガスを発生させて生地を膨らませるが、イースト菌よりは発酵力が弱いとされている。また、サクサクとした食感に仕上がるため、一般的には焼き菓子などに使われることが多い。イースト菌の代用品として使われることも多いが、仕上がりや食感などはやや違ってくるので代用する際は注意しよう。
ベーキングソーダとは?
ベーキングソーダとは、一般的に「重曹(食用重曹)」と呼ばれている膨張剤のことである。ベーキングパウダーの主原料として使われているが、ベーキングパウダーと異なり酸性剤や分散剤などは使われていない。また、多量に使うとやや黄色くなり、特有の苦味も感じるようになる。色味や苦味に特徴があるため、洋菓子よりはどら焼きや甘食といった和菓子に使われることが多くなっている。
4. イースト菌の基本的な使い方とは?

市販のイースト菌はドライイーストか、インスタントドライイーストであることが多い。基本的な使い方は同じで「最初に他の材料と一緒に混ぜる」というものであるが、前述のとおりドライイーストは「予備発酵」が必要になる。そこで予備発酵のやり方を確認しておこう。
ドライイーストの予備発酵のやり方
1.耐熱容器に水大さじ2に砂糖小さじ1を入れる
2.(1)を電子レンジで10秒程度温める
3.(2)にドライイーストを入れてよく混ぜる
4.10分ほど放置しておけば予備発酵は完了する
※予備発酵が完了したらすぐに使うようにする
2.(1)を電子レンジで10秒程度温める
3.(2)にドライイーストを入れてよく混ぜる
4.10分ほど放置しておけば予備発酵は完了する
※予備発酵が完了したらすぐに使うようにする
5. 市販のおすすめドライイーストを紹介

市販のイースト菌は、ドライイーストやインスタントドライイーストが多い。このうち初心者におすすめなのはインスタントドライイーストである。パッケージに「予備発酵不要」などと書いてあるものを選ぼう。また、以下に紹介している人気のインスタントドライイーストを選ぶのもおすすめだ。
その1.日清フーズ「日清スーパーカメリヤドライイースト」
日清スーパーカメリヤドライイーストは、日清フーズが販売している「予備発酵不要」のインスタントドライイーストである。インスタントドライイーストの中でも特に定番の商品であり、一般的なスーパーなどでも売られていることが多い。サイズにはお徳用(50g)、ホームベーカリー用(3g×10袋)、使い切り用(6g×3袋)の3種類がある。少量だけ使えるのもメリットといえるだろう。
その2.ルサッフル「サフ インスタント ドライイースト」
サフ インスタント ドライイーストは、フランスの老舗パン酵母メーカーであるルサッフルが製造しているインスタントドライイーストである。「赤サフ(低糖用)」「金サフ(高糖用)」「青サフ(低糖用/ビタミンC抜き)」の3つのタイプがあり、作りたいパンに適したイースト菌を選ぶことが可能だ。なお、予備発酵が必要な「ドライイースト」などもあるので間違えないように注意しよう。
その3.ABマウリ「マウリパン・インスタントドライイースト」
「マウリパン・インスタントドライイースト」は、イギリスに本社を置くABマウリ社が製造、鳥越製粉が販売しているインスタントドライイーストである。糖分が少ない生地用の「赤ラベル」と糖分が多い生地用の「金ラベル」の2種類を販売している。よく膨らみ、香りもよいことが特徴で、ボリューム感のある美味しいパンに仕上がる。なお、インスタントタイプなので予備発酵は不要である。
6. イースト菌を理解するためのQ&A集

ここまでイースト菌について詳しく説明してきたが、まだイースト菌に関する疑問・質問が残っているかもしれない。そこでここではそのようなイースト菌に関する疑問・質問に答えておこう。
Q1.なぜイースト菌を使うとパンは膨らむの?
パンが膨らむ理由は、イースト菌を使うことで小麦粉(グルテン)の中に炭酸ガスやアルコールが発生するからだ。この炭酸ガスやアルコールを発生させることを、一般的には「発酵」という。イースト菌が活発になるのは、一般的に30℃前後といわれている。10℃以下では発酵力が弱まり、50℃以上では死滅してしまうので、ふっくらと膨らませたいなら30℃前後の場所で生地作りを行おう。
Q2.イースト菌は人工的に作られた化学物質なの?
イースト菌はパンに適した微生物を人工的に培養して作られており、「食品添加物」のように人工的に作られた化学物質ではない。より詳しくイースト菌の作られ方を説明すると、まず良質な微生物(種菌)を育ててから、次に培養に適した栄養を大量に与えて育てる。適切な温度・pH環境で育てるとイースト菌は10倍以上に増殖する。その後、脱水・乾燥・梱包などを経て商品となる。
Q3.イースト菌は健康上問題ないの?
イースト菌は「菌」と付くため不安視している人もいるようだが、イースト菌による有害性は現在のところ認められていない。また、培養に窒素やリンが使われているため健康上よくないと考えている人もいるが、培養中に微生物の養分になり、不要なものは排出されるため問題ないとされている(※1)。そのため、イースト菌は適切に使用すれば安全なものであるといえそうだ。
Q4.イースト菌の名前の由来は何なの?
イースト菌は日本独自の名前で、英語で「酵母」を意味する「イースト(Yeast)」に菌を加えたものである。そのため、本来であれば酵母とイーストは同じものを指している。しかし、日本ではイースト菌と酵母を別物のように扱っているため、一般的には分かりにくさが生まれているようだ。このことから最近は、酵母の一種として「パン酵母」という名前を使うことが増えている。
結論
イースト菌とは酵母の一種であり、パンの発酵に適した微生物を培養したものである。また、イースト菌の中には生イースト・ドライイースト・インスタントドライイーストなどの種類があり、初心者にはインスタントドライイーストがおすすめとなっている。市販品にはいろいろなタイプが売られているので、「予備発酵不要」などの表示をたよりに探してみるとよいだろう。
【参考文献】
※1:パン食普及協議会「パンのはなし 安全性Q&A」
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